愛しのレティ
フリージア視点。
末っ子の私に、かわいい妹ができました。お姉ちゃまのこどもだから本当の妹じゃないけど、でも本当の妹と思ってるの。
「フリージア、フリージアねえさま、フリージアお姉ちゃん……う〜ん、普通におねえちゃまがいいかなぁ」
かわいい赤ちゃんのことを考えてルンルンしていると。
「ヴィオラに赤ちゃんが生まれたから、シスルとフリージアは〝おじさま〟と〝おばさま〟ね」
お母様がふとそんなことを言いました。
えええ〜!? 私、おばちゃま、なの!?
赤ちゃんにはなんて呼んでもらおうかといろいろ考えていたというのに、おばさま……ちょっとショックです。
「おばさま、やだ」
「あらあら」
「お姉ちゃま、って呼んでもらうんだもん!」
「じゃあ甘えんぼフリージアは卒業しなくちゃね」
「甘えんぼじゃないもん!」
もう! お母さまったら、いつまでも私を子ども扱いするっ!
そしてやってきた、お姉ちゃまのおうち。今日もレティちゃんと遊ぶんだ〜♪ ロータスさんに案内されてサロンに行くと、お姉ちゃまとバイオレットが私を待ってくれていました。
「ちっちゃくてかわいい」
「そうね。フリージアよりちっちゃいわ」
「そりゃそうよ。だって私はもう〝お姉さん〟だもの」
「くすくす」
えへん、と胸を張ったら、お姉ちゃまに笑われました。お姉ちゃまは(も?)いつまでも私を子ども扱いしてひどいです。私だって、もうなんでも一人でできるのに!
私がプンスカ怒っているというのに、お姉ちゃまはさらに笑っています。
「フリージアったら。そんなぷくっと膨れた顔もかわいいわ」
……はっ!“お姉さん”は頬を膨らませたりしないわ! 子どもっぽいことしてたら、レティちゃんに『お姉ちゃま』って呼んでもらえなくなる!
それは大変。
私はぷす〜っと頬の空気を抜いて、またにこっと笑いました。余裕余裕。
「私はね、もうお姉さんだから、レティちゃんにお歌を歌ってあげられるのよ」
「あら、それは嬉しいわ」
「それにね、上手に絵もかけるから、好きな絵をかいてあげられるの」
「うんうん」
「レティちゃんが泣いたら、よしよしって、できるの」
「あら頼もしいわね」
えっへん。だからレティちゃんの子守もできるのよ!
「じゃあ今日はお泊まりしていく?」
「うん! お姉ちゃまとレティちゃんと一緒に寝る! ……あ」
「ふふふ。まだまだかわいいわね」
「ちちちち違うもん! 家なら一人で寝れるもん!」
「そうね、はいはい。今日はみんなで一緒に寝ましょうね」
「わぁい!!」
…………あれ? まあいっか。
ありがとうございました(*^ー^*)