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俺の知ってる日常はどこか違う  作者: Mgl5566l
激怒する桃色
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第55話≡あれ?俺の冬休みは?



戦い終えたガルシオンは少し涙目でマスターの部屋にいた


「身をもって感じたじゃろ。こやつは本当におかしいんじゃ」


おかしいって俺は正常だぞ(本人談)


「…なんですか、あの魔術…

見たことすらない魔術ばかりでしたよ」


桜は解答に困ってマスターを見るとため息をついていた


「お主が原因なんじゃからお主が説明せい」

「…はぁ。

話が軽くぶっとぶけどいいよな?」


涙目のガルシオンが桜を見る


…なんか俺がいじめてるみたいになってね?


「それはそうと。

始まったそうそう体が重くなっただろ?あれが重力魔術」

「となるとアルファさん。いえクーさんはグラビィティ系のアイテムを持ってるんですか?」


桜は首を横に振って否定をした


「んで、足に絡み付いたのは闇魔術。

とどめはA級の光魔術

よかったな、珍しい魔術のオンパレードだ」

「ちょ、ちょっと待ってください。

…クーさんはアイテム何個持ってるんですか?」

「1つ」


うん。嘘はついてない


「ヴァンパイアの娘よ。そやつは実質3つ持っておるんじゃ」

「え?3つ?

で、でもアイテムは1つって…嘘?」

「いや。嘘はついてないぞ」


はぁ…またあのだるい説明か…


「俺は元々目の色は両目黒っていえばわかるか?」

「…今は黄色と赤です」

「そ。

つまり」

「こやつは邪眼と魔眼の2つを持っているという事じゃ」


…まさか台詞を奪われるとは


「ま、そういうことだ。

その眼のおかげで色んな魔術が使えたりするわけだ。

てかお前さんがみた大体の事は眼のせいだ」


桜は1つ1つを説明するのが面倒になっていた


「……大まかにはわかりました。

でも、それと私の試合をわざとらしく負けたのは関係があるんです?」


…バレてたみたいだな


「俺はあの試合でC等級以上の魔術を使っちゃダメだったんだ。

でもB等級魔術を使ったから負けたってところだな」


それを聞いて興奮が収まったのかやっと落ち着きを取り戻したガルシオンに桜はポケットティッシュを渡した


「ありがとうございます」

「いえいえ。

で、ガルシオンさんからは他に何かあるか?」

「聞きたいことは大体聞いてしまいましたが…

クーさん。相談があります」


ん?相談?


「私の専属トレーナーになってもらえません?

私と近い歳の人達では相手にならなくなってしまったんです」

「今じゃトップランナーだもんな。そこらへんの相手じゃトレーニングにならないもんな」


桜はメイドさんから紅茶を渡されたため飲んでいた


「うん。おいしい」

「クーさん?それで来てくれます?」

「ん?ああ、遠慮するよ」


桜はさも当然のように言い放った


「ど、どうしてです?

ちゃんと正体も隠した未来も約束できます」

「俺はたぶんいくら良い条件出されても変わんないと思うよ」


ガルシオンはその答えにビックリしていた


「俺は今の家族とのんびり暮らせれればそれで満足なんだ。

だから家族と堂々と暮らせないところは嫌だ」

「…その口ぶりからすると家族とは奴隷の事です?」


今のでわかってくれるとは…

説明しなくてもすむから楽だな


「でも」

「俺はどんな事を言われても揺るがないよ。はい、この話は終わり」


桜は手を叩いて話を終わらせて残りの紅茶を煽った


「さて、もうないなら帰るぞ?皆もたぶん眠いしな」


時刻は4時夏ならもう太陽が昇っている時刻だ


「てか、帰る。もう眠い」

「そ、そんな待ってください」

「嫌だ。眠い。だるい。質問なら明日にしてくれ。

マスターもそれでいいですよね?」

「来る分には構わんが、わしに仕事入ったら使えんぞ」


ガルシオンは渋い顔をしていたが桜はそれを無視した


「それでもいいや。んじゃガルシオンさん明日2時くらいにここで」

「だ、だから待っ」


桜は話が長くなると嫌だったので短剣を使ってワープした


「…なんなんですか、あの人は。私との話を…」

「ふぁふぁふぁ。お主も初めての相手みたいじゃな。

頑張ることじゃ、若者よ」


マスターはそう言って奥に消えていった


「……ムカムカします」


ガルシオンは初めて感じるその感情に戸惑っていたがすぐに苛立ちだと思った





~♪


「………誰だよこんな朝早く…」


桜は携帯のメール着信音で起こされた

ついでに、寝たのは4時30分。起こされたのは9時だ


ん?リア友ってことは遊びの誘いとかか?


