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第30話≡順応できるって凄いね



「いやーこれは気持ちいいな」


桜は屋根から屋根へと素早く飛び写り家に帰っていた。

しかし、そんなことをしていても誰も気づかないし気にも止める人はいない


まさか遊び半分で作ったこの魔術が使えるなんて


それは数日前の教室でのこと


…暇だな


四時限目、桜は三時限目に寝たため目が冴えてしまい暇な時間と戦っていた


ノートとるにしてもな…

はぁ…暇だ


桜は理科だけはテスト前に友達にノートを貸してもらい丸写ししていたため書こうとすらしていなかった


…新しい魔術でも作るか


桜は教科書、ノートだけは開いて、授業してますよ感を出して他の事をすることにした


…ばれないのは光、闇、風、くらいか

使ってない光の魔術でも組んでみるか


桜は強い光を放つときを考えて手のひらに光を吸い取る闇の魔術を組んでから始めた


消ゴムにかければ早いか

光…光…あ、もしかしたら姿を隠すとかできるんじゃね?


桜は目標を見つけて光の魔術を組んだ


これだと…うお!?…あぶねぇ


消ゴムは強い光を放ち始めたため桜は急いで闇の魔術が組み込まれてる手で握った


…ふぅ、危なかった。

でもこれがフラッシュ的なものだってわかったから…


桜はその後も魔方陣をいじくりながら授業残り潰した

その結果


か、完成した


桜の手元には何もなく手のひらだけが見えていた


この魔術の名前は…


「『透明化(インビシブル)』最高ー!!」


桜は暇すぎて作った魔術で、はしゃぎながら家に帰った





「たっだいまー」


桜は上機嫌で家の扉を開けた


「おかえりなさい」

「お兄ちゃん、私もあれやりたい!!」


影から二人が飛び出して桜にそう言った


「インビシブルは人にもかけれるってわかったから今度行こうな」

「うん!!やったーお兄ちゃんと夜のお出掛けだ!!」

「クー君、あんまり朱音を甘やかさないでください」


ありゃ、怒られちゃったか…甘やかしてるつもりはないんだけどな


「水奈はお兄ちゃんに構ってもらえなくて寂しいんだよねー」

「ち、違いますよ!!クー君に変に迷惑をかけたくなかっただけですよ!!」


…そこまで全力で否定されると軽く凹むんだが


「水奈、お兄ちゃんが凹んじゃってるよ?」

「ああ!!す、すみませんクー君!!」

「大丈夫だよ。うん、大丈夫」


俺にはいつ春が来るんだろう…


「わ、私はクー君の事…その…好きですから!!」

「ありがとうね水奈。俺も水奈の事好きだよ」


恥ずかしながら言う水奈に満面の笑みで桜は返した


「…クー君はわかってません」

「え?何が?」


その答えに水奈だけでなく朱音もため息をついた


あれ?なんか俺間違ったかな?


そんな事を玄関でしていると外から物音がした


「ついたみたいだから朱音と水奈はお茶とかお願い」

「はーい」「わかりました」


桜が外に出てみると聖と萩がついていた


「なんでお前の方が早いんだよ!!」

「聖が途中で迷子になったからだと思う」


こいつ本当に方向音痴だよな


「お前が言えるか?」

「心を読むなよ」

「口に出てたぞ」


マジか。直さないとな


「ほい、自転車パス。

先に家の中に入ってて」


桜は聖と自転車を停めてから家の中に入った


さて、明日は学校午前で終るしちょっとは長めに話でもするかな


桜達がソファーに座ると聖の影からジャイアントが出てきて聖の膝の上にちょこんと座った。

そして水奈と朱音は今いる人数プラス1の紅茶を用意した


「さ、ここなら出てきてもいいぞ。てかそうじゃないとわかんない事が多いし」


桜は萩に向かってそう言った。

萩はポカーンとしたままだ


ま、それが一般的な反応だな


すると先程まで聖と戦っていた女の人が影から現れた


「え?え?」


さてここからは想像を絶する説明だな


「まずは君の主に説明するからその後でもいいか?」

「はい。大丈夫です」


女の人はそう言うと地べたに座り紅茶をのみ始めた


ま、いっか


「いいかこれからいうことは本当だがたぶん信じられないと思う」


桜のその言葉に萩は真面目に頷いた


ま、俺も信じられなかったしな


桜は聖と一緒に魔術師について実際に魔術を使いながら話始めた





「ってな訳だ」


桜達の話を聞いて萩は俯いたままだ


ま、こうなるのはわかってたさ

こんなことにわかには信じがたいもんな


「信じられないのも仕方な」

「最っ高じゃないか!!」

「だよな…あれ?」


あれー?なんでこの子すぐに信じられてるの?


