表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の知ってる日常はどこか違う  作者: Mgl5566l
激怒する桃色
53/115

第50話≡準決勝~VSアヌビス~

ついに話が50話までいった…



「どうした?随分と楽しそうじゃないか」


突風の砦(ブラストバスティオン)のリーダーと副リーダーであるアヌビスが机に料理を並べながら向かい合っていた


「そうかい?僕はいつも通りさ」


そんな事を言いながらアヌビスの顔には笑みが浮かんでいた


「まあ、お前は準決勝まで勝てたんだ。浮かれるのも無理は無いか」

「そんな事ないさ。

でも次が準決勝だったんだね」

「なんだ、忘れてたのか?」


アヌビスは準々決勝を勝ち進んでいた


「次はあのアルファだかと言う得体の知れない相手だが、勝てるか?」

「アルファか…ふふふ、どうだろうね」

「なんだ、不安なのか?」


その問いかけにアヌビスは面白い事があったかのように笑った


「いや、すごく楽しみなのさ」

「楽しみ?確かに弱い相手ではないが…」

「そうだね、彼はとっても強い。

だから楽しみなのさ」

「くくく、お前も戦闘狂じみてきたな」


リーダーはそう言ってビールを煽った


「…一口くらいくれないか?」

「ダメだ。明日試合なのに二日酔いなんてたまったもんじゃないからな」

「くっ。美味しそうに…」


アヌビスはそう言って烏龍茶を煽った




『本日は晴天!!戦うにもってこいの環境です!!

さー!!本日第一試合!!

カードは岩手同士の戦い、ダークホースのアルファと

音響戦士ナイト・オブ・ミュージックのアヌビスの戦いだ!!』


わぁぁぁぁぁぁぁ!!


『(…この声援の大半はアヌビスさんになんだろうな)』


『アヌビス選手の攻撃で特徴的なのは不可視の攻撃があることですね』


『(不可視か…怖いな…)』

注意※桜は目隠しをして戦っています


『この試合から見る人の為に二人のアイテムのおさらいです。

アルファ選手のアイテムは地上の贈り物(アースウェポン)

土があれば色々な武器が作れる優れものです。

一方アヌビス選手のアイテムは音響の斬撃(インビジブルナイフ)

音を使った攻撃ができますね。この攻撃は目視する事ができないので勘でかわす事しか対処法はないでしょう』


『(音魔術か…

似たようなので言霊あるけど、あれって声が聞こえないと意味ないんだよな…)』


『』『さて、時間となりました。今回、勝利を手に納めるのはいったい誰なんだー!!』


『(さて、俺もとっとと)』

わぁぁぁぁぁぁぁ…!!


『早くもアヌビス選手の入場だ!!

準決勝ということもあり会場の盛り上がり方が凄まじいぞ!!』


『(…やめてくれよ。

俺が会場に出て盛り下がってから上げる計画だったのに…)』


桜はため息をつきながらカプセルの中に入ってワープをした


わぁぁ‥

ブゥゥゥゥゥ…!!


『(…どうしよう、心が折れかけてる)』


『す、凄いです!!ある意味会場が盛り上がっています!!

アルファ選手が試合を進める毎に酷くなっていますね』

『心が折れないといいんですが…』


『(…なんかもう逆に開き直れそうだよ)』


桜は心で泣きながらアヌビスに近づいた


「よろしく頼むよ」


桜は頷いてアヌビスの握手に応じようとした


「クー君」


桜はそう言われた時、握手を少しためらってしまった


「ふふふ、やはり君がクー君だったみたいだね」


『(…あれー、どこでバレたんだ?)』


桜は握手をしてから紙にペンを走らせて渡した


初めまして(・・・・・)今日はよろしくです

読み終わった捨ててください』


「初めましてなんて酷いな。

君とは色々話をしたかったのにしてくれなかったんじゃないか」


『(…マスターの事今なら呪い殺せる気がする)』


「まあ、いいさ。お互いに全力を尽くそうじゃないか」


桜は頷いてから離れて朱音をだした


「お兄ちゃんも大変だね」

『まったくだよ。アヌビスさんと繋がりが持てれば彼女にできたかも…いててて』


横を見ると笑顔で脇腹をつねっている朱音がいた


『…朱音、なにするんだ?』

「乙女心のわからないお兄ちゃんに制裁だよ」


『(…アヌビスさんに失礼だったって事か)』


『さーて、試合前の挨拶も済ませました!!

これから試合が始まります!!』


桜の前に黒の背景にアルファ対

金色の背景にアヌビスとかかれたボードが出てきた


3


「私はお兄ちゃんの奴隷の銀狼!!よろしくね!!」


2


「俺はアヌビスの奴隷、セベク。疲れない程度に頑張ろう」


セベクと名乗った少年は見るからにだるそうにしており、腰に砂漠にいる人がつけてそうな剣があった


1

「セベク少しはやる気を出して欲しいんだが」


『(アヌビスさんも大変なんだな)』


Fight!!


