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俺の知ってる日常はどこか違う  作者: Mgl5566l
迷い混んだ金色
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第41話≡肉まんって美味しいよね

4、5話投稿しようと思ったらお出掛けだよ

悔しいのぉ…悔しいのぉ…



「色々聞きたいこともあるだろうし話をしようじゃないか」

「それには同意じゃ」


桜は森から抜けた後女の子と小さな公園に来ていた。

桜は公園に着いた時には仮面やマント、霧の魔術(ミストダーク)を外していた


「ほい、ココア」

「ありがとうなのじゃ」


もう寒いもんね。温かいの飲まないとやってられないよな


桜はコーンポタージュの蓋を開けながら女の子から何を聞かれるか待っていた


「ふぅ…さて、まず1つ目の質問じゃ。

お主は人間でいいんじゃよな?」


…この娘もなかなか失礼な事言うよな


「俺はれっきとした人間だ」

「そうか…

では2つ目の質問じゃが、お主は何故わらわを助けたのじゃ?」


女の子は探りを入れるように桜を見た


「それは簡単な事。

お前がまだ生きたいって言ったから手助けした」


女の子はその答えを聞いてよくわからないような表情になった


「信用ならぬ。魔物は人間の敵じゃろう?」

「あー、うん。そうなんだけど…」


桜は必死に言葉を探した


「確かに人を殺すのが楽しくてやってる魔物は何にも思わないで倒せるけど。

俺の手が届くやつは助けてやりたいんだよ」

「偽善じゃな」

「むしろ自己満足だな」


桜は缶の中のコーンを取ろうと頑張っている。

くっそ、取れないんだよ、このコーン!!


「君は俺のわがままに付き合ってもらっただけ。

な?人間らしいだろ?」


桜はコーンを諦めて少し遠くにある缶のゴミ箱に缶を投げたが全然入る気配すらなかった


「下手じゃな」

「これでも元野球部なのにな」


桜は女の子に苦笑いを浮かべながら缶を拾ってきちんと入れた


「…3つ目じゃ。お主はこれからわらわをどうするんじゃ?」

「それはお前が決めること。

俺は俺の自己満足のために協力できる限りで協力するだけだ」


桜の解答は予測していなかったみたいで、女の子は少し悩みだした


「元の世界に帰りたいってもの多分協力できる」

「それは嫌じゃ。わらわはもうあっちの世界には帰りとうない」


となるとこっちの世界で生きるためには主を見つけるしかないんだよな…


「それじゃあこっちの世界で何がしたいんだ?」

「そうじゃの…皆でワイワイと暮らして…恋とかもしてみたいの」


…結構乙女だった


「そうなると主とか見つけなくちゃならないぞ?」

「そこなんじゃが…わらわは決めた相手に主になって欲しいんじゃ」


決めた相手か…うーん、難しいよな…


「…やっぱり夢になるのかの」

「そんな事はないと思うが…難しいよな」


女の子はどんどんと沈んでしまっている


「ま、悩んでても仕方ないし次にいくか。まだ聞きたい事ってあるか?」

「お主はお節介じゃの…お主名前はなんと言うんじゃ?」


…そう言えばまだ自己紹介もしてなかったか


「俺は桜。君は?」

「わらわは八岐大蛇(やまたのおろち)と言われておる」


おお、日本神話の有名どころじゃん


「んじゃ大蛇ちゃんでいいかな?」

「わらわは桜と呼ばせてもらうぞ」


よし、だいぶこの娘も心を開いてくれたな


「他にはある大蛇ちゃん」

「そうじゃの…桜のこっちでの暮らしを聞きたいの」


桜は驚きながらも女の子―大蛇―にこっちの生活の事、思い出とかを話した


「…桜はやっぱり奴隷持ちじゃったか」

「まぁね、半強制で契約したけど」


なんか知らず知らずのうちに契約してたからな


「ま、それでも今は、朱音や水奈と一緒に楽しく生活できるからいいんだけどね」

「あかね?みな?」


…別にいっか。話しても漏らすとかないだろうし


「二人とも俺の奴隷だよ。朱音ってなが初めての奴隷。水奈が二人目の奴隷。今は二人とも家族だけどな」

「お主複数の奴隷を持っておるのか!?」


うん。これが当然の反応だよね。知ってた


「訳あってね」

「そうか…そうなのか…」


大蛇は何かを悩み始めてしまった


「桜、わらわの頭を撫でるのじゃ」


大蛇はそう言うと桜に近づいた


え?なんで?


「ほれ、早く撫でるのじゃ」

「お、おう」


桜は言われるがまま大蛇の頭を撫でた


「うむ。やはり桜の撫で方は気持ちが良いのぉ~」

「それ誉めてんの?」


撫で方は朱音がうるさいからな…

撫でスキルが上がるって誰特?


