第6話≡お前話せるのかよ!!
桜の持ってる能力の1つがわかると思います
気づける人はもう1つもわかるかも
「なあ、シキガミここってお風呂無いのか?」
「え?…ああ、風呂はお前が寝泊まりしてるとこに風呂場があるだろ…」
「お前随分と疲れてるな」
柚汰は桜と違って疲れが顔に出ていた
「お前な…マナをあんだけ使ったのに疲れを見せないお前が化け物なんだよ」
「化け物って酷い言いようだな」
「妥当だ。ああ、久々にこんなにマナ使った…」
マナって使いすぎるとあんなに疲労するんだな。
俺も気をつけよう
疲れきっている柚汰と話していると部屋のある建物についた
「…クー明日はどうするんだ?」
「……あ、俺か。そうだな…ギルドでも見てみるよ」
まだ“クー”っめ呼び方に馴れないな…
「その前に武器屋な」
「あー、それもあったね」
んじゃまずは戦闘してからギルドかな?
「ふぁ…眠たくなってきた…じゃあなクー」
「また明日な…
はぁ…ネームって変えられないのかな…」
桜は柚汰と別れて自室に向かっていった
「まずは風呂にでも入るか」
…久々に汗かいたからな…風呂、風呂
桜は服を脱いでいると鏡が目に入った
そして今の自分の体を見た
「銀狼か…俺の中で生きてるのかな…」
…ひとまずこの毛まみれの腕も洗ってやらないとな
桜は脱いだはいいものの大切な事を忘れていた
「…俺風呂に湯張ってないじゃん」
しかし裸のままで出ていくのはな…
てか着替えどうしよう…
あ、着替えくらいなら…
桜は自分が着ていた物をひとまず水の魔術を使って洗った
「それでこうすれば…どうだ?」
桜は風と火の魔術を微妙な加減で使い着ていた物を乾かす事に成功した
「風呂は…まだだな。
…先に体とか洗っておくか」
…ボディソープで腕洗うわけにもいかないしな。
これって毛だし
桜はシャンプーで腕を洗う事を決めた
「…あれ?なんか洗ってる感覚がしない…どういう事だ?」ゴシゴシ
桜は不思議な感覚に自然と力が入ってしまった
『……うぅ…』
「え?なに今の声?…幽霊とか…」
声が聞こえた桜は急いで後ろと鏡を確認した
…どうしよう…頭洗いづらいな…
「…早く上がるのが一番だな」ゴシゴシ
『…うぅ…痛いよぉ…』
「………」
…どうしよう俺何かしたのかな…ヤバイな…どないしよう…
「…まずはこれを洗うか」ゴシゴシ
『もう、我慢できない!!ご主人様、痛いよー!!』
「え?え?なんぞや?」
謎の声からご主人様とか言われたんだけど!?幽霊に知り合いとかいないはずなんだが…
ホラー耐性のない桜はパニックを起こしてしまった
「ゆ、幽霊の方ですか?」
『幽霊なんかじゃないよ、私は銀狼だよ!!』
「え?銀狼って俺が契約したあの銀狼?」
『そうだよー。
てか、ご主人様さっきから痛い!!もっと優しくお願い!!』
「あ、ごめん。…喋れたの!?」
どうやら俺の中にいる銀狼は話せたみたいです
『喋れるよ。なんか体ごとご主人様に取り込まれたみたいで死んだ訳じゃないみたい』
「はあ……えーと銀狼さん」
『…さんってかわいくない』
…可愛さを求めるって事は女の子か?