『アシスト:スピード!!

朱音、セベクの方よろしく』

「わかった!!」


『始まったー!!まず動きを見せたのはアルファ選手だー!!』


『セベク、あの銀狼の方を頼んだよ。僕はクー君と戦いたい』


『(あ、もう、クーって決定してるんだ)』


「はいはい。適度に頑張ってくるよー」


セベクが離れるとアヌビスは腰についている白い洋刀に手をかけた


『(…ようやくRPGみたいな武器を使う人が)』


剣を鞘から抜くとワイヤーのような物が柄に引っ掛かり、鞘が変形してギターのようなものになった


『アヌビス選手の武器は何度見ても驚きますね』

『私も初めは洋刀使いなんだと思っていましたよ』


『(………。

前回の太刀使いの人が一番RPGっぽいな)』


桜は地面に手をついてナイフを量産しマントの中に隠し持った


「さて、開始早々悪いけど使わせてもらうよ」


アヌビスはピックでワイヤー―弦―をひいた


『(中々なスピード)』


桜は自分の前にナイフを構えて横に振った


ギュイィィ…キンッ!!


桜の後ろには何かで斬った跡が地面に残っていた


『(なるほど。音速で来るっていうことじゃないんだな)』


桜はマナを感知するように周りを見ているため三日月型の刃が迫っているのが見えた


『な、なんと言う事だー!!アルファ選手、不可視の攻撃を見事弾いたぞー!!

どんなテクニックがあればあんなことできるんだ?!』


『(え?今のが不可視の攻撃ってやつだったのか)』


「ふふふ、やはり君と戦って正解だったみたいだね」


『(…回避すればよかった)』


アヌビスは弦を震わせて桜に刃を飛ばす


キンッキンッキンッ


『アルファ選手、見事に攻撃を弾いていく!!

私たちから見ても何かが起きてるかわからないぞ!!』

『アルファ選手は不可視の攻撃が見えているかのように防いでいきますね。

どのような仕組みなんでしょう』


桜は防ぐだけでなくナイフを飛ばしたりして攻撃をするが刃に防がれアヌビスに届く事はなかった


『(うーん。

…仕方ない後ろからザクッといくか)』


桜は地面に向かって“エアーボム”を使い、土煙を発生させ一瞬姿を隠した


『(さて、いくか)』


桜はすぐに煙の中から出てナイフを片手にアヌビスに詰め寄った


「…何がしたいんだ?」


桜の胴体は音の刃で真っ二つになった


「ほう。なるほどな」


桜の体は土となって転がった


『(これで少しは安心できるかな)』


『アルファ選手の姿が消えたー!!彼はいったいどこに隠れたんだー?』


「まったく、クー君は上手く隠れられたかな?」


アヌビスはギターを弾いた


『(…?何がしたいんだ?)』


ギィィィ…


「みーつけた」


アヌビスは上にギターを向けて弾いた


『(ヤバッ!!

ガチで見つかってた!!)』


桜は何もない空間から飛び出して空中に足場を作りそこに乗った


スパンッ!!


桜の乗っていた足場は真っ二つにされて氷の破片が舞った


『なるほど。空気の足場を作って空中に逃げて、氷の壁を使って姿を眩ます。

アルファ選手は氷魔術の使い方が上手いですね』

『しかし、それを見分けたアヌビス選手!!いったいどうして気がついたんだ?』

『それはですね。音を反響させた時にアルファ選手のところに違和感があったのではないかと思いますよ』


『(…だからバレたのか)』


「ところでクー君。いつまでもそこにいてもいいのかい?」


『(…?俺がここにいると不味いのか?)』


アヌビスは桜の方から朱音が戦っている方に向いた


『くそ!!朱音!!』

「え?どうしたの、お兄ちゃん?」


桜は急いで飛び降りて朱音の元に向かった


「ふふふ、間に合うかな?」


アヌビスは朱音に向かってギターを弾いた


『(間に合わねぇ!!)

朱音!!槍で横に1回転!!』

「え?う、うん。わかった!!」


キンッ!!


朱音の槍はギリギリで音の刃に間に合い弾くことができた。

桜は追い討ちをしようとするセベクにナイフで牽制して朱音の隣に立った


『危ねぇ。

朱音、怪我は?』

「奴隷同士の戦いで少しだけど大丈夫!!」


アヌビスの方にも奴隷が戻り振り出しに戻った


「クー君、ここで奴隷とのコンビネーションでも試そうじゃないか」


『(コンビネーション?何する気だ?)』

「何をする気なの!!」


桜が思った事を朱音が言ってくれた


「何、簡単な事さ。私たちの攻撃をどこまで防ぎきる事ができるのかなってね!!」


アヌビスは言い終わると同時に奪取して横から桜を狙った


キンッ!!


