エステ隊の実況中継
活動報告より♪
夜会に行くヴィオラを磨き上げる侍女さんの心のうち。
侍女さんの、ヴィオラを見る目がアブナイですw
「今日も奥様をしっかりと磨き上げるのよ!」
「「「らじゃっ!!」」」
ミモザの掛け声で気合を入れて、湯あみから上がってくる奥様を迎え撃つ(?)私たちエステ隊。
「はいはいはいはい~、さ、奥様! こちらに寝そべってくださいませね~」
そう言って奥様を、エステ特設ベッドに案内します。ちなみにこの特設ベッド、エステのたびに、エステのためだけに、寝室に運び込まれてくる代物なんですよ! だってマッサージオイルで寝台を汚しては、奥様が寝る時に不快な思いをしてしまうでしょう?
奥様がマッサージベッドに横になると、私たちは素早く配置につきます。
脚二人、上半身一人、頭と顔一人。
私は畏れ多くも上半身担当。頭と顔は、もちろんミモザ。悔しいけど一番上手だからです。
一番最初は確か、ロータスさんのダンスレッスンで奥様がグロッキーだったところを、お疲れをほぐすためにマッサージしたんでしたっけ。
あれから結構経ちましたねぇ。しみじみ。……って、そんな感慨に耽ってる場合じゃないわ。
ダンスが終わった~といっては奥様に群がり、夜会・パーティーに行く~といっては奥様に群がり。私たちエステ隊は寸暇を惜しんで奥様磨きに精を出しましたよ!
その甲斐あって、奥様は。
「磨けば磨くほどに、奥様のお肌って艶々ピカピカになりますよねぇ~」
そう。体中すっかりぴかぴかつやつや。乙女の憧れ、陶磁器肌です。湯上りたまご肌なのです!
今日も全身全霊でマッサージ、頑張らせていただきます!
ぐぃぃ、ぐぃぃと力を込めて押したり、かと思いきや触れるか触れないかのソフトタッチで背骨に沿って老廃物を流したり。
私の手に吸い付いてくるようなしっとりとしたなめらかさ、しかし押し返す弾力は瑞々しく。
ぎゃー、もう、鼻 血 も の ! !
……ヤバい、マジで鼻血吹きそう。いや待て私! そんな不純な気持ちで奥様に触れるなど許されるのか? いや許されまい!
しかしやっぱり私が鼻息荒くマッサージしていると。
「ちょ、奥様の背中を見つめる目がヤバいよ? わからんでもないけど」
「あ、ヤバい? エロオヤジ化してた」
ひそひそ。隣の侍女に小さな声で指摘を食らいました。ああ、止めてくれてありがとう。危うく大事な道を踏み外すところでした。
今度こそ邪念を振り払い、一心不乱にマッサージです!
マッサージ後の奥様は、それはもうお肌の色つや麗しく、ほっぺなんて薔薇色で! もうマジ天使!!
今日は旦那様と夜会に行かれるそうで、旦那様の衣装とリンクした菫色のドレスを着ています。
完璧に盛装した奥様の素晴らしいこと!
磨き上げてきた私たちも鼻高々です! 仕上がった奥様を前にして、また鼻息が荒くなります。
なぜか奥様はとっても謙虚で、ご自分の魅力をちっとも理解していませんけど、奥様ほど素敵なレディはこの国の社交界にはいませんことよ!
さあ、夜会でその魅力を存分に見せつけてきてくださいませ!!
おーっほっほっほっほ!!
「……で、なんでアンタが高笑いよ?」
「ん? だって公爵家自慢の奥様だから!」
「まあ確かに」
今日もありがとうございました(*^-^*)




