第19話≡…これは死活問題だ
ガチャ
『わしじゃ』
「あ、マスター。すこし相談したい事があるんですが」
桜は聖からメールをもらった日の夜にマスターに連絡をとっていた
『どうしたんじゃ?』
「学校に行こうと思ったんですがその相談でもと」
『なんじゃそんなことか。それなら手を打ってあるわい』
おお!!流石マスターだな
『お主の学校の校長と繋がりがあっての、もう話はつけてあるわい』
「おお、それで何と?」
『お主は頭から油を被って入院と言うことになっておる』
「…何故油を?」
『その方が髪の色、目の色の説明がしやすかったんじゃ』
うん、よくわからない
『そう説明してしまったんじゃからそうなんじゃ』
「…まぁ、なんとなくわかりました。それで俺はいつから行けるんですか?」
『お主が行けるようになったらいくといい』
「わかりました。ありがとうございます」
『うむ、くれぐれもばれないように動くのじゃぞ』
「わかってます。では」
ガチャ…プープー…
…さて、いつから行こうかな
「ご主人様ー!!夕飯だってー!!」
「今行くからー」
ま、家には朱音やウンディーネちゃんもいるし大丈夫だろ
桜は携帯をしまって家の中に入っていった
「って学校どころじゃなかった」
桜は夜に金を下ろそうとATMにカードを通して残金をみた
「…5万って…使い過ぎたか…」
そろそろ稼ぎにでないと色々とまずいな…
桜は色々考えながら家に帰った
「ただいま」
「お帰りー
…どうしたの?」
「うーん、そろそろ金がね」
桜は少し悩んでから決めた
よし、決めた
「朱音、ウンディーネちゃん。一狩り行こうぜ!!」
「…どうしたのご主人様?」
そう言うとウンディーネが顔を出した
「呼びましたか?」
桜は朱音やウンディーネにわかるように説明した
「金が無くなったから稼ぎに行こうかなって」
「なるほど、クエストに行くという訳ですね」
「ウンディーネちゃんは読み込みが早いね」
説明をするまでもなかった
「え?戦うの?」
「うん。これから行こうと思ってね」
「わかったよ、今から準備してくるね」
「私もですか?」
「もちろん、ウンディーネちゃんにも戦って欲しいかな?って」
桜はそう言いながら靴を脱いで自室に向かった
「わかりました、今準備します」
ウンディーネも自室に戻っていった
「…またあの格好か」
桜は黒いマントをはおい目隠しをし仮面を着けた
「後は…これだな」
桜は仮面の内側にある二つの魔方陣にマナを送った
『これでよし』
魔方陣の一つは防音の魔術
範囲は仮面の中だけだから自分の声は聞こえる
もう一つは筆の魔術
桜が新しく作った魔術で桜の声をマナを使って空中に描く魔術だ
色は見やすいように水色だ
桜は準備を終えるとリビングに向かった
「あはは、ご主人様危ない人ー」
リビングにいた朱音は上下朱色の動きやすそうなジャージを着ており白い首輪を着けていた
朱音、人を指差すんじゃないぞ
『これが俺の正装なんだからいいんだよ』
桜を指差して散々笑った後朱音は桜の影に入った
「お待たせしました」
部屋から出てきたウンディーネは下は赤いスカートで上には青めの服を羽織っておりこちらも白い首輪を着けていた
『気にしないで。準備万端?』
「はい。では失礼します」
ウンディーネは早々に桜の影に入っていった
さて、行きますか
桜は短剣を使い本部に一瞬でワープした
これって実は凄く便利な道具じゃないのか?
