第47話≡第一回戦~VS紫森~
祝!!50話目!!
ここまで応援してくださった皆さまありがとうございます!!
『さあ!!
三回戦も終わり第四回戦!!
カードは秋田の王宮要塞こと“紫森”対
正体不明、岩手の助っ人“アルファ”だ!!』
『カラカサさんは岩手支部の人ですがアルファさんについては?』
『いやさっぱり。マスターからの情報でも外国の人間って事以外伝えられていません』
…外国人になってるのかよ
「あ、あの…」
横を見ると女の人が見るからに困っていた
「こ、これを」
そう言って女の人が出してきたのは2つの小型通信機だった
桜は紙とペンを出した
「ひっ」
桜は女の人に見えるように紙をだした
『これは?』
「あ、はい。こ、これは奴隷と連絡を取るための通信機です」
おお、これはありがたいな。
『ありがとう』
「い、いえ。ルールなので…
が、頑張って下さいね」
女の人はそう言って一礼して駆け足で去っていった
…後で渡せばいっか
『しかしこの東北大会に出てくるほどの実力の持ち主。いったいどんなバトルになるのでしょうか』
わぁぁぁぁぁぁぁ!!
『まずは紫森選手の入場です!!彼は前回の戦いでもその高い防御力で準決勝まで残っている実力者!!
また防御力を生かしたあの戦いが見れるのでしょうか!!』
『紫森選手の防御力は本物ですからね。長期戦はオススメ出来ません』
さて、行くか
桜はワープ用のカプセル型の装置の中に入ると試合会場にワープ出来た
わぁぁぁぁぁぁぁ!!
『アルファ選手も入場です!!彼はいったいどのような戦いができるのでしょうか!!』
実況者が話してるなか体の一部を銀色の鎧で覆った男が近づいてきた
挨拶は大切だもんな
桜は紙にペンを走らせてから男に近づいた
「いい勝負をしよう」
紫森が握手を求めたため桜はそれに答えた
クシュ
「ん?…なるほど、君は訳ありみたいだな」
紫森の手には桜が書いた紙が握られており
『お互いに悔いのない戦いをしましょう。後読み終わったら紙を離してくれると助かります』
と書かれていた
「これでいいのか?」
紫森が紙から手を離すと紙は一瞬で風化し、消えていった
「そういうことか」
『さあ、今、挨拶が終わりました!!』
紫森と桜は下がり適当な距離を取って奴隷をだした
影から出てきた朱音の手には二本の槍が握られていた
『これ、耳に』
「え?これ?」
朱音が少し不安そうに通信機を耳につけたのを確認してテストした
『あー、テステス。聞こえる?』
「うわ!?え?お兄ちゃん?」
桜は朱音の声に耳がキーンとなっていた
『…朱音もう少し声抑えて』
「あ、ごめんね」
そんなやり取りをしていると目の前に画面が現れた。
上半分は金色のバックに紫森と書かれていた。
下半分は黒のバックにアルファと書かれ真ん中にはVSの文字があった
『さて、始まるぞ』
3
「俺は紫森様の奴隷、クー・シーだ」
2
「私はお兄ちゃんの奴隷、銀狼だよ!!」
1
…朱音、対戦相手が変な目で見てるじゃん
はぁ、早く終わらせよう
Fight!!
『さあ!!始まりましたー!!いったいどんな試合を見せてくれるのかー!!』
『朱音!!あいつの奴隷よろしく!!』
桜はそう言うと同時に地面に手を置き土の壁を作った
「わかった!!」
『アシスト:スピード』
桜からのアシストを受けた朱音は壁から出て円を描くように相手向かった
『アルファ選手、壁を作ったが何をしたいんだ?』
『そうですね。あんな“グラウンドウォール”ではほとんどの攻撃は防げません』
桜は足に触れて靴にナイフを装備した
相手も動きはないか
『朱音、攻撃は少し待って』
桜は土の壁に触れてから、風魔術をアシストして蹴った
『“ウィンドウボム”?どこに…』
壁は桜の蹴りで崩れて中で生み出されたいくつものナイフが紫森に向かった
『おーと、ここでアイテムの情報だ!!
アルファのアイテムは“アースウェポン”触れた土を武器にできてしまうようだ!!』
『…なるほど。土をナイフに変えて、“ウィンドウボム”で向こうに飛ばす。
素晴らしい戦術です』
桜はナイフの後を追うように走って途中何本かナイフを懐にしまった
「くっ、頼むぞクー・シー!!」
「勿論。時間稼ぎが仕事だからね」
紫森の奴隷が前に出て地面に手をつくと地面が競り上がり石の壁が出来上がった
『おおっと!!ついに紫森側も動きを見せた!!』
『“グラウンドウォール”の強化型。“ストーンウォール”ですね。これをあのナイフで壊すのは難しいですね』
ナイフは“ストーンウォール”に刺さるだけで突破はできなかった
桜はジャンプしてストーンウォールを飛び越えた
「それは読んでいたよ」
クー・シーは桜に向かって小刀二本を構えていた
『朱音』
「うん!!」
「ぐはっ」
横から凄まじい勢いで来た朱音がクー・シーに槍を振るう
槍は尖っている方じゃない方で殴ったためダメージは少なくすんだが跳ばされてしまった
「ちっ。早すぎるんだよ」
『アルファ、奴隷とコンビネーションを見せつけ目前まで来た!!このまま試合は終わってしまうのか!?』
『紫森選手のアイテムは時間がかかるものですから短期戦は向かないんでしょう』
桜は6本のナイフを紫森に投げつけた
キンッキンッ!!
