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俺の知ってる日常はどこか違う  作者: Mgl5566l
激怒する桃色
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第56話≡これって俺が悪いの?



がらがら


「たらいも」

「おか……」


クラスの空気が凍った


「うーんとあれだ。俺ん家でホームステイだ」

「私はガルシオンと言います。

私の事はシオンとお呼びください。よろしくお願いしますね」


…ざわざわ


桜は皆を無視して自分の席についたがガルシオンは座る席がなく少し戸惑ってしまっている


「はぁ…先生来るまで後ろにいるぞ」

「は、はい」


それから先生が来るまでの間シオンは皆からの質問攻めにあっていた


「で、お前は抜け出してきたと」

「あんな面倒なのは勘弁だからな」


桜はその人込みに参加していない友人と駄弁っていた


「それよりお前も参加しなくていいのか?」

「いいさ。どうせお前経由で話せるんだろ?」

「どうだかな」

「お前ら座れー。

桜は机とか持ってこい場所はわかるだろ?

友人は桜の机後ろの方に持っていけ」


先生が入ってきて数人以外座っていた


「先生、なんで俺の席を後ろにするんですか?」

「前には騒がしいのが多いからだ」


なるほど。単純にして明快だな


「んじゃ、行ってきます」


桜は先生にそれだけ言い余った机と椅子が置かれている教室まで言った


「これでいいのか?」


あいつ俺より小さいからどうなんだ?


「桜さん、お手伝いに来ました」

「ん?ああー。それならこれに座ってくれ」


桜は椅子をおろしてシオンに座らせた


「高いとか低いとかあるか?」

「お尻が痛くなりそうです」

「よし。大丈夫そうだな」


桜はガルシオンを椅子からどかせて椅子を上に上げた


「…桜さんは私の事を雑に扱ってますね」

「そんなことないさ。当然の扱い方だ」

「…私、桜の事嫌いになりますよ?」

「おう。そうか」


ガルシオンはうまくいかないのが悔しいのか少し膨れてしまった


「てか、シオンに嫌われれば俺の日常が戻るんじゃね?」

「それは困ります」


ガルシオンは焦り始めた


「冗談だから気にすんな」

「…桜さんは意地悪です」


ガルシオンがいじけだしたが、桜は構わずに机を持って教室に向かった


「あ、待ってください」

「ほら、急ぐぞ」


ガラガラ…


「桜、机を後ろのお前の席の隣に置いてくれ」

「…はい」


桜は廊下側の端にガルシオンの机を置いた


「どうしてここなんです?