『流石に始業式をサボるって事はないよな?』


「……は?始業式?」


おいおい、ちょっと待てよ始業式って1月の○日だろ


桜は携帯の日付をみた


1月○日


「あ、今日だ」


桜は衣装タンスから制服を取り出してすぐに着た


「1日目だから…携帯と財布でいいや」


桜は階段をかけ下りたが昨日寝た時間が時間だったからか誰も起きていなかった


「…よし、書き置きしとこう」


桜は紙に学校に行くと書き置きして急いで家を出た


「飯は…いいや!!」


桜は学校に走ることになったのだ


…?なんか忘れてる気が…

まあ、忘れる程度だしいっか


桜が学校に行き、友達の家に遊びに行き、家に帰ってきたのは4時となった


「いやー、焦った」

「もう。クー君しっかりしてくださいね」


今日の出来事は完全に笑い話となっていた


「お兄ちゃん、暇だったよー」

「あ、朱音卑怯じゃぞ!!」


桜はいきなり抱きついてきた二人を受け止めれずに倒れてしまった


ゴンッ


「ーーーーー!!」

「「あ」」


桜は机の角に頭をぶつけて悶えた


「ご、ごめんなさい!!大丈夫!?」

「あ、兄上。わらわの事はわかるかの」

「もう。どいてください」


桜は急に良い匂いと共に視界を塞がれ少し呼吸もしずらかった


「ふが?ふがふが」

「キャッ!!もう、あんまり暴れないで下さい」

「……」


桜は上からの水奈の声を聞き、落ち着いてマナを巡らせると自分のおかれた状況がわかった


やばい…これは理性的にやばい…


桜は水奈に膝枕をされていた

しかし、頭は下を向き完全に危ないプレイ真っ最中にしか見えなかった


「あ、コブになってる」


水奈はまるで母親のように桜の頭を優しく撫でた


「うぅ…水奈、まだ終わらないの!?」

「終わってませんよ」


水奈の声は弾んでいた


…痛みはもうないんだけどな


実際にはコブはもう治っていた。

水奈が桜を独り占めするために撫でているのだ


「水奈よ、料理の下ごしらえはいいのか?」

「…もう少し」

「ほら、早く行くのじゃ。今度はわらわ達が甘える番じゃ」

「うう!!いつも甘えてるくせにー!!」


ガンッ


水奈は立ち上がって台所に向かってしまった


「…痛い」


桜のおでこは赤くなっていた


「お兄ちゃん正座!!」

「…なんで」


桜は渋々正座をした


…俺怒られるようなこと


「えへへ、膝枕♪」


朱音は桜の膝で寝始めた


「それじゃ、わらわは後ろからじゃ」


神楽は後ろから抱きついて来た


…胸板だから痛いな


グググ…


「神楽、それ頸動脈。危ない」

「ふん。兄上が変な事を思うからじゃ」


桜は額の痛さとあくびで涙が出てしまった


「お兄ちゃん、頭なでなでしてー」

「はいはい」


ま、どうせ流したところでだしな


「ん?泣いておるのか?」

「あくびしたら出た」

「そうかそうか」


ペロッ


神楽は後ろから桜の顔を覗きこみ流れた涙をなめた


「涙はしょっぱいの」

「な、なななな何しとるんですか!?」


桜は神楽の行動にテンパってしまって声が裏返っていた


「なに、舐めただけじゃろ?」

「いやいやいや、舐めただけって」

「お兄ちゃん撫でるの止めちゃやー!!」


神楽はしれっとした顔で桜に抱きつき、朱音は腕を掴んで自分の頭の方に持っていった


「…なんでこんなに騒がしいんだよ」

「楽しいんじゃからいいじゃろ?」

「…俺は大変なんだが」


そう言う桜の顔は少しだけ笑っていた





「あー、やっと昼だー」


桜は四時間目が終わり水奈に作ってもらった弁当を持って友達のところにいた

ついでに学校は始まってから約一週間経っている


「おかずよこせ」

「お前の弁当、冷凍物多いから嫌だ」


桜は片耳にイヤホンをつけてBGM程度に聞きながら弁当を食べ始めた


「そういえば聞いたか?

