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第28話≡皆まで言うな、わかってるから

今回ちょっとは進みます



その日の夜

桜は自分の部屋で魔法石を見ていた


「…単純に石の中にマナが詰まってるのか」


…これってそこら辺の石でもいいのか?


桜は他の人を起こさないように庭に出て小さい石を一つ手に取った


これにマナを容れれば出来たりして


桜は石にマナを注いだ


「…はぁ、そんな上手くいかないか」


桜がマナを注いでも石の周りをマナが辿るだけで中には入らない


…なんか邪魔してるのか?


桜は石をよく観察すると石の中は土のマナで満たされている事がわかった


「…これを抜けばいいとか?」


桜は石を土のマナで覆った

少しすると石から土のマナが染みだしてきた


「おお、上手くいきそうだな」


桜はちょっとだけマナを濃くすると染みだすマナの量が増え最後には染み出さなくなった


さて、ここからが本番だな


桜は風のマナを石に注いだ


「……おお?」


すると石は光だし薄く灰色の混じったような緑色の濁った結晶に変わった


「おお、これで完成か?」

「クー君、何してるんですか?」

「ゲリラ!?」


桜は突然後ろから水奈に声をかけられてビックリした


「ゲリラ?」

「…水奈どうしたんだ?」


桜は何とか落ち着きながら水奈に質問した


「お手洗いに起きたら庭にクー君が見えたので。

あ、それDランクの魔法石ですか?」


へー、この濁りかただとDランクなんだ


桜の手元をみて暗い緑色の結晶を見つけた水奈は桜に聞いた


「それどうしたんですか?」

「ん?造った」

「造った!?」


桜の言葉に驚きの声をあげる水奈


「まあ、これを元にしてだけど」

「…それはAランクの魔法石ですよね。

じゃなくてどうやって造ったんですか!?」

「えーと、石の中のマナを取り除いて注ぎ込んだらできた」


それを聞いた水奈は数秒おいて頭を抱え込んでため息をついた


「忘れてました…クー君は色々とおかしいんでしたね」

「おかしいとは失礼な」


ちょーと、マナの量が多くて、実質アイテムが3つあるだけじゃないか


「でもこの魔法石は風属性ですね。しかもランクが低いですね」

「水奈って魔法石について詳しかったりする?」


もしかしたら水奈が何か知ってるのか?


「少し位は…

魔法石は色別に属性が別けられています。

しかし一般的に出回っている属性は無属性ですね」


…ん?無属性?


