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第44話≡クリスマスに欠かせない物

今回なかなか長いかなと思っています。

いやー、気づいたらこんなに書いてたんです



「出来たー!!」

「やったー!!」


桜と朱音が朝早く起きてかまくらを仕上げて2日。

かまくらは完成した


「まさか穴掘ってたら崩れるとはね」

「俺もビックリした」


本当は2日もかけなくても完成はしたが、桜が中に入って掘っていると屋根の雪が崩れ桜は埋まってしまっていた


「中に入ってみようか」

「うん!!」


てか、完成したの初めてじゃね?


「おお、なんか凄いな」

「そうだね…」


桜と朱音はかまくらの中に入って横になって言ったがまとめるとこの言葉が出てくる


「寒いね」

「全くだな」


だって壁も床も雪だもん仕方ないさ


「さて、朱音。先に家に入ってて」

「お兄ちゃんは?」

「もうちょっと改良してから入るよ」


桜がそういうと朱音は不満そうな顔になった


「お兄ちゃんだけ面白そうな事してずるい!!」

「あはは、ごめんね朱音。

でも絶対に面白くするから楽しみにしてて」


桜は朱音の頭を撫でながらそう言うと、朱音は渋々承諾してくれた


「お兄ちゃんのみかんがなくなっても知らないからね!!」

「すぐ戻るから大丈夫だ」


朱音も家の中に入り桜は手のひらに魔方陣を描いた


「さて、頼んだぜ。これはある意味俺の夢なんだからな」


桜がかまくらに手を向けるとかまくらの中は光り輝きだした


「…よし、完成!!えーと、出来栄えは…」


桜がかまくらの中に入るとすぐに肌で成功を感じることができた


「良かった成功してた…

次はこたつだな」


桜は家の中に入って自分の部屋にあるこたつを持っていった


「おや?兄上よ。こたつなどどうするつもりじゃ?」


階段を下りてる時神楽に見つかってしまった


「ちょっとね」

「ほう、気になるの。わらわもついていくぞ」


まあ、もうちょっとしたら言うつもりだったしいっか


「なら、座布団でも持ってかまくらのところに来てよ」

「了解したのじゃ」


神楽は自分の部屋(一階にある和室)に向かった


そんじゃ行きますか


桜がこたつを持ってかまくらに着くと神楽も追い付いた


「それでどうするのじゃ?」

「ちょっと待っててね」


桜はこたつをかまくらの中に入れてセッティングした

さらに中は暗いので光の魔術を使って適度に明るくした


「神楽ー。座布団持ってきてー」

「わかったのじゃ。

…どうなってるんじゃ?」


神楽が座布団を持ってかまくらの中に入ると部屋の中と変わらないほど暖かかった


「まあ、座ってよ」

「う、うむ」


神楽は不思議そうにしながらも座布団を敷きこたつに入った


「暖かいの…」

「はぁ…これこそ雪を使った夢だよな…」


桜はテレビでかまくらの特集を見ていつかはやりたいと思っていた


「兄上。仕組みを教えてくれんかの?」

「ネタバラしは皆が来てからね」


桜はかまくらから出て窓を開けて二人を呼んだ


「あ、みかん忘れてた」

「…それよりも気になってしまうんじゃが」

「お兄ちゃんどうしたの?」


朱音と水奈は座布団を持ってかまくらに着いた


「まあまあ、入ってみなよ」

「…あれ?寒かったのに」

「…クー君。また何かしましたね」


朱音と水奈は桜をジト目で見ながらかまくらに入った


「…落ち着くんだけど」

「不思議な気分ですよね」


そう言う二人は落ち着かないようだ


「でもなかなか面白いだろ?」

「そんなことよりネタバラしじゃ!!」


正面にいる神楽は痺れをきらしてこたつの中で桜の足を蹴ってくる


「お兄ちゃん教えてよ」


横にいる朱音は桜の脇腹をつつく


「そうですよ!!私もこんな魔術知りませんよ!!」


水奈はそう言いながら桜の手を撫でる


「何故撫でる」

