LOVE LOVE LOVE♡
活動報告SSより♪
本編181話目、騎士団メンツが公爵家に襲来した時のお話です。
「レティ様、レティ様、アンゼリカですよ、ア・ン・ゼ・リ・カ」
「あん〜」
「きゃぁぁぁ♡ レティ様に『アン』って呼んでもらえたぁ」
アンゼリカがキャピキャピとはしゃいでいる。
バイオレットがしゃべりだしたとユリダリスに話していたら、どこからともなくアンゼリカたちが現れて『ではぜひお話をしたいです』とか言い出して、そのまま無理やり仕事帰りについてきたのだ。この三人、バイオレットのことを溺愛……というかバイオレットLOVE人間だからな。
そして今、うちのサロンでバイオレットと『お話』しているという状況だ。
「じゃあレティ様、アルカネットは? ア・ル・カ・ネ・ッ・ト」
「ある〜」
「レティ様、もうずっと私のことは『アル』って呼んでくださいね♡」
満面の笑みでバイオレットを抱きしめるアルカネット。
そして、アルカネットに抱っこされているバイオレットに向かって、今度はカモミールが。
「はいはい、レティ様、お姉ちゃんはカモミールですよ、カ・モ・ミ・ー・ル」
「……かみー?」
「さすがにカモミールは難しかったか〜」
「しかしさすがレティ様、なかなかナイスなネーミングセンスですよ〜」
「いいじゃんいいじゃん、今日から私のニックネームは『カミー』でヨロ!」
カモミールは新しいニックネームが決まってご満悦だ。
「かわいい。超かわいい。もらって帰りたいです!」
「うちのかわいい子をやれるか!」
ギュッとバイオレット抱きしめたままアルカネットがふざけたことを言う。やばい。こいつらなら実際に持って帰りかねない。
あわてて僕はバイオレットを奪い返した。
「けちー。副隊長のけちー」
「ぶーぶー」
「ひとりじめはんたーい!」
「いや、レティはうちの子だし。な、レティ?」
「はーい」
ぶーたれる三人をよそに僕がバイオレットに話しかけると、バイオレットもご機嫌で返事してくれる。いい子だ。
すると、突然ニヤッと笑ったカモミールが、
「レティ様、この人誰ですか?」
と、僕を指さしながら聞いてきた。
バイオレットがカモミールの指をたどって、僕の顔をじっと見てくる。
ふふ〜ん。バイオレットはもう『おとうさま』って言えるんだぞ。なんせ僕が一生懸命教えたんだからな。
僕もバイオレットを見てにっこり笑っていたんだけど。
「よく家に来るおっさん」
えええ〜!? すごいスラスラとエグい言葉が出てきたね、バイオレット! お父様びっくりしたよ……って、バイオレットの後ろからこっそりアンゼリカがアテレコしやがったのか!
「アンゼリカ! おっさんってなんだおっさんて! 僕はまだ20代だ、失礼な」
「ツッコミどころそこですか!」
それまで黙っていたヴィオラにつっこまれた。あ、そこじゃないか。
「レティ、お父様いじめられて可哀想だね」
泣き(真似をし)ながらバイオレットを抱きしめたのに、
「おとーしゃ! きゃっきゃ」
「おお……うちの子めっちゃ笑ってる……」
何が面白いのか、バイオレットが楽しそうに笑ってる。バイオレットが楽しそうならいいか……?
「わぁ、レティ様、『おとーしゃ』って言いました!」
「すごーい。ちょっと見ない間にすごく成長してますねぇ」
「おねーさんたちは感激ですよ〜」
バイオレットの成長に目を細める三人だが。
「僕は『おっさん』で、僕より年上のくせに自分たちは『おねーさん』か」
ここは言わせてもらうぞ。
ありがとうございました(*^ー^*)