「水奈、無属性ってなんだ?」

「確か、四属性が均等に入った魔法石が無属性と言われ白くなるそうです。

これが白い魔法石が高いと言われてる由縁ですね」


確かに四属性を使えるやつはいないらしいもんな


「白い魔法石を造る場合は色々な人を回って白くなるそうです」

「ああ…均等に容れるのは難しいもんな」


そりゃ値が張るわけだ


すると水奈は暗い色の緑色の結晶を指差した


「クー君、それを上手く容れれるようになれば白い魔法石が造れますよ」

「水奈、その白い魔法石って誰でも使えるのか?」

「はい。無属性はどれにも染まっていない。 どのマナでもないものですから、どなたにも使えるかと思います」


よし、それなら造ってみるか


桜は風のマナで覆い中のマナを吸出した


「…クー君は本当規格外ですね」


桜の手元には石が握られていた


「そういえば、どうしたらランクが分かるんだ?」

「これは魔法石全て共通みたいなんですが、

ランクが低いと灰色、

高くなると白く、

その黒になります」


あー、だから濁った緑色だったのか


「なるほど。ありがとう水奈」


桜は水奈から説明を聞くと闇のマナを石に注いだ。

石は灰色になり注ぐにつれて白くなっていくが白くなっていくスピードが遅い


「うーん、なかなか白くならないな」

「当たり前ですよ。職人ですら1ヶ月以上かけて白く濁るレベルになるんですから」


あ、これって時間かけるようなものだったんだ


桜は注ぐ量を増やした


「おお」

「…はぁ」


魔法石は少しだけ濁った白になった


「水奈、これって今どれくらいのランク?」

「今Bランクです」


Bか…ま、これくらいでいいだろ


桜は魔法石をBランクで止めた


「クー君、それで止めていいんですか?」

「Aランクの魔法石もらったのにAランクを返しちゃ失礼な気がしてな」


桜は水奈に魔宝石をもらうまでの過程を話した


同じもの返しちゃな…


「そんな事が…

でしたらBランクでも十分高価な贈り物ですから大丈夫でしょう」


それなら大丈夫だな


桜はまた小さな石の中の地のマナを抜いた


「クー君、また造るんですか?」

「まー…ね!!」


桜は今までより濃く闇のマナを注いだ


「…うわー、めっちゃ疲れる」


ま、すぐに回復するんだけどね


「…クー君、魔法石を見せてください」

「ん?ほい」


水奈に魔法石を見せると少し濁った白い魔法石があった


「クー君、早すぎます」

「まあ、これぐらいしか出来ないし」


そういいながらマナを込めるとどんどん白くなり真っ白になった


「…次は黒だっけ?」

「そうですね。私の国の国宝だったので覚えています」


次に造るのは国宝級なのか…


「私も造られる行程を見るのは楽しみです」

「あはは。ま、気長に行こうか」


桜はそう言いながらもマナを込め続けると白い石の中に灰色の模様が浮き出てきた石がゆっくりと出来ていく


「あー、やっぱり遅いな」

「でもSランクの魔法石ってこんな風に出来ていくんですね」


それからはゆっくりと黒い模様が浮き出てきた


「…水奈、温かい紅茶お願いできる?」

「はい、わかりました」


水奈は桜に言われた通り紅茶を準備してくれている

桜はその間もマナを込め続けるたがゆっくりとしか進まなかった


「クー君、紅茶できましたよ」

「ありがとう」

「今どれくらい進みましたか?」

「これくらい」


水奈に見せた魔法石は白黒のくっきりとしたマーブル模様になっていた


「後、半分位ですかね?」

「…その半分が長いんだよ。

…はぁ、うめぇ」


桜は紅茶で癒されながらも作業を始めた


「さて、頑張りますか」

「ファイトです」


桜はさっきよりも濃く闇のマナを注いだ


…つれぇ…でもそろそろ寝たいんだよな


桜がどんどんとマナを注いでいくと白黒の白がだんだんと灰色になっていった


「クー君、後少しです」

「りょうか…い!!」


一気にマナを注いだ。

すると魔法石は光を放ち収まった


「完成…かな?」

「凄いです…本当にできてますよ…」


魔法石は光を反射する真っ黒な澄んだ石になっていた


澄んだ「さて、これで完成だな」

「…改めて思いましたけど」

「うん、わかったから言わないでくれ」


俺は規格外なんだろ、わかってるって


「あ、水奈これやるよ」

「わわ」


桜がそう言って投げ渡したのはアヌビスからもらったAランクの魔法石だった


「俺はまた造るから水奈が使っといて」

「…ありがとうございます」


桜はそう言いながら紅茶をゆっくりと飲んでいた


「…クー君、その…」

「どうした水奈?」

「体が冷えてきたので…紅茶を頂いてもよろしいですか?」


水奈は頬を真っ赤に染めながら桜に言ったがとうの本人はそれに気づいていない


「いいよ」

「…これが」


桜からマグカップを受け取った水奈は何かを吟味するようにしてから飲んだ


「さて、今日は寝るか」

「は、はぃ…」


ボケーとする水奈を連れて桜達は家の中に入った





次の日の放課後

桜は聖を呼び出していた


「まずはこれをアヌビスさんに渡しといて。ありがとうございましたって」

「わかった」


聖に手渡したのは昨日造ったラッピングされたBランクの魔法石だった


「んで、次はこれ」

「なにこれ?」


聖に渡したのはSランクの魔法石だ


「魔法石だ。これはジャイアントちゃんと遊ぶとき以外に使ったら……ね」

「マジでか!!

…ありがとうな、桜」

「気にすんな」


桜は聖にそう言って自転車を準備した


「で?今日はどうするんだ?」

「やりたいことあるから(しゅう)の家かな」


(しゅう)

聖と同じクラスのオタ仲間で桜も聖を通じて知り合った。

いつものメンバーでは一番PCに詳しい人だ


「それじゃ今日は俺もそっちいくか」


家近いし


「二人にはいいのか?」

「…怖いから言ってから行くよ」


二人に話さないで遊ぶと何されるかわかんないからな…


桜は朱音と水奈に遊びに行くことを話して萩の家に向かった


テレテレテレーテレテレテー♪


「…うちもファミマにしてもらおうかな」


ダッダッダッ…ガチャ


扉を開けてくれたのは桜達の友達でもある萩だった

そして萩が開けてくれたって事は家に入ってもいいという暗黙の了解ができている


「ただいまー」

「挨拶おかしいよね!?」

「いつものことだから気にしなーい」


二階に上がり萩の部屋に入るとすでに聖がマイクラで遊んでいた


「よく許してくれたな」

「休みの日に遊びに行くことを条件にな」


桜が遊びに行きたいと言ったら朱音がずるいと言い出し、休日に遊びに行くと言ったら二人とも笑顔で送り出してくれた


「リア充が!!」

「なりてーよ!!」


家族は恋人じゃないんだよ!!


すると聖はため息をついてPCに向き直りマイクラを始めてしまった


えー、俺が悪いのかー


聖がこういう態度なのはいつものことなので桜も自分のすることをした


さて、今日も今日とて育成じゃー!!


すると萩も部屋に戻ってきた


「何すんの?」

「モンファー4」


家にハードがないから出来ないんだよな


聖はマイクラ

桜はモンファー4

萩はガンダムを各自で始めた


うん、いつも通りだな





萩の家でまとまりのない事をしていると時間も6時となり辺りも暗くなってきた


「そろそろ帰るか」

「んじゃ俺も」

「おう、帰れ」


桜も聖も荷物をまとめている時


ガッシャーン!!


「な、なんだ!!」

「!?敵襲!?」


窓から入ってきたのは肌の色の悪い女の人だった


この人もう紫じゃん。人間じゃねぇ……魔物?


ポカーンとしている三人をよそに女の人は萩に視点を合わせた


「みーつけた」


女の人のその言葉で桜は呪縛から解かれたように動けるようになった


「やべえ!!聖、萩を!!」

「わ、わかった!!」


桜と聖は部屋の中、女の人が萩に近づけないように立ちふさがった


「うふふ」


女の人は桜に突っ込んでくる


「こ…は?」


女の人の体はスライム化し桜、聖もすり抜けて萩の前まで来てしまった


「え?え?」

「さあ、一緒に行きましょう?」


そう言うと女の人は萩の手をとった

すると強い光が二人を包んだ


くっ、やられた。目が潰されたか…


光が収まり目が回復した桜と聖が萩がいた場所をみると


「…おい、桜。これって嘘だよな」

「……夢なら最高だな」


そこには人の頭の骨だけが静かに置かれていた

読んでいただきありがとうございました!!

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