「私はクー君を傷つけることなんてできませんよ」


それはそれで怖いんだけどな…


「こほん。ではネタバラしです」


桜は机の上に1つの氷の塊を作り出した


「この氷がどうかしたんで…暖かい?」


氷に触れた水奈がそう言ったのを始めに二人も氷に触れて驚いている


「実は氷の魔術に火の魔術を組み込んだら出来たんだよ」


桜の言葉を聞いてよくわかってないのが朱音。

頭を抱えてるのが水奈。

そして、ただただ驚いている神楽。


「な、なんじゃ?兄上は魔術を作れるのか?」

「あー、そういえば神楽には話してないもんな」

「…聞いたら驚きますよ」


桜は自分のスペックを神楽に話した


「兄上はおかしいのじゃ」

「えー、神楽もそんな反応なの…」

「クー君のスペックを聞いたらそうなりますよ」


おかしいな…俺そんな言われるほどじゃない気がするんだけどな…


「そういえば神楽の事も聞いてなかったな」

「な、なんじゃ。兄上はわらわはの事が知りたいのか?」


神楽は頬を染めながら桜を見る


「「む…」」

「まあ、家族として知りたいと思うじゃん」


桜は神楽に微笑んだ


ガンッ


「か、家族…」


神楽は机に頭をぶつけて伸びていた


「え?どうしたの?」

「うん。流石お兄ちゃんだ」

「神楽。わかりましたか?クー君がどんな人なのか」

「…痛感させられたのじゃ」


顔を上げた神楽の額は少し赤くなっていた


「よしよし。よくわからないけど大丈夫か?」


桜は神楽の赤くなっている額を撫でた


「…釈然とせぬが。役得なのじゃ」


神楽の事を羨ましそうに見るのは二人だった


「それで神楽のアイテムってどういう風なの?」

「わらわのアイテムか?」


桜はふと疑問に思ってそう聞いた


「わらわのアイテムは“呪詛創造カース・クリエイト”じゃ」

「…なかなか面白いものを持ってますね」


どうやら水奈が知っているアイテムだったようだ


「水奈、説明よろしく」

「はい。カース・クリエイトととは武器や魔術に呪詛をかけて威力を半減させたりするアイテムの事です」


…なかなか厄介だな


「敵なら厄介でしたが味方となればこれほど強いものはありませんね」


桜は神楽に視線を移した


「えへん。なのじゃ」


また、無い胸を


ゲシッ


神楽は桜をこたつの中で蹴った


「神楽、痛いよ」

「ふん。兄上が変な事考えるからじゃろ」


ふて腐れた神楽の頭を撫でると機嫌を治してくれた


「ごほん。

で、話が変わるけど。俺がこのかまくらを作りたいと思った訳がここで夕飯を食べたいからなんだよ」

「夕飯ですか?」


水奈は少し悩みだした


「ラーメンとお鍋どちらがいいですか?」

「ラーメン」「「鍋( じゃ)!!」」


桜がラーメン。他二人が鍋だった


「では今日は鍋ですね」


桜はそれに少し苦い顔をする。

実は桜には鍋に苦い思い出があるのだ


「クー君好き嫌いはダメですよ」

「…はい」


桜は小さい頃一週間、連続鍋(同じの)という地獄を味わってから鍋が苦手になっているのだ


旬肉だけは…


「水奈…旬肉だけは…」

「好き嫌いはダメです」


水奈はビックリするほどの笑顔でそう言った


あ、これはダメなやつだ


その日の夕飯はすき焼きとなり

肉は神楽と朱音の腹に収まり

桜はその他の野菜をおかずにご飯を食べたのだ


…まさかひと切れも食えないとはな

でも、なかなか美味しかったな


桜は料理する人が変われば料理も変わるものだと思ったのだった





桜は自分の部屋で考え事をしていた


「やっぱりバレないようにしないとな…」


桜は秘密裏に動いていた


「さて、早く行かないと面倒だな」


時刻は午前10時

桜は依頼していた物を取りに行こうとしていた


コンコン…


「ん?入っていいよー」

「失礼します」


入ってきたのは水奈だった。

水奈は何故か畏まっている


「どうしたの?」

「…その…お願いがありまして…」


お願い?