私は友達を沢山作りたいんですが」

「お前が他の人と話し出すとうるさくなるからじゃね?」

「…私は騒がしくないですよ」


うん。お前じゃなくて騒がしい奴等がさらに拍車がかかるんだ


「それじゃ、授業始めるぞ。

くれぐれも。騒がないようにな」


先生はくれぐれもを強調してから授業を始めた


「桜さん」

「ん?俺は真面目なキャラ作ってるから授業中は」

「桜さんは私の事をどう思ってます?」


ガルシオンの前の席がガタリとなった


「別になんとも。強いて言うなら友達くらい」

「…ファンとかじゃないんですよね?」

「そりゃあな。お前のファンになる理由がわからん」


桜はドストレートにガルシオンに言っていく


「私、いちよお嬢様って言う身分ですよ?」

「ちやほやされたければ俺に期待するな」


ガルシオンはまた黙り混んでしまった


「いちよ言っとくと嫌いじゃない」

「…桜さんはおかしいです」


…こいつにも言われてしまった


「皆さん私に会うとすぐに媚を売ったりするのに桜さんはしてきません。

むしろ私の事を酷く言ってきます」

「シオンに媚売っても特はないからな。

別にヴァンパイア家によく思われたいと思ってないし、嫌われた方が俺としては生きやすいのかもな」


桜はそういいながら国語の内容を書いていく


「…私は絶対に桜さんを変えてみせます」

「おう。頑張れ。

それよりこの授業わかるか?」

「勉学ならすでに大学を卒業していますから」

「そうか。

ひとまず集中してるフリだけでもしとけ。じゃないと」


「ここを…話してる桜。お前が解け」


「…こうなるからな」


桜は前に出て空白を埋めた


「わかるところでよかった」

「ふふふ」

「ん?どうした?」


「桜、書いてくれるのはいいがここの“ぞう”はこっちの像な」


×仏象 ○仏像


「あ」


クスクスとクラスから笑いが聞こえる


「ふふふ」

「いつまでも笑うなよ。

俺は漢字は苦手なんだ」


ついでに桜は漢検五級でダメだった


「本当に日本人ですか?」

「外国人の血が流れてればって何度夢見たことか」


そんな他愛もない話をしながら授業を過ごしているとあっと言う間に学校は終わった


「じゃあねー」

「はい。さようならです」


はぁ…


桜は疲れたようなため息をついていた


「どうしたんですか?」

「いやなに。お前から話しかけられてるのに俺ばっかり当てられるから疲れたんだ」


5、6時間目はガルシオンから話しかけられたのに全部、桜に当てられて少し釈然としていなかった


「人気者ですね」

「嫌みか?それは嫌みか?」


ってこのあと水奈達に説明か…


「疲れる」

「桜さんは大変ですね~」

「……もういいや。帰ろう」

「あ、待ってくださいってば」


桜はガルシオンを無視して歩いた


「なんでそんな意地悪するんです?」

「回りを見てみろ。

お前は色んな人の目を惹くんだよ」

「可愛いからでしょうか?」


ガルシオンは桜にウィンクをしてきた


「せやなー」

「もう、照れちゃうんですね、可愛い。

ってどうして速くなるんです?」


絡みを流したはずなのにな…


「めんどくさいから」

「そんな事言われたの初めてです」

「よかったな」

「うー…ここにいじめっ子がいます」


桜は歩く速度をガルシオンがついてこれるギリギリのスピードに下げて歩いた


「そういえばガルシオンはいつ帰るんだ?」

「未定で」


ガルシオンは凍った地面に足を取られて滑った


「あぶ」


桜は転びそうになるガルシオンの手を取って自分の方に引っ張った


「あー、ビックリです」

「…呑気だな」


桜が引っ張った事によりガルシオンは転ばずに桜から少し距離をおいて立つことができた


「ふふふ」

「どうした?」

「桜さんは優しいんですね」

「さて、ふざけた事を言うやつはほっといて走るか」


桜はわざとらしく準備体操をした


「謝りますから」

「だったら変な事言うな」


それから家に着くまで5分とかからなかった


「さて、俺んちこっちだから」

「でしたら私の家もこちらです」


ちっ…その場のノリで他のところに行くとかないか


桜は扉の前で深呼吸をした


「いきますか」


ガチャ


「ただ」「「お帰り( なのじゃ)!!」」


扉をあけた途端、朱音と神楽が飛び出してきた


1hit!!2hit!!


「ごふっ」


桜は鳩尾と肺に強烈な攻撃を食らいつつなんとか立っていた


「た、ただいま。今日は神楽も一緒なんだね…」

「うむ。兄上の帰りが楽しみでの」


どういうわけか頭によじ登っている神楽がそう言う


「お帰りお兄ちゃん!!」ぐりぐり


朱音は嬉しさから頭を押し付ける


「た…だいま…朱音」


朱音、そこ鳩尾だからやめてくれ


桜は朱音の頭を撫でるようにそっと押し返した


「って兄上。後ろのおなごは誰じゃ?」

「神楽、前見えないから」

「ひゃ!?兄上!!息するでな…ん」


神楽は直ぐに桜の顔から飛び降りて睨んだ


あれ?この睨みって理不尽じゃね?


