第21話≡新たなお仲間その名も…
私は純水の都と呼ばれるの国の女王の娘でした
私はよい女王になろうと小さい頃から勉強等を頑張りました
魔法も使える歳になると水の魔法を使えることもわかり次期女王として期待される事もありました
周りから女王として期待された私ですが心だけは満たされなかったのです
周りは私を女王としてしか見てませんでした
お母様ですら私を女王としてお父様に関しては私を利用できる駒としか見ていなかったでしょう
女王と期待される生活も悪くありませんでした。でも私は新たな世界で私が私として見てくれるような世界を望み始めました。
そんな時異世界の噂を耳にしました
そんなある日です。私が街に市民の声を聞きに行った時の事でした
路地裏にあの次元魔術が現れ私はその門に導かれるようにくぐってしまったのです
その先にあるものは私の望んだ天国のような世界だと思っていました
「君が僕の奴隷か…よかったね」
でも、違いました。
そこは前の世界とは何も変わらない…いえ、それよりも酷いものでした
視界の先にいたのは明るい部屋に人間―勇者フレイム―が居たんです
そこから先は地獄のような生活でした
死体の処理や他の英雄の世話
そこで私は感じ取ったのです
…私はもう犬と同じような扱いしかされないんだ
勇者には何度も騙され他の人間にも騙されもう人間が信用できなくなりました
そして勇者がレアな魔物を手に入れたからと私との契約を無くすといってきました
その時に連れてこられたのがこの銀狼です
ウンディーネはそう言いながら朱音の頭を撫でた
でもこの子は勇者から逃げました
きっとこの子も、人間の黒い部分を見たんでしょうね
そして逃げた先にご主人様がいて殺してしまいました
…あの勇者だかってやつ…許せねぇな…
だいたいあいつのせいじゃねーか
「ご主人様、謝っても許されると思っていません。
ですが…あの時はすみませんでした」
ウンディーネはそう言い頭を地面に着けて謝ってきた
「ウンディーネちゃん、頭上げて」
「ですが!!」
「ウンディーネちゃんが悪い訳じゃないよ。あの勇者だかっていう馬鹿が悪いんだから」
それでもウンディーネは頭をあげようとしない
「止めてくれよウンディーネちゃん。俺はウンディーネちゃんに謝って欲しいなんて思ってないよ」
「でも私に非がない訳ではありません」
うーん、どうすれば…主の権限でも使うか…
「だったら俺がウンディーネちゃんを許すよ」
「そ、そんな!!」
「俺はウンディーネちゃんを恨んでないよ。むしろ感謝してるよ」
「…感謝?」
そこでやっと地面から額をあげてくれた
あーあ、おでこに土なんて着けちゃって
「そうだよ、ウンディーネちゃんが色々してくれなかったら俺は今頃朱音とも会えなかったからね」
桜はそう言いながらウンディーネの土をほろってあげた
「でも俺はその話を聞いてウンディーネちゃんをお姫さま扱いする気なんてないんだよね」
そう言った時ウンディーネの表情に怯えが入った
「俺にとって皆は家族なんだ、奴隷とかお姫さまとか関係無いんだよ」
「…私も…家族になって…いいんですか?」
ウンディーネは涙声になりながらそう言う
「俺のところではお姫さま扱い出来ないけどそれは覚悟してくれよ」
「信用しても…いいんですか?」
あんな仕打ちされてたんだ人間不信になって仕方ないよな
「信用する、しないはウンディーネちゃんの自由だよ。
でも俺はこのスタンスを変えるつもりはないよ」
桜は朱音の頭を撫でた
それにしても朱音の頭の撫で心地はいいな…家でも撫でさせてもらうか
「…ご主人様、でしたら私にも名前をもらえないですか?」
「名前?」
「はい、銀狼に朱音とつけたように私にも名前をください!!」
ウンディーネはそう言い桜に迫っていく
って近い!!近い!!耐性ないんだからそう言うのは止めろー!!
「ウンディーネちゃん、落ち着いて。ちょっと離れよう」
「…ご主人様は私の事が嫌いなんですか?」
そして涙目になるウンディーネ
「違うって…えーとそうだ!!名前だったね…えーと」
桜は無理矢理、話をそらしてウンディーネが泣かないようにした
ウンディーネだから…水…水……そうだ
「水奈なんてどうだ?」
「みな…ですか…みな…」
ウンディーネはそう呟いて考え込んだ
うーん、ダメかな?