「…お金を貸していただけますか?」

「あ。なんだそんな事。ちょっと待ってね」


桜は部屋に置いてあるアタッシュケースから札束を取り出した。

実はもらった一千万円をどうにもできずひとまず桜の部屋に置いてあるのだ


「十万あれば足りる?」

「はい。勿論です。…必ずお返ししますね」

「いいって。俺だってこの大金を使わないとなんか落ち着かないし」


桜は魔術師になる前は財布の中には入ってて一万円の平凡な少年だったので大金がそばにあると落ち着かないのだ


「いいんですか?」

「いいって。これは俺の金じゃなくて家族の金だから」


桜がそう言うと水奈は戸惑いながら了承してくれた


「あ、そう言えば水奈。俺、今日はちょっと出掛けてくるから」

「え?…帰ってくるんですか?」


水奈は涙目になりながら桜に聞いた


「ちゃんと帰ってくるよ」

「良かった…

クー君。その…午後5時位まではぶらぶらしてくれると助かるんですが…」


…ま、今日くらいは何も聞かずに水奈の言うこと聞くか


「わかった。それくらいに帰ってくるよ」

「ありがとうございます」


水奈は桜からお金を貰うとそそくさと部屋を出た


「…あっちのなんかの準備かな?

…ま、いっか」


桜は本部にいく準備(目隠しだけは着けずに)をしてから短剣を使ってワープした




っとまあ、誰もいないよな


今日はクリスマス当日。

時間が早いからか本部に残って色々してる人は少ないようだ


『…行くか』


桜は服屋に向かった


カランカラン…


「いらっしゃ…いませ…」


店員さんの声は後半ほとんど聞こえなくなっていた


そうなるよね。俺だってこんな格好のやつがきたらそうなるよ


桜は心の中で泣きならがカウンターの前に来た


「あ、あの…どういったご用…ひっ」


桜はマントの中からペンと紙をだしてすらすらと何かを書いた


“頼んでた首輪と髪留め、できてる?”

「あ、はい。少しお待ちください」


店員さんが奥に下がったため桜は店の中を少し見ていた


お、いいのあるじゃん


桜が見つけたのは丸い石で出来たブレスレットだった

桜はそれを持ってカウンターで待った


「こちらで間違いありませんか…」


店員さんが桜に見せたのは朱音や水奈が出かけるときつけている羽を型どった首輪と

赤く頭の上で留めるような髪飾りだった


“うん。大丈夫だね”

「では会計を…こちらの商品もですか?」


桜は首を縦に降った


「では…お会計29万円となります」


桜はギルドカードを渡して会計を済ませ、その店をでた


「ありがとうございました!!」


うん。早く出ていって欲しいのは痛いほど伝わってくるよ


桜は荷物を持ったままマスターの部屋に向かった


コンコン…


『入っていいぞ』

「失礼します」


部屋に入るとマスターは桜の名付け親の犬(?)を撫でていた


「なんじゃ、お主か」

『お久し振りです。マスター」


桜が入って来たのを知りメイドさんが紅茶を入れてくれた


「それで、どうしたんじゃ?」

「いえ。単に暇になったので顔でも見せに来ただけです」


桜が正直に言うとマスターも苦笑いをした


「クリスマスに何を言っておるか」

「大丈夫です。家に帰れば待ってるんで」


ズズズ…

はぁ、紅茶が旨い


「ところでクーよ。最近宮城県で“黒仮面”と呼ばれる魔物が出たらしいぞ?」


…ヘー、タイヘンダナー


「…お主、まさかと思うが仙台に行ったりなどしておらんだろうな」

「はい。行ってませんよ」


桜は名付け親をがん見しながらそう言った


「…お主」

「いや本当にすいません!!まさかこんなことになるなんて」


それから桜があった事をマスターに説明していたら時間は刻々と過ぎていったのだった





時刻は午後5時少し過ぎ


「プレゼント…よし。」


桜はかまくらの中にプレゼントを隠してから家の中に入った


「ただいまー」


………


あれ?皆いないのか?

でもリビングは明るいよな


桜は疑問に思いながらリビングに入った


パンッ!!パンッ!!


「「「ハッピークリスマス!!(なのじゃ!!)」」」


桜めがけてクラッカーの紙吹雪か舞った


「おう!?ビックリした」


桜は少し後ずさってしまった


「大成功ですね」

「くふふ、秘密にしといて良かったのじゃ」

「ね。やっぱり秘密にしといて良かったでしょ」


どうやら三人は桜を驚かせようとしていたようだ


「で、その格好は?」


三人は皆ミニスカサンタの格好をしていた


それ、なかなか目のやり場に困るよな…


「テレビを見ていたらサンタクロースと言われるものが出てきたので作っちゃいました」


…水奈、君はどこを目指しているんだ?


