第58話≡その方が楽しいじゃん
あれー?100話くらいで新章に入ろうと思ったのに無理だこれー
あと、ガルシオンの語尾をすこしいじったのでこれで分かりやすくなるはず!!
「桜さん。理由を教えてください」
桜が好きになれないと言ってから少したっていた
「気にするな。
これは俺個人の意見だ」
「もう、さっきからそればっかりですぅ」
あれから桜とガルシオンはひとまず学校に行き今は数学の授業をしていた
「別に俺一人くらいに嫌われたってなんともないだろ」
「そういう問題じゃありませんよぉ。
それに今嫌いって」
「気のせいだ」
桜はすぐに机に伏せて寝ようとする
「だめですよぉ」
「…はぁ」
シオンって意外と構ってちゃんか?
「どうしてですかぁ?」
「だから教えても改善できないから言えないんだよ。
俺の嫌ってるところもあわせてシオンの魅力だろ?」
「…桜さんの前だけでも直しますよぉ」
それができたら苦労はしないんだよな…
それに俺が嫌いなところは簡単に直せるもんじゃない
「諦めろ」
「いやです。
もう、桜さんは意地悪ですぅ。いじめっ子です」
「おう。そうだな」
ガルシオンはモヤモヤとしているようだ
「うぅ…私の何がダメなんですかぁ」
「だから別に直さなくてもいいって。
シオンとの絡み方も変える気はないし、友達のままだ」
「…友達?」
ガルシオンはその言葉に敏感に反応した
「少なくとも俺はそう思ってるぞ」
「友達。…いいですねぇ、友達。ふふふ」
なぜそこまで喜ぶんだ?
「あ、でも…やっぱり嫌われるのは嫌ですよぉ」
「はぁ…ま、頑張ってみてくれ。
後20分なんだ俺は寝るぞ」
桜は闇の魔術を使ってそそくさと寝た
ガルシオンはしつこかった。数学だけでなく学校にいる間はずっと桜に理由を聞き桜はそれを流していた
「桜さん、そろそろ」
「しつこい」
桜はガルシオンにでこぴんを決めた
「うっ。…痛いですぅ」
「この話は終わりだ。帰るぞ」
桜は痛いアピールしているガルシオンをほっといて教室を出た
「たまには待ってくれてもバチは当たりませんよ?」
ガルシオンは少し急いで桜の隣に来た
「遅いのが悪い。
それよりも家の暮らしに不自由はないか?」
「はい。可愛らしい奴隷の方々も仲良くできそうですぅ」
「それはよかった」
それでも奴隷なんだよな
ま、そう生きてきたから仕方ないよな
「ケルピーも失礼はありませんか?」
「全然。楽しく話をさせてもらったよ」
「それはよかったですぅ」
そこで桜は1つ思い出した
「たまにはケルピーを休ませてやれよ。
俺がどこまで口出しできるかは知らんが倒れたらお前も困るぞ?」
「…どこか悪いんです?」
桜は雪を避けながら会話を進める
「いや。でも寝不足だったみたいだ。
俺が寝やすくなる魔術使ったらすぐに寝たからな」
「そういえば今朝も少し顔色がよかったような…」
お?そこに気がついたら
「自身の管理も執事の仕事と言って教えられてるはずですのに…」
「…はぁ」
うん。だよな。こうなることは知ってた
するとT路地で止まった生徒が何かを見ているのに気がついた
「何かあるのか?」
「何がです?」
「いや、あそこの生徒が何か見てたみたいだからな」
するとその生徒は平然と歩き出してしまった
「気のせいでは?」
「かもな」
少し歩くとそのT路地に出るためあんまり深刻には考えていなかった
「さて、あの生徒は何」
「桜さん、これだと思いますよ」
「…また派手に」
ガルシオンが指差したところには車にひかれたのか下半身がない子猫の死体があった
「…可愛そうですね」
「そうだな」
桜は氷の魔術を使って子猫から臓物が出ないようにしてから子猫を抱き抱えた
「何してるんです?」
「死んでも見世物にされるのは嫌だろうからな」
桜は光の魔術をかけて見えなくした
「さて、帰るか」
「…子猫はどうするつもりです?」
「家でちゃんとしてやるよ」
「死体には病気があるんですよ?」
「…そうらしいな。行くぞ」
桜は車が来てないのを見計らって歩き出した
「気持ち悪いと思ったら離れてもいいぞ」
「…大丈夫です」
ガルシオンは弱冠無理していたのが声でわかった
「どうしてこのようなことを?」