「いいですね気に入りました!!」
「よかった…それじゃこれからよろしくな水奈」
「はい!!」
桜が差し出した手を微笑みながら握ったのだ
「さて朱音を起こしてから…朱音起きろー」
桜は朱音の頬をペチペチと軽く叩いた
「んん……すぅ…すぅ…」
気楽なものだな…
ま、別に急ぎの用事なんてないけど
「全く…私に任せてください」
ウンディーネ―水奈―は空中に水の玉を創り朱音の額につけた
「ひゃー!!なになに!?」
水奈のおかげで飛び起きた朱音は桜と水奈を交互にみた
「おはよう、朱音」
「…えーと、はっ!!敵は!?」
朱音は座りながら体制を立て直して周りを警戒し始めた
「朱音大丈夫だよ。ガーゴイルは倒したからね」
朱音は周りをキョロキョロと見回した後に警戒を解いた
「朱音さん、すみませんでした。私を庇って…」
「気にしないでよ、私はやれる事やっただけだから」
あっちでなんとかなってるみたいだな
「さて、疲れたし帰ろうか」
「はーい」「わかりました」
桜は目隠しやら仮面やら着けてから短剣を使って本部に戻った
「あ、クーさん早いですね」
『まあね。終わったからその報告に』
すると桜の影から水奈が出てきた
「失礼を。ご主人様、大切な事はちゃんといってください」
「…大切な事とは?」
水奈が出てきた時周りの雰囲気が一気に変わった
「報告書には一匹と書かれていましたがガーゴイルは二匹とアイアンゴーレムが一匹出現しました」
ネネはそれを聞くとビックリしたように目を見開いた
「クーさん、怪我は?」
『まあ、皆のおかげで怪我無し』
「よかった…怪我には気を付けてくださいね」
『善処するよ』
桜は報告を済ませてマスターの部屋に向かった
コンコン
『入っていいぞ』
…話せないじゃん
桜は無言のままマスターの部屋に入った
「なんじゃお主か、仮面を外していいぞ」
桜は仮面と目隠しを取って素顔を見せた
「ふぅ…」
「それでどうしたんじゃ?」
「いやマスターが眼帯とか持ってないかな?って思いまして」
桜は拘束具を色々と買っていたマスターならもしかして、と思って部屋に訪ねた
「眼帯なら持っておるぞ。わしは使わんからお主にやるわ」
「おお、話が早い。ありがとうございます」
桜はマスターから眼帯をもらった
「さて、ギルドカードの更新じゃったな。カードを渡すのじゃ」
桜はマスターにギルドカードを渡すとメイドさんが奥に持っていった。
数分すると青いカードを持ってきてくれた
「ほい、これで更新は終了じゃ」
はやっ…もう少し長いものだと思ってた
「今はコンピューターの時代じゃからの、早く済むのじゃ」
おお、IT化がこんなところまで
その後もマスターと色々と話し家に帰ることになった
「ただいまー」
「疲れましたね」
「今お風呂温めるからちょっと待ってね」
皆汗かいたし疲れただろうしな
「あ、私がやりますよ」
「いいって、温めるだけだから」
桜はひとまずテレビをつけて温まるのを待った
「二人とも先に入っていいからな」
「本当?ありがとう!!」
「いいんですか?」
朱音は喜び、水奈は不安そうに桜を見た
「俺は最後でいいから」
そう言えばシャーペンがどっかに消えてたんだっけか
桜はそう思って適当な服に着替えて出かける準備をした
「どこかにお出かけですか?」
「ちょっと買い物にね。なんか欲しいのある?」
「いえ、とくには」
「わかった、んじゃ行ってくる」
「いってらっしゃい」
桜は近くのスーパーでシャーペンや消しゴム、アイスを買ってから家に帰った
「ただいまー」
「お帰りご主人様。何買ってきたの?」
「シャーペンとかかな」
「しゃーぺん?」
桜はアイスを冷凍庫に入れてから紙にシャーペンをはしらせた
「おお、人間って意外と凄いんだね」
「あ、後俺、明日から出かけるから」
流石にこれ以上学校休むのはな…
「え?ご主人様、それって」
「ご主人様お風呂上がりましたよ」
声が聞こえた方を見るとぽかぽか姿の水奈がいた
「んじゃ入ってくるよ」
桜はささっと風呂に入って上がるとまだ二人は寝ていなかった
「あ、二人ともアイスあるけど食べるか?」
「あいす?」
「何ですかそれは?」
桜はイチゴ、バニラ、チョコの三種類のアイスを出した
「冷たくて甘いお菓子かな?」
「お菓子!?食べる!!」
朱音はバニラのアイスを取って食べ始めた
「ご主人様、これ美味しいよ!!」
「それならよかった。さ、水奈も選んで食べるといいよ」
「では、私はこれを」
水奈が選んだのはイチゴのアイスだった
「…美味しいですね」
「これ風呂の後だと美味しいんだよね。朱音一口食べる?」
「もらうもらう!!」
朱音はチョコのアイスを一口食べて喜んでいた
「後、朱音もう一つ大切な事があるんだよ」
「大切な事?」
桜はこほんと一つ咳払いをしてから朱音と水奈を見た
「新しい俺たちの家族…ウンディーネこと水奈だ!!」
桜はそう言って朱音に水奈を紹介した
「み、水奈です。よろしくお願いします」
「本当!?やったー、家族が増えたよー!!」
…ひとまずテンプレで、おい馬鹿止めろ
「ま、後で二人の歓迎会でもしようと思うからよろしく」
桜はそう言うとアイスを食べる作業に移った
「で、ご主人様、明日どこに行くの?」
…朱音忘れてなかったか
「え?ご主人様、明日どこかに行くんですか?」
説明…どうすればいいんだろうか
「俺今は学校って言う…うーんと」
「学舎ですよね」
おお、水奈は説明しなくてもいいから楽だな
「学校?学舎?」
「勉強とかするところです」
「なるほど…ご主人様、頑張ってね」
朱音、勉強って聞いた途端シワ寄せたな…
苦手なタイプか
「でだ、学校に行かないと行けないから明日早くから家出るからな」
「何時に出るのですか?」
「えーと8時くらいにはでるかな」
「それじゃその前から走り込みだね」
…マジですか。それやるんですか
「朝は大変そうですね」
そう言いながらもニコニコしている水奈
水奈絶対楽しんでるだろ
「ふぁ…そろそろ寝るか」
「わかったよ。明日は適当な時間に起こすからね」
これはもう学校で寝るしかないな
桜はそう思いながら部屋に戻り眠りについた
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