「ひっ…」
…こんな格好じゃなかったらテンションも上がるのにな
桜は怯える人達を無視して本部に向かった
…ってこれだと喋れないんだよな
桜は影からウンディーネを呼び出した
「おいあいつ…」「ここの常識も知らないのかよ」
ウンディーネを出してからそれを見ていた人達が陰口やらで騒がしいくなった
『ウンディーネちゃん、悪いけどクエストできるように色々できる?』
「はい、お任せください」
ウンディーネが先行し受け付けに向かった
「…どういったご用件でしょうか」
…やっぱり気づいてくれないか
受け付けにいたのはネネだった
『色々と任せたよ』
「はい」
字が見えない桜に変わってウンディーネがクエストの発注を行う。
その時周りから向けられる視線は完全に嫌悪だった
うーん、いちよマスターの予測通りなんだけど…悲しくなってくる…
「ご主人様、ギルドカードと短剣を」
桜はそう言われマントの中でカードを探し、カードと短剣をウンディーネに手渡した
「では………え?クーさん?」
『…久しぶりネネちゃん』
「え?なんで…え?」
そうだった…どうせギルドカードを見せるんだから気付かれるじゃん
「…その格好は」
『マスターからの命令でね。ぼっちになれだって』
「あはは…確かにその格好だと…」
ですよねー…なんか泣きたくなってきた
「あ、でしたらクーさん、このクエストを終えたらマスターのところに行ってください。
ギルドカードの更新があります」
『更新?』
あれ?まだ一回しかクエストこなして無いんだが…
「クーさんはもう三人のレッドランクの人を倒していますからそれが原因でしょう」
それでも上がるもんなんだ…ラッキーだな
『わかった。ありがとうネネちゃん』
「いえ。では、大変でしょうがお気をつけて」
ネネちゃんは場所位置が登録された短剣とギルドカードを渡してきた
『ありがとう、行ってくるよ』
桜はネネからカードと短剣を受け取り文面でお礼をいった。
後ろではウンディーネが一礼して急いで桜よりも前を歩く
桜はざわめきを無視して本部からでた
…この格好で戦わなくてもいいのが唯一の救いだな
その後、桜の格好と奴隷を常に出してる事から誰も桜に近づこうとはしなかった(一部を除いて)
「ふうーやっぱり仮面は取った方が楽でいい!!」
桜達が転移したのはどこかの寂れた工場だった
「二人とも出てきていいよ」
「お疲れ様です」
「本当凄かったね」
桜の影から二槍を持った朱音と何も持っていないウンディーネが出てきた
「まさかウンディーネちゃんを連れてるだけでこれほどとは思わなかったよ」
「ご主人様は奴隷に対する態度がおかしいのです」
「そこは直さないって。それより、ウンディーネちゃんもごめんね。嫌な気分だっただろ」
俺より視線を浴びてた筈だもんな
「私は大丈夫です。慣れてますから」
「え?それって」
「そんな事よりご主人様、武器の方を」
なんかはぐらかされた気が…
ウンディーネちゃんから話してくれるの待つか
桜はマントから手を出し前ならえの姿勢を取った
えーと、ウンディーネちゃんのイメージって青だから
桜の手に光が集まりできたのは白い杖の先に青い水晶体が入った杖だった
「…ご主人様って本当デタラメですよね」
「なんかもう慣れたよ」
皆から基本的に変態扱いされればそりゃなれるよね
桜はウンディーネに杖を手渡した
「どう?」
「重さもしっくりきますし…大丈夫ですね」
ウンディーネは水晶体にマナを送り点滅させた
「そういえば今回の魔物はなんなの?」
「ガーゴイルですね」
ガーゴイル
普段は家の造りに溶け込みばれないように石になっているが
動き出すときは生き物の様になる
石の時はとても固く、生き物の時はとても素早い
姿も有名な鳥のような姿だけではなく、石像に化けていたりもする
「でも工場に溶け込めたりするの?」
ツンツン
「ご主人様、あれ見て」
「ん?……うわー」
朱音が指差したのは工場の屋根に堂々と石化している鷹のようなものだった
「…ウンディーネちゃん、あれだけ?」
「報告書には一匹と書かれています」
桜は持っていた目隠しや仮面を朱音に頼んで影にしまってもらい戦闘体制を整えた
「二人とも怪我には気を付けてね。
アシスト:スピード、エクスプロージョン
アシスト:シールド」
朱音にはいつも通りのアシストを加え、ウンディーネにはシールドのアシストを加えた
桜がシールドのアシストをウンディーネにかけるとウンディーネの周りに白くて四角い物が漂い始めた
「ご主人様、これは?」
「自動の盾かな。攻撃を判断して自動で守ってくれるんだよ。
ま、限りはあるけどね」
聖の攻撃なんか防げる気がしない
「ありがとうございます」
「いいって。さてウンディーネちゃん、早速あいつを魔術での試し撃ちよろしく」
「わかりました」
ウンディーネがマナを込め出すと水晶体が光り周りに水で創られた大きな針が複数展開した
「…こんなに…すごいです」
「さ、ウンディーネちゃん先攻よろしく」
「はい、いきます!!」
ウンディーネの針がガーゴイルに向かって飛来する
『ばれたか!!』
…いやいや、存在感しか無かったから!!