「この子が生きてた時は可愛い可愛いって可愛がられたのに、死んだら可愛そう。
そういうだけで誰も何もしない。
死んでも見世物になるのは俺は嫌だからこうするんだ」
桜は子猫を撫でながら言う
「優しいですねぇ」
「偽善かもな。
俺にはよくわかんねーけどやりたいからやってるだけだ」
「私にはできませんからすごいですよぉ」
ガルシオンは少しだけ桜がわかった気がした
「できないじゃなくてやらないじゃね?」
「…そうですね。私がやってないだけです」
「仕方ないさ。誰だって死体なんか触りたくないよな」
そんな事を話していると家についてしまった
「っと気分的によくないもん見せて悪かったな」
「その子はとうするんです?」
「ちゃんとするさ」
桜は家に入らずに庭に向かった
「別についてこなくてもいいぞ。寒いし」
「私が見ていたいんです」
桜はそれを聞いてから子猫に風の魔術をかけて浮かせて距離を取った
「おやすみ。よく頑張ったな」
そう言うと桜は炎と闇の魔術を組み合わせた真っ黒い炎で死体を一瞬で灰にした
「…さて、入るか」
灰が風に乗ってどこかに行くのを見てから桜は言った
「なぜ燃やしたんです?」
「日本には火葬っていう方法があってな。その方が色々と楽なんだよ」
桜は玄関にまわって家の中に入った
「ただ」「「おかえり( なのじゃ)!!」」
桜は飛び付いてくる朱音と神楽の前に風の魔術でクッションを作った
「…今日はダメなのか?」
「悪いな。着替えてからな」
「…あ、お兄ちゃんその血」
桜のブレザーには少しだけ血がついていた
「怪我?」
「違うって。ちょっと死んでる猫がいたから」
桜がそういうと二人とも納得してくれた
「だから庭で魔術使ってたんだ」
「そういうこと」
二人は桜から説明されるととぼとぼとリビングに帰っていった
「やけにものわかりがいいです」
「これが初めてじゃないからな」
桜今までに2回死んだ動物を庭で燃やしている
「さて、ゆっくりしますか」
「桜さんはゆっくりできないと思いますよ」
「…違いねぇ」
桜は自室に行き着替えて、手を洗い、ブレザーを持ってリビングに向かった
ガチャ
「ただいま。水奈これなんだけど」
「「とう!!」」
「ごるふ!?」
朱音と神楽が扉を開けた桜に抱きついてきた
(桜視点ではタックルしてきた)
「さっきできなかったからね」グリグリ
「やっぱりやるべきじゃな」ヨジヨジ
「桜様の家族は面白い方が多いですね」
いや、そこ見てないで助けろよ…
「クー君、何って二人とも!!」
「逃げるのじゃ!!」
二人は桜からすぐに離れて2階に上っていった
「…助かった」
「もう。クー君もビシッと言わないとダメですよ。
それよりどうしたんですか?」
「これ少し洗っといてくれないか?」
桜がブレザーを渡すとブレザーの血を見て水奈は察してくれた
「お疲れ様でした」
「俺にはこれくらいしかできないからな」
桜がそう言うと水奈は微笑んでブレザーを洗濯場に持っていった
「あー、疲れた」
「桜さんはどうして怒られないんです?」
「ん?」
ガルシオンを見ると不思議そうに桜を見ていた
「怒るって何に?」
「桜さんの奴隷は主である桜さんに危害を加えました。
それなのに桜さんは怒りもせずに笑ってばかり…
どうしてです?」
…確かにはたから見ればそんな風に写るよな
「俺は自分の奴隷を奴隷だなんて思ってないんだよ」
「そこです。それが不思議ですぅ。
奴隷は奴隷です。主と同じ立場だといつ命を狙われるか…」
シオンってまだケルピーの事を信用してないのか…
「なあ、シオン。生き物に上も下もあるのか?」
「それはあるに」
「俺が言いたいのは生き物って括りに優劣があるのかなって」
ガルシオンは黙ってしまった
「奴隷って言われてても頑張って生きてるんだ。それに優劣なんて俺にはつけれない」
「でも、殺されるかも」
「だったから俺はもう死んでるな」
桜は軽く笑った
「それに信用されてないケルピーだって可愛そうだろ?」
ケルピーは微笑んでるだけだ
「っていう俺の持論な。それになその方が」
「ダーイブ!!」
「ごふ」
朱音がダッシュして桜に横向きにダイブしてきた
し、しまらねー!!
