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Program-2- 能力

「、、いてて、、?」

目の奥が刺激されるような頭痛のせいで、勇牙は目を覚ました。

一番最初に勇牙の目に映ったのは教師用の教卓だった。

何故か知らない教室で椅子に座っていた。


今どこにいるのか。

頭が痛い。

今まで寝てたのか。


考える事が多すぎて勇牙の脳内容量はパンク寸前であった。

自分の教室で強い光を浴びたあと、長く意識が無かったように思える。

(ここは、俺のクラスじゃないな。それに、、)

椅子から立ち上がった勇牙は教室をぐるっと一周見回し、すぐに違和感に気付いた。

(、、、俺しかいない、、、?)

勇牙は記憶の糸を必死手繰り寄せる。教室に皆といたことは覚えている。更新データを開いて、、、

(そうだ!タブレット!!、、、)

そんな勇牙の不安も束の間、前の教卓の上にA4大の黄色のタブレット端末が置いてあるのに気付いた。

だが自分のタブレットとは色が違う。

(誰のだ、、?)


とりあえず、と不安になりながら電源ボタンを押す。2,3秒の沈黙のあと、黒い背景に青い字で


ルール説明


と表示された。

(ルール?なんだそれ、?)

勇牙の疑問は増えるばかりだが、一応タッチしてみた。

タッチしてすぐに、黒い画面に青い字で長々と文が表示された。


<ルール説明>

:今から学校内にいる2年3組の生徒37人で戦います。

:一人一人、この"タブレット"に書かれた能力を使えます。

:能力は身体の一部分が横の数字分強化されます。

:勝利条件は相手のタブレットを破壊(UP)すること。破壊されたものは消滅(DOWN)します。

:このタブレットは縦12cm.横7cmまで縮小できます。側面のボタンで変更可能です。

:勝負時間は50時間です。

:最終勝利者一人には多額の賞金が与えられます。

以上、健闘を祈ります。

2年3組 16番 獅子岡 勇牙

能力・FIST ↑10



一番最後に表示されたFISTの文字。

その下には、人間の握り拳を模したリアルな絵が描かれていた。

自分の名前やクラス番号が表示されている事に驚きを隠せず、不安が更に増した。

ルール説明を読んでも全く状況が把握できない勇牙は、何度も何度も読み返した。

(全然意味がわからない、、消滅ってなんだ?戦うってどういうふうに??)

長く考えた勇牙は少しずつ落ち着きを取り戻し、タブレットを最小まで縮小させ、制服のズボンのポケットにしまった。

何をしていいかわからず、教室の真ん中で立ち尽くしていると、能力の事を思い出した。

強化されているという手を見てみるが、変化はない。両方ともいつもの通りだ。

(もしかして力か?)

教卓を持ち上げてみたが、普通通りの自分の力で、あまり持ち上がらなかった。すぐに両手を離した。

(重っ!!なんだよ、、。)

想像では、まるで怪力のように片腕で机を持ち上げるはずだったのだが、、大きく期待外れだった。

(そっか。フィストって拳だもんな。)

勇牙は勝手に納得し、試しに壁を殴ってみようとした。

教室の壁の目の前まで歩いてきた。

右手の拳をにぎり、壁に拳を向け勢い良く殴った。

壁と拳が触れたとき、勇牙の拳を、グローブのような鉄性の銀色の物体が包んだ。

そして、大きい音と共にまるで鉄球でもぶつけられたかのように壁が大きくひび割れた。

(これが能力!?凄いな!!)

勇牙は子供の頃あこがれていたヒーローのように、特別な力が宿った自分にテンションが上がった。

壁を殴ってすぐに自分の腕を見たが、鉄のグローブは徐々に薄くなり消えていった。

(なるほど。殴る力があがるのか。)

その後、すぐにいやな考えが勇牙の頭をよぎった。

(戦うって事は皆が皆能力を持ってるのか、、。しかも人間にこんな能力をつかったら、、、。)

戦いを避ける方法を考えるようにした勇牙は、教室の窓側へと歩いた。

窓の鍵を開け、横にスライドさせようとしたが、びくともしない。

だが、勇牙は妙に落ち着いていた。

(まぁ、この手のパターンは対策済みだよな、、。)

一応全ての窓に手をかけたが、当然ように全てびくともしない。

(とりあえず誰かと合流しなきゃな。)

協力が大事だと考えた勇牙は廊下へ出ようと教室の扉に手をかけた。


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