てか、ガーゴイル話せたんだ
ガーゴイルは石から生き物になり素早い動きで針をかわした
『お前美味しそうな臭いがするな。ケケケケ』
「俺は美味しくないよー」
ガーゴイルはそう言うと翼をはためかせ桜に接近をはかった
「させません!!」
ウンディーネが飛んでいるガーゴイルに水の鞭を数本創り空中にいるガーゴイルを襲った
『遅い遅い!!』
ガーゴイルは鞭の間をすり抜けかすりもしなかった
『もらったー!!』
「あげないよ」
朱音が桜とガーゴイルの間に入り槍を使ってガーゴイルを飛ばした
『ギュエエエエ!!』
飛ばされたガーゴイルは体から霧を発生させ姿を隠した
「あのガーゴイル、霧の魔術を使うみたいだよ」
桜の目にはガーゴイルが霧の魔術を使った事がはっきりとわかった
『ケーケケ、全く痛いなー』
晴れた霧から姿を現したのは無傷のガーゴイルだった
「ちっ…手応えあったのにな」
「こいつ、固いですね」
…なんか違和感があるな
『ケケ、いくぜ!!』
ガーゴイルは口を開けるとそこに風が集まった
「デカイのくるよ」
朱音は素早く範囲外であろう所まで逃げた
桜はウンディーネを上に投げた
「え?きゃー!!」
桜はウンディーネの下に空気の足場を敷いた
「ご主人様!!何するんですか!!」
「避けるには便利かなって」
『随分と余裕だなー!!これでも食らえー!!』
ガーゴイルは口から竜巻のようなものを桜に向かって放った
桜はその竜巻に向かって手を向けた
「それじゃ俺は…渦潮の盾」
桜の前には水がグルグルと回った盾が展開した
『ケケケ、そんなもんで俺の技が崩せるかよ!!』
桜の盾と竜巻がぶつかり水しぶきをあげた
「ま、余裕なんだけどね」
桜が水の盾を弾けさせると竜巻も一緒に消滅した
『はぁ!?マジかよ!!』
桜は上昇気流を創ってからウンディーネのブロックを消した
「え?え?」
ウンディーネはスカートを押さえながらゆっくりと降ってきた
「怪我は?」
「無いですけど…ご主人様ー…」
「ごめんて、次からちゃんと話してからするから」
桜は睨んでくるウンディーネと目を会わせられなくてそらしながら会話をした
『てめぇーら!!俺を無視してんじゃねーぞ!!』
「それじゃあ私が相手するね」
『ひゃ?グェエエエエエ!!』
ドコォン!!
朱音はガーゴイルに近づき槍で腹部らへんを切り裂いたと同時に爆発した
その爆発の勢いでガーゴイルは飛ばされた
「…あれ?」
飛ばされたガーゴイルを霧が包み込む
「また…」
「この霧ってなんなんでしょうね」
そして霧が晴れると無傷のガーゴイルがそこにいた
「なるほどな…朱音、ウンディーネ、あのガーゴイルの相手よろしく」
「了解ー」
「わかりました」
朱音とウンディーネは無傷のガーゴイルに向かっていった
「さーて、どこかな?」
桜は目を使って周りを見ながら手にナイフを数本錬成した
「みーつけた」
桜は闇の中にナイフを投げた
カキン!!
『ケケケケ、危ねーじゃねーか』
「爆発でもオマケすればよかったかな」
影の中から姿を現したのは腹部に傷のあるガーゴイルだった
『どこで気づいた?』
「霧を発生させたのってお前じゃなかったじゃん」
桜は怪我したガーゴイルが飛ばされた時ガーゴイルから霧の魔方陣が作られていないのを見た
『まさか気付かれるなんてなー、ケケ』
ガーゴイルはそう言うともう一匹の方に飛んでいった
『ケケ?ばれたぁ?』
『男の方、勘だけはいいぜ』
桜も急いで三人の元に駆けつけた
「どうやらあいつら元々二匹だったぽい」
「流石ご主人様!!」
「どこで気づいたのか後で教えてくださいね」
…あれ?ウンディーネちゃんってこんなに親しくしてくれてたっけ?
…まあいいや
「さて、これで3対2だけどどうする?」
『確かに不利だ…あれいくかぁ?』
『やっちまおうか?』
『『ケケケケケケ』』
こいつらまだ何かする気か…
二匹の怪しい笑いは闇に溶けていった
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