「勿論じゃ…桜、お主わらわと契約せぬか?」

「いきなりどうした?」


桜は大蛇の頭を撫でながら聞いた


「こんな気持ちのよいものを持っている上にわらわの夢も叶う…ダメかの?」


…女の子の上目遣いは法で裁くべきだと俺は思うわけだ。

まあ、確かに大蛇ちゃんの皆でワイワイと暮らしたいっていう夢も叶う訳だしな…


「大蛇ちゃんはそれでいいのか?」

「うむ。わらわはお主の奴隷なら構わぬと思ったのじゃ」


俺についてくれば楽しく暮らせるもんな


「後悔とかしないか?」

「もう決めたのじゃ。後はお主がどうしたいかじゃ」


ま、そういうことなら俺の解答は決まってるんだよな


「よろしくな、大蛇ちゃん」

「うぬ。よきにはからえじゃ」


桜は小さいナイフを作って自分の手のひらを切ると大蛇にナイフを渡した。

大蛇も自分の手のひらを切り血を流した


「それじゃ始めるか」

「う、うむ」


桜と大蛇は切った手を合わせた


「俺は八岐大蛇を奴隷として認める」

「わらわは桜を主として認めようぞ」


桜と大蛇の混じりあった血が桜の手の甲に流れていき光りを放った


「ふぅ…終わりかな。これからよろしくね大蛇ちゃん」


桜の手の甲には×印に槍と杖が描かれその後ろに開いた扇が描かれていた


「そうじゃな。これからよろしく頼むぞ。我が主殿」


大蛇は少しばかり浮かれているが何故浮かれているか、桜は知らない


「あ、そうだ。大蛇ちゃんの名前」

「わらわは八岐大蛇じゃぞ?」

「それは種族でしょ。俺が言ってるのは名前だよ」

「おお!!なんだかワクワクじゃ!!」


大蛇の期待の眼差しで桜にプレッシャーがかかる


えーと…蛇ってたしか『神』と繋がりが深いから…えーと


神楽(かぐら)?」


神という漢字が入ったという安直な理由で思い浮かんだだけである


「おお!!響きが気に入ったのじゃ!!わらわはこれから“神楽”を名乗ろうぞ!!」


大蛇ちゃん―神楽―は名前をもらってさらにはしゃぎ始めた


「さ、名前も決まったしそろそろ帰ろうか」

「あのー…主殿…

わらわは少しばかり腹が…」


あーそう言えば俺も肉まん食いたかったんだったな


「んじゃ、食えるもの食ってからにするか」

「うぬ!!」


桜は近くのコンビニで肉まんを2つ買って公園に戻ると待っているのに飽きたのか石でおはじきをしていた


髪を使って


「神楽、それなに?」

「ん?これかの?」


神楽の髪の毛はまるで意思を持っているかの用に動いていた


「これは蛇の血が流れているものならできるんじゃ。

成熟すれば人を殺める事くらいは雑作もなくなるそうなんじゃが」


神楽はそう言って髪の毛で石を投げた


「わらわはまだこれしかできないんじゃ」

「いやいや、それだけで十分に凄いから」


それがあれば背中洗うのにも苦労しなくてすみそうだし。

…なんと便利な事か


神楽の顔には確かに影が入っていた


「そんなお世辞を聞くために使ったんじゃない」

「お世辞とかじゃなくて普通に凄いって思ってるんだよ。

それがあれば日常生活でどれだけ楽になるか」


桜がそう言うと神楽は少しだけ顔を上げた


「例えばどんな楽ができるんじゃ?」

「背中洗うのにも楽できるし。

物を拾うのも楽できる。

作業を一斉に片付けたりもできるじゃん。

なんと、羨ましい事か」


結局は無い物ねだりなんですけどね


「そう言ってくれたのは主殿が初めてじゃ」

「そうか?俺としては羨ましい能力だけどな」

「周りからは気味悪がられていたからの…主殿、ありがとうじゃ」


その時の神楽の表情は穏やかな笑顔だった


「…さて、こっちにいる間は神楽と俺は奴隷と主にしてもらってもいいか?

勿論家に帰ったら自由にしてもらっていいから」

「勿論じゃ。わらわは主殿に従うぞ」


神楽は肉まんを食べ終わり桜の影に入った


「…バレてないといいだけど」


桜は友人の家に急いだ





友人の家に着くと幸い友人も爆睡しており桜に気づくことはなかった。

桜もその日はすぐに寝た。

次の日、寝不足になりながらも友人と遊び盛岡に帰る時刻になった


…なんか大変な事になってた気がするけど

…ま、いっか


桜は電車に乗り仙台旅行は幕を閉じた





車内にて


「主殿、まだかの?」


影から頭だけだした神楽が言う


「後少しだからもうちょっとだけ待ってくれ」

「わかったがまたあのにくまんとやらが食べたいぞ」


次は種類くらい選ばせてやるか


「わかった。いい子にしてたら買ってあげるから」

「了解なのじゃ」


…さて、朱音達に神楽をどう説明しようかな

読んでいただきありがとうございました!!

誤字脱字がありましたら報告お願いします!!

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