そのうち紫森が腕くらいの長さの剣で防いだのが2本、後の4本は紫森を囲むように刺さっていた
「は。どこに投げていやがる!!」
だがその4本には全てワイヤーがついており、ワイヤーは桜に伸びていた
桜はワイヤーを使って紫森まで距離を詰めた
「くそ!?まだまだだってのに」
紫森は背負ってる洋刀を抜こうとしたが遅かった
桜のナイフでの剣撃が炸裂しHPを3分の1ほど削った
「ぐはっ」
『よし、このまま』
桜がまたナイフで詰め寄ろうとしたとき紫森の体から霧が発生した
「ここは逃げさせてもらうぞ」
桜は紫森の事を確認できるうちにナイフを振るったが手応えはなかった
桜は霧をナイフの一振りで消し、マナを巡らせると少し遠くに紫森とその奴隷を確認できた
『はぁ、もうちょっとなんだかな…』
さて、次はどう攻めようか
「お兄ちゃん」
無傷の朱音がやって来た
『おお、そっちはどう?』
「うん。手応えは有ったんだけど逃げられちゃった」
HPバーを見るとクー・シーのHPは半分ほど削られていた
『いや、あれだけ削れれば充分だよ』
桜はひとまず地面に手を触れてそれっぽい雰囲気を出した
『よし、攻めるか。
朱音はさっきと同じでクー・シーを攻めて』
「了解!!」
朱音が駆け出してしまったので桜は後を追うようにナイフを2本クー・シーに向かって投げた
『(どうする?避けたら紫森に当たるぞ)』
クー・シーは桜の予測通りナイフを剣で弾いた。
するとその横から朱音が一撃を与えてぶっ飛ばした
『決まったー!!なんと素晴らしいコンビネーションでしょう!!アルファ選手の投剣もさることながら奴隷のあのスピード。これは面白い試合になりますよ!!』
桜は動かない紫森に向かって地面から棘を生やし
『“グラウンドソーン”
これもC等級魔術ですね。もしからしたらアルファ選手はC等級魔術しか使えないのでは?』
『なるほど。
でしたらアルファ選手は魔術師タイプではなく剣士タイプのようですね』
『(…すいません。思いっきり魔術師タイプです)』
桜はそう思いながら“グラウンドウォール”を作り、またいくつものナイフを紫森に投げた
『(あいつが何もしなければこれで終わりだが…)』
「残念だったな!!この勝負俺の勝ちだ!!」
紫森がそう言って桜に向けたのは石で出来た盾だった
『来たー!!紫森選手のアイテム“反射する石盾”
これで何もできなくなる選手は嫌となるほど見てきたぞ!!
アルファ選手はこの状況をどう打破するのでしょうか!!』
『素早く動ける奴隷をいかに使うかが勝負の分かれ目ですね』
盾に向かったナイフは全て当たる直前で静止して桜に向かって飛んできた
『うん。近づかなくてよかった』
桜はその場から急いで離れてナイフを錬成した
「お前がどんなに武器を錬成しようと俺の盾は破れないぞ!!」
『おおっと、ここで一名リタイアだー!!』
画面をみるとクー・シーの名前が黒くなっていた
「どうよ。私もなかなかやるでしょ?」
『流石だな、朱音』
「えへへ、もっと誉めて」
『(俺も朱音に負けてられないな)』
桜は両手にナイフを持ち一気に詰め寄った
「ふん。無駄な足掻きだな」
『(これって盾に対する攻撃は弾かれるんだよな?)』
「お兄ちゃん、私も」
『大丈夫。朱音は見てて』
桜は紫森の前に来てから地面に手をついた
「あれ?お前なにを!?」
紫森は腰から下が地面に埋まっていた
『これは地盤を無くしただけですかね。最早初級魔術で、名前すらありません』
「だが、ここで防ぎきれば」
『だから、当たんなければいいんだろ?』
桜は埋めた後でも地面に手をつけていた
ザンッ!!
「グハッ!?」
『…なるほど。“グラウンドソーン”を穴の中に生やしたんですね。
C等級魔術だけなのに使い方がうまい』
そう言ってる間に紫森のHPはどんどん減っていく
「くそ!!このままだと」
桜は出てこようとする紫森の足元の穴をさらに深くし、胸辺りまで埋まった
『タイミングが絶妙ですね』
『酷いですが確かに確実な攻撃です!!』
桜は埋まってる紫森に“グラウンドソーン”を使いHPを完全に削った
「…まさか一回戦で負けるとはな」
消える間際、紫森が穴の中で言った言葉だった
「負けんなよ」
桜に向かった拳をつき出してくた
『(…この人イケメン過ぎるだろ!!)』
桜は頷いて拳をぶつけた
そして、紫森は笑顔でフィールドを去っていった
『これは凄いぞ!!今回の大会のダークホースかも知れないぞ!!』
『本当にそうですね。これからの彼の試合が楽しみです』
『(…俺も負けた時は紫森さんを見習おう)』
こうして、桜は一回戦を勝ち星で終える事ができた
読んでいただきありがとうございます!!
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修正
ブラックホール→ダークホース
ブラックホールってなんだよwww