「えへへ、スカートは慣れないね」

「わらわもこんなのは着たことないから恥ずかしいのじゃ」


二人は恥ずかしながらも。

水奈はニコニコスマイルで桜を見た


「クー君?」

「あ、うん。皆似合ってるよ」


三人はそれを聞いただけでテンションが上がっていた


「さ、まだ早いですが夕飯にしましょう?」

「わかっ…これまた凄い」


机の上にはローストチキンやサラダで作られた搭など見てて楽しくなりそうな料理ばかり並んでいた


「そうだな。冷ましたらあれだもんな」


…お昼食わなくて正解だったな


「いただきます」

「いただきまーす!!」


朱音は相変わらず豪快に料理を食べていく


「実はクー君からお金を貰ったのはこの料理を作るためだったんですよ」

「おお。渡しといてよかった」


桜も適度に会話をしつつ料理を口へ運んでいく


「兄上、ついとるぞ」


神楽の髪の毛がティッシュを持って口の周りに着いたソースを取ってくれた


「…これって恥ずかしいな」

「くふふ、兄上の恥ずかしがる姿は貴重じゃの」


と言ってる神楽の口にもついていたので恥ずかしがらせてやろうと取ると何故か喜ばれてしまった


…なぜ?


食後に水奈が作ってくれたケーキが出てきた


「水奈って本当に凄いな」


そこには見た目も完璧なホールの苺のケーキがあった


「では」

『いただきまーす』


皆、ケーキをむしゃむしゃと頬張っている


「クー君。楽しいですか?」

「うん。ありがとうね、水奈。…ついてるからね」


桜は口の端についていたクリームをとって上げた


「やった…」(小声)


水奈は心の中でガッツポーズを取っていた


「ん?何か言った?」

「いえ、なんでもありません」


こうして皆が上機嫌で食事は終わった





「そろそろだな…皆しゅーごー」


桜がそう言うと三人はすぐに集まった


「どうしたの?」

「ふふふ、クリスマスといえばこれだろ」


桜はカーテンを開けてわざとかまくらの中が見えるようにした。

(光の魔術も使って視界も大丈夫にしてある)


「おお!!」

「クー君まさか」

「ん?なんじゃ?なんなのじゃ?」


二人はプレゼントを見て喜び神楽はよくわかっていなかった


「クリスマスなんたからプレゼントがないとね」


桜はかまくらの中からプレゼントを1つ取り出した


「それじゃ、朱音!!」

「はーい!!」


桜は朱音にプレゼントを手渡した


「ありがとう、お兄ちゃん!!」


朱音がプレゼントを開けるとそこには石で出来たブレスレットがあった


「…綺麗だね」

「朱音に似合うかなってさ」


朱音は両手でブレスレットを握った


「ありがとう!!」

「どういたしまして。次は水奈」

「は、はい!!」


桜が持ってきたのは他よりも大きな箱だった


「大きいですね」

「いいから開けてみて」


水奈が箱を開けて取り出したのは大きなイルカのぬいぐるみだった


「いつか俺を抱き枕にしてたからこれがいいかなって」

「ク、クー君!!あれは忘れてください!!」


いや、あれは無理だろ


「でも…ありがとうございます。大切にしますね」


水奈もとても嬉しそうな表情になった


「さて、最後は神楽」

「待っておったぞ!!」


桜が持ってきたのは包装されてる小さめの箱とされてない箱だった


「えー、神楽には二個ー」

「違うって」


桜は神楽と同じ視線にしゃがみ包装されてない箱を開けた


「まず、これが皆着けてるから買ってきたんだ。

本部に行くときは着けてね」


桜はそう言って神楽に羽を型どった首輪をつけて上げた


「あ、ありがとうなのじゃ」

「で、プレゼントはこっち」


神楽が箱を開けるとそこには赤く大きめのカチューシャがあった


「神楽は髪の毛が長いからね。こういうのあれば便利かなって思って」

「嬉しいのじゃ…大切にするのじゃ」


神楽は少し涙声になりながらそう言った


「さて、プレゼントは終了!!

でも、クリスマスは終わってないし楽しもう!!」

「イエーイ!!」


皆、笑顔で手を上げてくれた


うん。これが我が家のクリスマスだ!!


その後も四人は騒ぎ続け。

騒ぎが終わったのは夜も更けてからだった



読んでいただきありがとうございます!!

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