「じゃあ銀狼ちゃん?」
『なれるまではそれでいいや。そんなことよりご主人様さっきから寒いんだど…』
桜は銀狼ちゃんとの会話に集中してたせいで腕をそのままにしていた
「あ、ちょっと待ってね…痛いとか感想お願いね」
『了解~…あはは、それだとくすぐったいよ。
あ、それだと少し痛い…あ~それくらいが調度いい~気持ち良~』
「痒いとことかある?」
『特にないから大丈夫~』
「それは良かった。お湯かけるよ」
ざぱーん
桜は腕にお湯をかけて泡を流した
『ふぃ~気持ち良かった。ありがとうご主人様』
「いえいえ。さて俺も洗うか」ゴシゴシ
桜は残りの自分のところを洗い、それが終わる頃にはお湯も調度よく貯まっていた
「銀狼ちゃん、お湯に入るよ」
『りょーかい』
ざぷーん
「ふぁ…気持ちえー」
桜は銀狼の事も考えて手首だけはお湯に入れなかった
『本当だ…気持ち良いねご主人様』
「『はぁ…』」
桜と銀狼はついつい和んでしまった
「…って違うんだよ銀狼ちゃん!!」
『ふぇ?何が違うの?』
和んでる場合じゃなかった色々と聞かないと
「俺は銀狼ちゃんに色々と聞きたい事があるんだ」
『答えられる範囲なら大丈夫だよ』
桜はこうもあっさり了解を得れると思っていなかったため少し狼狽えてしまった
「えーとだな…まずは銀狼ちゃんの名前は?」
『やだなー、奴隷に名前なんてあるわけないじゃん。おもしろい冗談だね』
「…じゃあ今のところ銀狼ちゃんで」
『OKだよ』
後で名前とか考えてやらないとな
「次に銀狼ちゃん…俺から出れる?」
『あー…うん。今のところ無理かな』
「今のところ?」
『うん、今の私の体はご主人様の体の中で治療中だから出られないの』
「治療中?それじゃ治療が終われば出てこれると?」
『できると思う。…その…迷惑だった?』
「いや、そっちだって生きる為だからね迷惑とかないけど流石にこのままはね…街を歩けな」
『…ごめんなさい!!』
銀狼は桜が話終わる前に謝った
!?…一体何故謝ったし
『私の勝手で巻き込んじゃって、取り返しがつかない』
「あー銀狼ちゃん?落ち着いて」
桜は腕を優しく撫でた
『ご、ご主人様!?』
「俺は銀狼ちゃんの事を迷惑だなんて思っていないよ。
むしろ銀狼ちゃんには感謝してるんだ」
『感謝?…なんで?』
「俺はこの世界にこんな一面があるなんて知らなかったし思いもしなかった…
経緯はどうあれこの世界を見せてくれた銀狼ちゃんにはありがとうって言葉しか見つからないよ」
これは桜が思ってる本当の事だ
『……ご主人様、変』
「え?なんで?」
友人からもよく変態と言われているがこれはなかなかショックだ…
『第一に奴隷にそんな言葉をかけるご主人様は変』
「…そうかな」
俺奴隷とかよくわからないんだよな…
『奴隷は主の命令を聞いてそれを実行するだけ…他には何もないんだよ。
ただの道具』
桜はその言葉に少しぞっとしてしまった
「…俺は銀狼ちゃんにお願いはしても強制をする気は無いよ」
『…口ではどうとでもいえるよ…時間がたてば…人間なんて…』
あー、なるほど。
銀狼ちゃんって人間を根本的に信用してないんだ…
てか、初対面で信用しろってのも無理な話か
「銀狼ちゃん俺は」
『ご主人様、熱くてのぼせそう。上がろう?』
「……そうだな」
桜は風呂を上がると白銀の腕をタオルで優しく拭きドライヤーできちんと乾かしてから布団に入った
「銀狼ちゃん…今すぐ信用してくれとは言わない。
でも俺は信用されるように頑張ってみるよ」
『………』
「それだけ。お休み」
『……お休みなさい』
桜はその返事を聞いてから眠りについた
『……できるわけないよ、そんなこと』
銀狼の呟きは誰にも聞こえず闇へと溶けた
ちゅんちゅん
『ご主人様、起きて』
「ふぁ?え?誰?」
『はぁ…私は銀狼だよ』
「……ああ、銀狼ちゃんおはよう」
桜は寝ぼけている頭で何とか思い出す事ができた
『おはようご主人様。それよりも、誰か来たみたいだからちゃんしなくていいの?』
コンコンコン
銀狼が言った通り、誰か来てるみたいで扉をノックした
「あ、はい。少し待ってください。ありがとう銀狼ちゃん」
がちゃり
「おはようございます、クー様」
「お、おはようございます」
桜が扉を開けた先にはメイドさんが立っていた
「クー様のギルドカードが出来上がりましたので、準備ができしだいマスターの部屋まで来てください」
「わかりました。すぐに行くとマスターに伝えてください」
「はい、ではこれで」
メイドさんはそう言うと一礼して廊下を歩いていった
「飯は…もらってからでいいか」
桜は歯を磨き寝癖をとったらマスターの部屋に向かった
コンコン
『入っていいぞ』
「失礼します」
入るとメイドさんが扉を開けた閉め、さらに椅子まで引いてくれた
…メイドってスゲー
「それじゃまずこれがお主のギルドカードじゃ」
桜はクーという名前と番号、魔物対策連合東日本支部本部と書かれた緑色のカードを渡された
「これがお主のギルドカードじゃ」
「ありがとうございます」
「ではこのカードの説明でもするかの」
メイドさんが何も言わずにお茶を出してくれた
…うちにも一人欲しいな
「このカードはランク別で色分けされとるんじゃ」
「ランクですか?」
モ○スターハ○ターみたいなシステムだな
「下から順に緑、青、赤、銅色、銀色、金色、白、黒といようになっておる。
ランクを上げるのは難しいぞ…一年あって一つ上がるなんてざらじゃ。黒に至っては世界的に見ても指で数えられる程度しかおらん」
下手すれば赤になるまでに三年か…
まずは青から目指していこう
「ランクを上げると何かあるんですか?」
「ランクが上がると、まずショップでの優遇、報酬の増加、食べ物のグレードアップが代表的じゃな。
後は大会での参加条件があったり、そのランクでしか受けられない依頼とかもあるの」
ランクは上げといて損は無いな
「ランクはどうやって上げるんですか?」
「何、簡単なことよ。本部にどれくらい貢献するか後は実績じゃな。後このランクは金で買うことはできないぞ」
それじゃ大会とかで優勝とかでも上がるって事か?