『(だからそれは…そう言う事)』

「お兄ちゃん後ろ!!」


後ろから迫っていたセベクの炎を纏った剣を朱音が槍で受け止めてくれていた


「ほらほら、休んでる暇なんてないよ」


アヌビスは競り合いをしている朱音に向かって音の刃を飛ばしたが桜が競り合いをしている朱音を退かして刃を防いだ


『な、なんと言う事だー!!アヌビス選手達が休む暇もない攻撃の嵐でアルファ選手を追い詰めているぞ!!』

『でもアルファ選手も奴隷とのコンビネーションを発揮して退けていますね』


『朱音、手掴むよ!!』

「うん!!」


桜は朱音の手首を掴んで動きやすいようにした


キンッキンッキンッ!!


桜と朱音は回るように敵の攻撃を退けノーダメージで突破することができた


「はぁ…はぁ…中々やるじゃないか…」


『(普段から地獄(朱音との特訓)を味わってる俺をなめるなよ!!)』


アヌビスが誘うように奥に逃げたためセベクを朱音に任せてアヌビスを追った


「ふふふ、のこのこついてきて。君には罠という考えはないのかい?」


アヌビスが上に飛び、桜には上からの広範囲な攻撃予測が見えた


「ウェーブスタンプ!!」


桜は氷の上を滑るようにその場から離れるとさっきまで立っていた場所が潰されていた


『(危ねぇ…あれって刃以外に使えたのか…)』

「おかしいな…この攻撃は中々広範囲だった気がするんだが…」


桜はアヌビスの呟きを無視して6本のワイヤー付ナイフを適当に投げた


「…どうしようって言うんだい?」


『朱音、少しの間、目が痛くなるかも。

合図したら目、瞑ってくれ』

「わ、わかった。頑張って瞑るね」


桜はナイフから氷の柱を作り上げた


『おお…綺麗な柱ですね』

『これは造形用や観賞用に使う魔術なのですが…

アルファ選手は何がしたいんでしょう』


『さーて、頑張れよ、風!!』


桜が手を地面から離すとフィールドに流れる風が強くなってきた


「くっ…なんだこれは…」


アヌビスは桜に音の刃を向かわせるがナイフで弾かれてしまう


『(次はこれ)』


柱の回りに竜巻が発生し始めた


『これも風のD等級魔術ですね。

アルファ選手は下級魔術しか使えない魔術剣士と確定してもいいでしょう』


『(えー、なんかそれはそれでショックなんだが…

まあ、いいや)

朱音、目瞑って!!』

「はい!!」


桜が柱の元になっているナイフを引き抜くと氷は氷の破片となって崩れた


『おや?せっかくの柱を崩し始めましたよ』


さらに竜巻に太陽光が反射するように氷で鏡も作った


『……あ。目を瞑った方がいいですよ』

『え?それってどういう』


氷の粒は竜巻に巻かれて宙を舞い、太陽の光を反射し始めた


「くっ…目が…」


フィールドは一瞬にして強い光に覆われ会場を含めた皆の目を潰した

その中、桜だけはアヌビスに向かって走っていた


『(この光があるうちに倒さないとな)』


桜は靴にもナイフをつけると全身を使ってアヌビスを斬り裂いた


「キャ!!…くそ!!目が見えない!!」


アヌビスのHPはすでに半分をきりそれでもなお桜は斬り続けた


「まだまだぁぁぁぁ!!」


アヌビスがギターを弾くとアヌビス中心に衝撃波が発生し竜巻を吹き飛ばした


「はぁ…はぁ……

まだまだ終わりじゃ」

『お疲れ様』


桜は仮面を少しだけあげてアヌビスに聞こえるように言った


「え?」


肩を押されたアヌビスは後ろに下がったがそこにはあるはずの地面がなかった


『おお、ようやく光が収まりましたが私はまだ目が見えておりません。

いったい今場はどのようになっているのでしょう?』

『私も目を瞑りましたがまだフィールド内は見えませんね』


アヌビスの後ろには穴がぽっかりと開けられておりそこには大量の氷の棘が敷き詰められていた


ザクッ


そして、アヌビスのHPは0になった


「……ふふ、強いなクー君は」


桜は棘をなくしてアヌビスのもとまで降りた


「決勝、頑張ってくれ。

私たちに勝ったのに無様に負けたら承知しないからな」


アヌビスがそう言って拳をあげてきた

桜はそれに応じるように拳をぶつけた


「それにしても悔しいな。

クー君、帰ったら模擬戦を申し込むよ」


桜は首を横にブンブンと振ったがその時にはアヌビスは消えていた


『(あの人、言いたいことだけ言って帰りやがった!!)』


『えーと、よくわからないが勝者はアルファ選手だー!!』

『後でVTRで確認しましょう』


ブゥゥゥゥゥ!!


『そしてこのブーイングだ!!

アルファ選手、どうか心が折れないよう祈っています』


『(大丈夫です。もう開き直ってますから…)』


そして、桜も

フィールドから姿を消した

読んでいただきありがとうございます!!

誤字脱字がありましたら報告お願いします!!

感想くれたら喜びます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