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第88話≡速すぎる!!



「えーと、これとこれを壺に入れてっと」


朔は壺の中に色々な草などを入れて悩んでいた。


「ご主人様。お持ちしました」

「おう、ありがとう。

次に…」


ボコボコ…


「あ、やべ!!夜雀、にげ」

ボフン!!


「ゲホゲホ…

窓開けてくれ、目がいたい」

「は、はい」


あー、この組み合わせは失敗か…


「煙てぇ」

「お怪我は」

「大丈夫だが、目が」


いやー、この煙、目に染みるね。

涙が止まんないや。


「煙が収まるまでそのままでお待ち下さい」

「悪い、頼んだ」


てか、涙でうまく見えねぇ…


「え?なんか」


朔の体にもやのようなロープが巻つき始め、体を宙に浮かせた


「う、浮いてる!?」

「ご主人様!!」


夜雀は窓から外を見たが既に朔の姿は確認できなかった


「すまないが人質になってもらう」

「んご!?」


なんだ?意識が…


人影は朔の口に手を当て霧を流して朔の意識を刈り取った。

「よし。これでいいのか?」

「うん。

ありがとうミスト」

「何、これも世界平和のためだ。

情報の提供を感謝するぞ、メタル」


人影―ミストとメタル―はお互いに微笑んでいた。


「あなたたち、ご主人様に何を!?」

「あらら、見つかっちゃったね。

あなたはどうする?」

「ふざけないで下さい。

ご主人様を」

「なら、ここまでだ。

帰らせてもらおう」

「ちょ、ちょっと待ってね」


ミストは夜雀の実力を見定めてメタルに任せることにした。


「あなたも来ない?

少なくとも自分の目で朔の安全を確認できるよ。

それに私たちはここであなたを倒すこともできるんだよ?」


夜雀は少し悩みだした


「ついてくれば、朔の安全は守ってあげるよ」

「……わかりました。

ですが、ご主人様の安全は」

「任せといて。ちゃんと守るから」


夜雀は納得がいかないながらも朔の影に入っていった。


「ふ。人質なんだから安全なのは目に見えてるだろうに」

「……ミスト、帰ろう」


ミストを中心に霧が広がり姿を消した





「ふぁ…眠い…」


桜はソファーに寝そべって眠そうにしていた。


「お兄ちゃん、まだ9時だよ?」

「そうじゃぞ。

というよりもたまには戦いたいわ。体が鈍って仕方ない」

「うーん、クエストか…」


確かに最近こなしてないもんな


「んじゃ、行ってみるか」

「…頑張ったらご褒美」

「そうだな…

それじゃあ俺が頑張ったと思ったら何かしてあげるよ。もちろん全員な」


全員の動きが止まった


「今、何でもっていいましたよね?」

「うん。何かしてあげるって言ったよ」


なんでもなんて。

俺が何かされるかもしれないし。


「わかりました。行きましょう。すぐに行きましょう」

「あー、はいはい。

んじゃ、何時に行く?」


女の子達が各々自分の予定を話して言ったが皆暇だったようだ。


「んじゃ、行くから準備よろしく」


女の子は自分の部屋に向かっていった。





『あー、この視線も久しぶりだな…』

「あはは、相変わらずですね」


あー、視線が痛い。

馴れるもんじゃないよな。


「あれ?ネネさんがこちらに来ますよ」

『了解』


マナを感知して状況を見たが確かにこっちに歩いてきている人が一人いた。


「クーさん。来てくれましたね」

『やあ、ネネちゃん。今晩は』

「はい、今晩は。

カードの更新があるのでマスターのところに」

『了解。

それじゃ、また後でね』


桜は一礼してマスターの部屋に向かった


コンコン


『開いとるぞ。

おお、お主か。」

「ふぅ…

カードの更新があると聞いたので」

「そうなんじゃ。

早速カードを渡してくれ」


桜がカードを机の上に出すとメイドさんが奥の部屋に持っていってしまった。


「さて、桜よ。

少し話したい事があるのじゃが」

「なんですか?」

「実はの最近、魔術師が行方不明になる事件が多発してるんじゃよ」


へぇ…世の中も物騒だよな…


「もしかしたら英雄(ヒーローズ)が関わってるかもしれんの」

「かもしれませんね」


まあ、あいつらの目的は知らないが


「お主も接触があるから気を付けるんじゃぞ」

「ははは、返り討ちにしてやりますよ」

「…英雄(ヒーローズ)がかわいそうじゃな」


あれ?俺被害者のはずなのにあいつらが心配されてる?