「後はの、この世界ではそのギルドカードが財布の代わりもしとる、報酬とかは全部そこにいくわけじゃの」
「無くしたりとかした場合は?」
「再発行は可能じゃがその場合その時ギルドカードに入っている金の半分又は全額持っていかれるの。さらにランクも下がることがあるしの」
それなら無くしたりとかはできないな…大事にしないと
「奴隷もギルドカードは持つんですか?」
「残念ながら発行されていないんじゃよ」
そっか…金が入るのは基本的に主の方か
「お主は初めてじゃか、ら既にわしから100万円。ギルドカードに入っておるから自由に使うといい」
ひゃ、100万!?単位が既におかしい!!
…逆にそんなにかかることがざらにあるとかなのかも知れないな…
「後の細かいことは本部の受付にでも聞くといいわい」
「わかりました」
話は終わりみたいな雰囲気になったが桜にはまだ話すことがあった
「…なんじゃ?まだ何かあるのかの?」
「マスターこの右目なんですが魔方陣が見えるんですよ」
「おお、魔方陣とな…魔方陣が見える目か…
…あれしか思い当たらないの」
マスターはお茶をすすり一息ついた
「それは『ミーミルの泉』と言われる物じゃ」
「ミーミルの泉ですか…能力とかは」
「魔術の改変と見た魔術の記憶じゃな。お主本当、魔術師タイプじゃの」
…本当魔術師タイプだな俺
一点集中とか好きじゃないんだけどな…
「他にわかったことはあるかの?」
「後はですね、銀狼が大怪我をしたそうで、今俺の体の中で治療中だとのことです」
「うむ、魔物は体を治すとき主のマナを使って治すようじゃ。体の怠さとかは無いのかの?」
「えーと全然ですね」
「そうか…流石10万じゃの。
かなりのマナを使ってるのに疲労感がないとは…」
「魔術師タイプですから」
「そういう訳じゃないんじゃが…」
俺がそういうとマスターはお茶をすすり始めた
「ふぅ…後はあるかの?」
「今のところありませんね」
「では、何かあったらまた来るといい」
「そうですね、まだ来たばかりですから」
桜はそういいながら椅子から立った
「では失礼しました」
メイドさんは一礼して、扉を開けてくれた
「ありがとうございます」
「メイドとして当然の勤めです」
やっぱりこの人スゲーや
そう思いながら部屋をでた桜はひとまず柚汰に連絡をした
『…ご主人様』
「うお!?銀狼ちゃんか…どうしたんだ?」
『私が勝手にご主人様のマナを使った事は謝まるよ。ごめんなさい』
「それなら気にしないでいいよ。
俺の取り柄ってマナの多さみたいなもんだから、これからもじゃんじゃん使っていいからね」
『…ありがとう。でもご主人様はすごいね。
昨日あれだけマナ使って私もマナを使わせてもらったのに全然平気なんだもん』
…だよな…あれだけ昨日魔術ぶっぱして銀狼ちゃんもマナを使ったのに疲労感すら無かったよな…
「考えても仕方ないか」
あれこれ考えてもわかることには限界があるしな。
あ、柚汰ついたみたいだな
読んでいただきありがとうございます!!
誤字脱字がありましたら報告お願いします
修正
ギルドのランクに関して難易度上昇