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シャケクマ貴族

ちょくちょく出てくるあのアイテムの贈り主は……?

 フィサリス公爵殿が結婚されてしまった!

 それも影のうすーーーーーーいユーフォルビア伯爵令嬢と。


 わしは名門貴族にお近づきになるためにも、是非ともうちの自慢の娘を嫁にと何度もフィサリス家に縁談を申し入れてきた。そんなもの、貴族として当たり前のことだ。しかし返ってくる返事はことごとく『(NO)』。『まだ結婚する気がありませんので』と言ってきたくせに、聞けばこの縁談、フィサリス家からの申し入れということだし!

 どういうことだ?! 没落貴族・斜陽貴族のユーフォルビア家よりも、うちの方が断然羽振りもいいぞ? ま、まあ、ユーフォルビア家は没落してるとはいえ、系譜は文句ないが。王族に輿入れさせても大丈夫な家系らしいし、実際何代か前にはそういった事実もあるしな。


 まあ、それはいいとして。


 娘も、うちの娘はそりゃあ傾国の美女というわけでもないが、まあそこそこいい線はいっているはず。社交界でもまあ名は知れている。

 そ・れ・が、な・ぜ、無名のユーフォルビア伯爵令嬢に負けたのだ?!

 御前会議で婚約が発表された時に、ワシと同じように唖然となっている貴族が結構な数いたのには、少し溜飲を下げたが。


 策略破れたとはいえ、結婚の祝いを贈らなければならない。向こうはこの国一番の名門貴族だ。礼を失するということは繋がりもなくすということだからな。


 何を贈ろうか……?


 ワシは書斎で一人、腕組みをして考える。ああ、また考えすぎて禿げてしまう。……ではないな。

 そうだ! 我が領地特産の、スギーの木で彫ったクマの彫刻がいいんじゃないか? なんといっても領地イチオシのゲージツ品だぞ!

 クマが力強くシャケを咥えている、とても雄々しいデザイン! 

 そうと決まれば話は早い。


「おーい! 領地からあの特産土産物を取り寄せろ!」


 書斎から出て執事を探して言いつければ、その場に居合わせた娘が呆れた顔をしている。


「お父様、それをどうされる気ですの?」

「もちろん、あれを結婚の祝い品としてフィサリス家に贈るのだよ!」


 どうだ! いい考えだろう? そう顔に表しながら娘に言ったのに。


「……嫌がらせ?」


 どうしてそうなる? 娘よ! じと目でお父様を見るんじゃない!

 

「何を言うか! 最大級の祝いの気持ちじゃないか! わははは!」

「嫌がらせ以外の何物でもないと思うんだけど」


 若い者にはあの良さがわからんからな! まだまだだな、娘よ!

 娘の縁談は、そうだな、アルゲンテア家の次男様に持っていこう! あそこはフィサリス家に次ぐ名家だし。長男殿は婚約されているけど、次男殿は婚約者もいないから狙い目だ!


* * * * * *


「ハックションッ!!! ……なんだ?? 今すっごい寒気がしたぞ??」

「どうした? セロシア。伝染うつすなよ」

「サーシスは冷たいねぇ」


今日もありがとうございました(*^-^*)

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