「ところでこのおなごは誰じゃ?」

「あ、本当だ。…ってこの前の戦ったお姉ちゃんじゃん!!」


朱音と神楽がガルシオンを確認したとたん奥に走っていった


「…騒がしくてごめんな」

「い、いえ。それより大丈夫です?」

「いつもの事だから平気」


馴れたりはしないけど

それと二人ってのは予想外だった


「外での話もあれだし入ろうか」


桜は鳩尾をさすりながら家の中に入っていった


「ただいま」

「失礼します」

「お帰りなさい、クー君。

お話があるので部屋に来てくれますか?」

「……はい」


桜はおとなしく水奈についていく事にした


「あ、お客さんはリビングでゆっくりしていてくださいね」


だってさっきから水奈の笑顔が怖いんだもの


「まずは正座」

「はい」


桜は馴れから素早く綺麗な正座を決めた


「では、質問です。

あの方はガルシオンさんですよね。なぜここにいるんですか?」

「俺にもよくわかんね。

今日の午後に校長に呼び出されたと思ったらこうなった」


桜は嘘などはつかずにちゃんといった


「…はぁ。クー君も大変でしたね」


おや?雰囲気が柔らかくなったぞ?


「では次の質問です。

神楽にいかがわしい事をしたことについては?」

「…あれは事故だ。

説明すると…」


桜があったことを説明したらわかってくれた


「はぁ…今回は見逃しますが次はダメですよ」


あれ?俺が手を出すこと前提なの?


「ではクー君。食材がないので一緒に買いに行きましょう」

「ん。了解した」


そう言った時水奈の顔が一瞬華やかになった気がした


「こほん。

これは女の子に変な事をした罰ですから。間違いのないように」


…まあ、これで水に流してくれるなら全然なんだがな


「私は準備できていますから」

「俺もこれでいいからとっとと行こう?」

「そ、そうですか。では行きましょう」


桜は足の痺れからよたよたと、水奈は足軽く愉快に部屋を出た


「あ、お帰りなさい」

「ふん。レディーに変な事をするからじゃ」


いやだからあれはお前が…ま、いいや


「俺たちこれから夕飯の買い出しに行ってくるから」

「え?」「なんじゃと?」


二人は水奈を見たが笑顔しか返ってこなかった


「あのー。でしたら私も」

「いえ、お客さまにそんな」

「いいじゃん。シオン行くから準備は…それでいいならとっとと行くぞ」

「あ、待ってください」


桜はガルシオンが気まずそうにしているのを見て連れ出した


「クー君、どうして」

「いや、気まずそうだったし、家のルールを教えるもかねてね」

「あ、なるほど」


桜は適当なジャンパーを羽織って玄関で待っていると直ぐにガルシオンは来た


「すみません、急に」

「いえ、前にもこのような事があったので気にしてませんよ」


うっ…その事については悪かったと思っている


「ほら、早く行きましょう、クー君?」

「はいはい」


桜達は近くのスーパー目指して真っ白な道路を歩いた


「さて、ガルシオンにうちのルールを説明するけど厳しいもんはないと思うから」

「は、はい」


ガルシオンはさっきからツルツルと滑り危なっかしいが桜は話を進める


「見て分かったかも知れないけど家では基本奴隷とかっていう身分差はない」

「…あの二人は奴隷なんですか?」

「てかこの水奈も」


水奈は軽く一礼した


「でしたら他にも主の方が」

「いや。3人とも俺の奴隷だよ」


ガルシオンは驚いて足を滑らせたが桜が腕を取って事なきを得た


「ありがとうございます。

え?となると桜さんのアイテムは奴隷を複数持てるタイプですか?」

「違うよ。ま、また眼とか関係してると思ってくれ」


桜達が話してる後ろで水奈が近所のおばちゃんに捕まったため桜達も立ち止まった


「で、シオンにも家のルールは守ってもらう」

「でも、私できるかわかりません」


ガルシオンは自信なさげだ


「ま、じきに馴れるさ。

後シオンの奴隷も俺の家では出しててもらいたい」

「…わかりました」

「ま、家のルールはそんなところだ」


話終わったタイミングで水奈が帰ってきた


「どうした?」

「な、なんでもありません」


真っ赤な顔で


「なら、早く行こうぜ。帰って昼寝したい」

「わ、わかりました。頑張ります」


…話が噛み合ってない気がするんだよな


まだ不安そうなガルシオンとともに桜達はスーパーで買い物するのだった

読んでいただきありがとうございます!!

誤字脱字がありましたら報告お願いします!!

感想くれたら喜びます!!


話が全然進まない…

次話を早めに投稿します

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