「なんだよ!!そんな面白い事になってたのかよ!!」


ダメだ。この子順応早すぎる…


「で、君が僕の奴隷でいいの?」

「はい!!」


萩が女の人に聞くと女の人は満面の笑みになって萩に抱きついた


「おお!?」

「うふふ」


女の人に抱きつかれて赤面する萩


それを見たジャイアント、朱音、水奈はハッとした顔になった


「お兄ちゃん!!」

「グベラ!?」


朱音が座ってる桜にめがけて頭から突っ込んできた


だから朱音はなんで毎回鳩尾を…


「あ、朱音。だから鳩尾は」

「お兄ちゃん♪えへへ」

「朱音何してるんですか!!…私も!!」


倒れる桜に抱きつく朱音。

それを見て反対側から抱きつく水奈


…おお!!ここは天国か


「…ハッ。離れてくれ二人とも!!」

「なら今晩は一緒に寝る?」

「わかったから!!それでいい…は?」


桜は恥ずかしさのあまり朱音達の言ったことをよく聞かずに承諾した

そして桜の答えに喜んで離れる二人


「あのー二人とも?」

「最近寒いですからね」

「お兄ちゃんに二言は無いよね?」


…なんだろう。逃げられないぞ


桜はそんな事を思いながら起き上がると女の子慣れしていない二人とも固まっていた


「ごほん!!話をしよう」


桜がわざとらしく咳払いすると二人とも動き出し奴隷たちを剥がして話を聞く体制になった


「まず、君はどうして萩を誘拐したんだ?」


桜は自分達が攻撃された理由は知っていたが萩を誘拐した理由は知らなかった


「それは…一目惚れです」

「「…は?」」


予想外の答えに桜と聖はなんとも言えない声を出した


「私はご主人様に一目惚れしてしまったんです」

「「………」」


その場の皆は女の人の話を黙って聞いていた


「あの時あなたに追いかけられる前にご主人様を見つけまして…その時…」ポッ


女の人はわかりづらいが確かに頬を染めていた


「素晴らしいです!!」


その話を聞くと水奈が女の人に賛同して朱音やジャイアントも頷いて同意している


女の子はこういうラブロマンスが好きだもんな


「それに狂化もしたくありませんでしたから」


ん?狂化?なにその新しい単語


しかし桜には女の子達の雰囲気からそんなことを聞く勇気は持ち合わせていなかった


…いいや、後で水奈に聞けばわかるだろ


「なるほど、君が萩を誘拐した理由はだいたいわかった

あ、そう言えば自己紹介がまだだったな俺は桜。好きなように呼んでくれ」

「私は亡霊。よろしくお願いしますね」


ぼ、亡霊?


桜達が呼び方に困惑していると萩が助け船を出してくれた


「一説では亡霊をゾンビと言うところもあるらしいぞ」

「なるほど。ならこれからはゾンビちゃんと呼ばせてもらおうかな」

「どうぞ。好きなように呼んでくださいね」


桜が紹介を終ると聖も自己紹介をすませた

全員の紹介も終わり一段落がついとき桜は女の人―ゾンビ―に一番聞きたかった事を聞いた


「で、ヒーローズの事だが…」

「桜様、あたしが知っているのは僅かですがそれでも…」

「ああ、全然構わない」


桜の声色に皆にも大切な事だとわかったようだ


「まず、英雄(ヒーローズ)は自らを正義だと思い込み行動しています。

そのせいであたしも追われる身となっていました」


思い込みとか本当にたち悪いな


「彼らは正義という言葉を盾に色々な悪事を働いたため今では手配犯になっているはずですが一般的には勇者“フレイム”以外はよくわかっておりません」


ん?一般的には?


「ゾンビちゃん、一般的にはって?」

英雄(ヒーローズ)には後、

狂者“エクスプロージョン”

僧侶“アクア”がいます」


うーん、そこまで多くないといいんだけどな…


「他には獣操者“ボルケーノ”

狙撃手“ライトニング”

暗殺者“ミスト”などもいますね」


ゾンビが言ったことに水奈が付け足すようメンバーの名前を言った


うわー、それだけでもう6人はいるじゃん


水奈がゾンビに付け足したためゾンビが怪しそうに水奈を見る


「…あなた、何故そんなに詳しいの?」

「…私の元主が勇者“フレイム”だからです」


そういう水奈の表情はどこか優れない


「なら、あなたの今の主はどこにいるのよ?」

「ん?水奈の主なら俺だが」


桜はそう言って手を挙げた


「嘘よ!!それならあなた二つの奴隷を持っていることになるじゃない!!」

「まあ、現に二人の奴隷を持ってるからな」


桜がそう言うと聖と朱音、水奈以外は驚きの表情をしていた


「ほらその証拠に」


桜が手の甲にマナを送ると槍と杖がクロスしている烙印を見せた


「な?理由はそう言うアイテムだって事だと話が早い」


すると皆はアイテムならとわかってくれたようだ


「で、桜。その英雄(ヒーローズ)ってなんなんだ?」


あー、聖にはその話してなかったか


桜は聖達にフレイムに関する事を教えた


「…それなら恨みがあっても仕方ないな」

「だろ?」


時刻は8時

英雄(ヒーローズ)の話も終わりその場に話すことの無いような雰囲気が流れ出した


「んじゃ、そろそろ帰らないと五月蝿いのがいるから俺は帰るな」


聖はそう言って立ち上がる


「あれ?お前って…」

「親が一旦帰ってくるからな。俺がいないと五月蝿くなるだろ?

ほらジャイアントも影に入って」

「うん。ばいばい」


ジャイアントはそう言うと聖の影に入っていった


ああ…聖のところは色々と大変だもんな


桜は聖を玄関まで送った


「失礼しました」

「また来いよー」

「当たり前だ」


…ただいまなんて言われる日もそう遠くないかも


「それじゃ僕も帰るよ」

「おう、サラダバー」

「ご主人様、今日はイチャイチャ、ネチョネチョしましょうね?」


目で助けを求める萩に桜は苦笑いしか返せなかった


…はぁ、濃い一日だった


皆が帰った家はどこか静かになっていた


なんか一気に静かになって寂しいな…


「うふふ、今日はクー君と寝れるんですね」

「うん!!抱きついてもOKだね!!」


そう思ったのは一瞬だった


「…水奈ご飯よろしく」

「私もお腹減ったー!!」

「わかりました。少し待っていてくださいね」


そして桜の日常は変わらずに進んでいく

読んでいただきありがとうございました!!

誤字脱字がありましたら報告お願いします!!

感想くれたら喜びます!!


次回!!やっと計画してたキャラ設定を出したいと思います

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