ま、これはこれでいっか
「この!!俺の話の落ちを!!」
桜は朱音の脇をこちょがした
「あはははは!!ストップお兄ちゃん!!ストップー!!」
「いーや、今回ばっかり許さないぞ!!」
「あははは。痛いよーお腹が痛いよー」
ガルシオンはその光景をポカーンと見ている
「それに、この方が楽しいじゃん」
「私は辛いよー」
桜は朱音にお仕置きをし続けていた
「…ケルピー、私は」
「お嬢様。私はお嬢様を支える執事であり、お嬢様のパートナーでございます」
「…ありがとう」
ガルシオンの目に少しだけ涙がたまっていた
「ぜぇ…ぜぇ…」
「今日はこのくらいに」
「桜さん」
桜はガルシオンを見てティッシュを渡してから見た
「私、わかったかもしれません」
「そうか。よかったじゃん」
朱音は笑い疲れて桜の上でぐったりとしている
「ふふふ、あなたも私のファンにさせてみせますよ?」
その時のガルシオンの顔はスッキリとした顔になっていた
「「「む」」」
台所に立っている水奈、入ってきたばかりの神楽、桜の膝枕を堪能していた朱音が口を揃えてそう言った
「シオンちゃん。それは宣戦布告かな?」
「言葉通りの意味です」
「…でも、近くにいれないあなたは中々難しいのでは?」
…どうしよう。話がまったく見えない
「大丈夫ですぅ。たった今決めた事がありましたから」
「…なんじゃろ。嫌な予感がするんじゃが」
ガルシオンは不適に笑ってこう告げた
「私もこちらに引っ越しをします」
ガタッ
3人はガルシオンの元に駆けつけた
ガヤガヤ…
「…」
桜は窓のそばに近づいて空を見た
「空が青いな…」
「今日は曇り空でございます」
どうやらケルピーもこっちの方に来たようだ
「こうなると疎外感が半端じゃないんだよな…」
「…はぁ。本人が何を」
「ん?」
「いえ、なんでもございません」
…ま、仲良くなれたんならそれでいっか
「はぁ…先は長そうですね…」
「そうだな。まだまだ、冬は続きそうだな」
「…はぁ」
あれ?違うの?
桜はケルピーが窓の外を見ているので冬の話をしていると勘違いしていた
「お兄ちゃん!!」
ガンッ
「つ~」
後ろから抱きついてきた朱音に押されて桜は窓に額をぶつけた
俺が何したっていうんだよ…
後日、ガルシオンは実家に帰り一週間もしないうちにこの地区に引っ越してきた
「で、手袋を忘れたと」
「はいぃ。ついうっかり」
学校の入学手続きも済ませて学校に編入してきた
「ですが寒いのは嫌ですね」
「袖をこう、伸ばせばいいんじゃないか?」
岩手支部にも話をつけ一時的とはいえ支部の一員にもなったようだ
「桜さん、手を」
「はい」
「手袋は外してください」
「寒いじゃん」
ガルシオンは桜の手袋を強奪して片方にはめた
「片手が寒いぞ?」
「こうすれば暖かいです」
ぎゅ
「…恥ずかしいんだが」
「暖かいですね」
ドンドンドン!!
ビックリしたな…
どっかで太鼓の練習でもしてるのか?
『どうしたんだ?壁なんか殴りだして』
『ちょっとな…』
そんな会話は桜達には届かなかった
「ほら、行きましょう?」
「走ると」
つるんっ
桜は繋いでいる手を引いてガルシオンの体制を調えさせた
「滑って転ぶぞ」
「大丈夫ですよぉ。だってこうして」
ガルシオンはふと振り返った
「繋いでいますから」
ぺしっ
「恥ずかしくなるような台詞をはくな」
「でこぴんはダメですぅ」
そう言ってるガルシオンはいつも以上に輝いていたと言う
「僕の駒も揃いつつあるな」
少年は化け物を撫でながら言う
「ふん。他者に頼るとは情けなくはないか?」
筋肉質で髪の長い男は少年にそう言った
「これが僕の力だからね。
こいつらも僕の一部だよ」
「減らず口を」
すると二人の元に手紙が届いた
「韓国。ふん。まったく興味がわかんな」
「あいにく僕と同じみたいだね」
二人はあからさまに嫌そうな顔をした
「“魔女”。君はどこだ?」
「カナダ。“僧侶”と一緒」
答えたのは端っこで何やらノートに色々書いている三角帽を被った女の子がそう言った
「くそー、そっちの方が体鍛えれそうじゃねーか」
「君は本当、脳みそまで筋肉だな」
「ばか野郎。まだその域まで達してねーよ」
少年はため息をついていた
「まあ、いい。世界平和のため働こう」
「俺は強い相手とガチンコはれればそれでいいんだけどな」
少年と筋肉質な男は部屋を出た
「…あ、この方が」
“魔女”と呼ばれた女の子は“僧侶”がくるまでノートに向かい合っていたそうだ
読んでいただきありがとうございます!!
誤字脱字がありましたら報告お願いします!!
感想くれたら喜びます!!
英雄達の事書いてる話がどこだったか、忘れてしまった…
覚えている方がいらっしゃったら教えてください