なんかものすごい美人な外国人がこの学校に来てるみたいだぞ」

「ほう。俺たちには関係ない話だな」

「…言うなよ悲しくなってくる」


それにしても水奈の弁当は旨いな…


「それと噂によるとピンク色の髪らしいぞ」

「…ピンク?」


ピンクっていえばガルシオンが


「あ」

「どうした?」

「いや、ふと思い出しただけ」


やっべ…ガルシオンとの約束、今 思い出した…

どうしよう


『えー、3年○組、陽童 桜。

至急、校長室前に来るように。繰り返す…』


「…桜、お前ついに校長にまで」

「…俺変な事してないはずなんだけどな」


桜は弁当を残して校長室に向かった


コンコン


『入ってください』

「失礼し…ます」


部屋に入って待ち構えていたのは笑顔で椅子に座り紅茶を飲んでいるガルシオンだった


「お久しぶりです♪」

「…お久し」

「まあ、そこにかけてください」


校長が紅茶を用意してくれて桜はガルシオンの前に座った


「実はね、このガルシオンさんがどうしても学校を見ていたいと言うんだが魔術師関係者だそうじゃないか。

誰か知ってる人がいますか?と聞いたら君の名前が上がったから呼び出させてもらいました」


…どこでリアル割れ起こしたんだ?


「それで君にガルシオンさんの事を任せたいんだ」

「…拒否とかは」

「私からマスターに無い事無い事言うがそれでもいいなら」


…これってすでに強迫だろ


「あ、もう家も突き止めてますから安心してください」


桜の背筋が凍った瞬間である


「君に任せてもいいかね?」

「…うっす」

「よろしい。彼女は君のクラスで同じように過ごしてもらう予定ですから」


…これ以上、人の目を引き付けたくないんだけどな


「これは外国からの交流って事で寝泊まりも君の家だから」

「はい。了解しました」


朱音とかにもちゃんと言わないとな…はぁ


「それでクラスに戻るのかい?

それとも5分前までこっちにいるかい?」

「こっちにいます。弁当をこっちで食べても?」

「構わないさ」


桜はそれを聞いてから教室に戻った


「お?お帰り」

「ただいま。面倒臭いことになった」

「え?やっぱりなんかあったのか」


桜はすぐにわかるさ、とだけ言い弁当を持って校長室に帰ってきた


わぁわぁがやがや


「あ、お帰り。今この前の東北大会の様子を見てたんですよ」

「校長さん。アルファっていう方が桜さんですよ」

「おお!!それは素晴らしいな」


桜は二人の事を無視して弁当を食べ始めた


「美味しそうです…」


桜は初めは無視していたが視線が気になってしまい残していた卵焼きを食べさせた


「うふふ、美味しいです」

「そうかそうか」


桜は弁当を早めに食べると時間が結構余った


「それでガルシオンさんはどうして俺の事わかったんだ?」

「その前に言うことはありませんか?」


ガルシオンの笑顔は怖かった


「待ち合わせ忘れててすみませんでした」

「はい、いいですよ。後私の事はシオンでいいです。

それで桜さん。なんです?」

「えーと、ガルシオン「シオン」…シオンさ「シオンだけでいいです」……はぁ

シオンはどうやって俺の本名わかったんだ?」


なんか俺が話すと色んな人に言葉被せられてる気がする


「ケルピーに任せたらこの学校に通っているところまでわかりました」

「うん。そこがまずおかしいんだな」

「そして、ここの校長さんは岩手のマスターと繋がりがあることもわかったので押し掛けてみたら難なく受け入れてもらえました」


その校長は今、テレビをみてはしゃいでいる


「校長さんに会って“クーさんという方は私の知り合いです”と言ったら桜さんの名前が出てきたので簡単でした」


大体、校長のせいじゃねーか!!

どうしてくれるんだよ、面倒くさい事になってるじゃん!!


~~♪


「っと5分前になったか」

「あ、先生方には私から言っておきますから安心して授業を受けてくださいね」

「はぁ…」


なんでそんなにウキウキとしてるんだよ…


「ほら桜さん行きましょう?」

「…校長お腹」

「ダメです。授業を受けてきてください」


ちっ。早退すればなんとかなると思ったんだが


「諦めが肝心ですよ」


…はぁ、行きますか


「わかりましたよ。ガルシ「シオン」…シオン、行くぞ!!」

「はい♪」


桜は半ば諦めて教室に向かった


がやがや…


シオンは見た目超絶美人さんなので教室に入っていない生徒から注目を浴びていた


はぁ…どうなるんだよ…俺の学校生活は…

読んでいただきありがとうございます!!

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