「マスター。終わりました」

「ご苦労じゃつた」


机の上に置かれた銅色のカードがあった。


「って、金属色なんですか!?」

「当たり前じゃ。

お主の実績、実力があれば当然じゃがここまで早く金属色に上り詰めたものはなかなかおらんじゃろうな」


これは誉められてるんだよな?

なんか誉められてる気がしないんだよな…


「まあ、ありがとうございました」

「そういう気持ちがあるならもうちょっとクエストをこなしてもいいと思うんじゃが」

「ははは、疲れるから嫌です。

では、これで」


桜はマスクを被って出ていく準備を整えた


「うむ。

英雄(ヒーローズ)にはくれぐれも気を付けるんじゃぞ」

『わかってますよ。

ではでは』


俺はマスターの部屋を出て本部に戻った。





『水奈、なんかいいクエストあったか?』

「そうですね…」


どうやらなかなかいいクエストが無いみたいだな。

おや?うまくいけば今回は帰れ


「あの…クーさん。頼みたいクエストがあるんですが…」


…ネネちゃん。マジですか?


「『見えざる剣』というクエストを頼みたいんですが…」

「あー、これなら金属色のクエストですからできますよ」


…マジで?

え?マジで?


「クーさん。これにしましょう」

『…はい。

水奈、後は頼んだ』

「はい」


桜は水奈にカードだけ渡して手続きが終わるのを待っていた。


なんか最近不可視系のもんばっかりと戦ってる希ガス…





「皆、今回の敵は強いみたいだけど魔物か憑き物か見極めてねー」

『はーい』


で、ここは公園か。

遊具とか使って鬼ごっこしたいよな。


「兄上。あそこに何かおるのじゃ」

「うわ、本当だ。

赤目って不気味だよな」

「…クー君も赤目入ってますからね」


そういえばそうだった。

俺もあんなに不気味なのか?


「まあ、いいや先制こうげきぃ!?」


桜は空気を弾いて全員を吹っ飛ばすとそこには白い閃光と赤目の魔物が立っていた


「こいつ無茶苦茶早い!!」

「ぐぎゃぁぁぁあぁぁ!!」

「しかも魔物かよ…

朱音!!そっちいった!!」


魔物は消えたと思うと朱音のいた場所に白い閃光が走った


「お兄ちゃん、こいつの武器、腕になんかついてる!!」


ん?なんかついてる?

ちょっと確かめるか。


桜は宝石をいくつも飛ばして動きを止めようとすると目の前に攻撃予測が出てきたので銃で防ぐと赤目の魔物がいた。


「ギャルバァァァアァァァ!!」

「うっせ!!」


魔物を凍らせようと冷気を放ったが魔物は音もなく消えていた。


本当に早いぞ。

流石は鎌鼬だな。


魔物は両腕にブレードを生やしていて、顔つきは(いたち)のような顔付きだったが憎しみに歪みきっており可愛い要素は1つもなかった。


「水奈、鎌鼬って知ってる?」

「はい。

たしか両腕に刃物がついていて目にも止まらぬ速さで…

まさか、この魔物は」

「その鎌鼬み、たい!!」


氷の棘を作って鎌鼬を襲ったが鎌鼬は桜に攻撃をしてきた。


「鳴、雷よろしく!!」

「…ん」


ビギッバリバリ!!


雷は氷の棘を伝わって広範囲に電気が走って桜もろとも鎌鼬も感電した。


「ギャ、グピャァァァァァ!!」

「だからうるさい」


鎌鼬の四肢を全て凍らせて動きを封じ込めた。

さらに鉄の魔術を使って完全に動けなくした。


「お兄ちゃん、大丈夫!?」

「平気平気。

それより神楽、いつも通りに呪いよろしく。

後の皆は鎌鼬の事見張ってて」


桜は魔物を狂化を治す呪いをつけた武器を作って鎌鼬の前に立った。


「悪いな。少し痛いぞ」

「グピャァァァァァ!!」


武器から伸びた鎖が鼓動のようなものを始めて二人に運んでいく。


「グ…ガ…ガ…」


よし、落ち着いてきたな…


「………」

「ふぅ…なんとかなった…」


桜は皆と適当な話をしながら鎌鼬が起きるのを待つことにした。

読んでいただきありがとうございました!!

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