あの日のヴィオラ
活動報告より♪
本編105話目と106話目の間の出来事♪
モンデュックの丘で夕日を見ながら、サーシスがヴィオラに誓いの口づけをした後。
「ただ今戻った」
「ただいま~」
二人が仲良く手をつなぎ別荘に帰ってくると、エントランスには使用人たちがいつも通り勢揃いしていて、
「「「「「お帰りなさいませ」」」」」
と、いつも通りの綺麗にそろったお辞儀で出迎えた。
うむ、と小さくうなずくサーシスと、相変わらず総出迎えにどぎまぎしているヴィオラ。
サーシスがヴィオラを促し居間に向かいながら、
「フェンネル、晩餐の用意を」
「かしこまりました、若旦那様」
フェンネルに食事の用意を指示し、フェンネルがそれを受けて厨房へと下がろうとした時。
「おや? 奥様のお顔色、少し赤くありませんか?」
フェンネルがヴィオラの頬が赤いことに気付いた。
「え?」
「へっ?!」
それはさっきのサーシスの告白の余韻で赤いのだが、フェンネルたちは外で何があったかなど知る由もない。
さっきまで特に変わった様子などなかったので、サーシスは驚いてヴィオラを見、ヴィオラは慌てて頬を押さえて赤みを隠すが。
「熱でもあるのでしょうか? 夕方は少し気温も下がりますから、お風邪など召してしまわれたとか」
心配そうに使用人頭のアニスも聞いてくる。
「ないないないない! ないです! 大丈夫!」
しかし風邪ではない。断じてない。
頬を押さえたまま頭をブンブン振って否定するヴィオラに、心配そうに覗きこんでくるサーシス。
「ああ、本当だ。ちょっと赤いな。大丈夫ですか? ヴィオラ?」
「いやほんと、大丈夫ですから!」
あんたのせいだよ! と言うツッコミは心の中だけで☆
すると、
コツン。
「……うん、熱はなさそうだ」
「――!!」
おもむろにヴィオラの額に自分の額をくっつけて熱を測るサーシス。
目を剥き絶句するヴィオラ。
「あれ? さらに赤くなってませんか?」
ステラリアのツッコミが、エントランスにこだました。
今日もありがとうございました(*^-^*)




