第14話≡俺の家族になってくれ!!
いつもよりは長いかも
今回はライバル(?)がでてきます!!
「さて、負けたお前に何をしてもらおうかな?」
桜は負けたギンジ達の元にいた
その場には桜、ギンジ達、受付ちゃん(桜の近くに)がいた
「ちっ…早くしろよ」
「ま、決まってるんだけどな」
桜はギンジ達を指差した
「お前ら全員、受付ちゃんに近づくな!!」
「クーさん…」
まあ、これが妥当だよな
するとギンジの後から仲間が前に出た
「ちょっと待てよ、俺たちは関係ないだろ!!」
仲間の一人がそう言うと後から便乗して何やら言ってくる
「うるせー、こいつより強いやつがいるなら出てこいよ。相手になるぞ」
桜は手に氷を出しながら威嚇して言った
「てめぇ、お」
「全くお前は何やってんだよ、えーと…クーよ」
「え?聖!?」
「…フェイクさん」
桜達の前に桜のリア友である聖がいた
聖は坊主頭でガタイがいい少年だ
「あ?お前には関係ないだろ!!」
「こいつは俺のダチだからな。相手なら俺がやるぞ」
「…ちっ」
へー、聖って結構強い分類なんだな
「…覚えてろよ」
「はいはい、覚えておくって」
チャラ男達は桜と聖を睨み付けて消えていった
「ふぅ…ありがとうな聖」
「おいおい、俺はここでは『フェイク』だ。お前は?」
ここでは実名はダメだったんだっけかな
「俺は『クー』だ。久しぶりだなフェイク」
「全く、最近学校で見ないから何かあったのかと思ったら…はぁ」
あ、そう言えば学校があったな
「悪い悪い、まさかこんな事になるなんて思わなくてな」
「本当そうだよな。てか、お前チャラくなったな」
「うるせーよ!!俺だってこうなりたくてなったんじゃないんじゃい!!」
「流石ロリコン」
「それ今関係ないよね!?」
本当、こいつは全然変わらないな
「あの…」
桜と聖が色々と話合っているとポニーテールの女の子がおずおずと手を挙げた
「ん?どうしたの、受付ちゃん?」
「クーさんはフェイクさんとお知り合いなのですか?」
「知り合いってかこいつ俺のリア友なんだよな」
「そうそう、まさかこいつがこんな事になってるなんてな」
そう言ってまた二人で笑いあった
「そうだったんですね、本当偶然って怖いですね」
受付ちゃんがそういうと今度は三人で笑いあった
「あ、そうだクー、明日俺と勝負しないか?」
「いいぜ。…そうだ、折角だから賭けでもしようや」
「クーさん!?」
聖はそれを聞くとニヤリと笑った
「ほう…俺相手に賭けするのか…いいよ、何賭ける?」
「ジュースでいいだろ」
「そうだな。あんまり高いの賭けでもクーが痛い目を見るだけだからな」
「ほう…その言葉忘れるなよ」
「泣きを見るのはお前だけどな」
そう言って桜と聖は暗い笑みを浮かべた
「俺としては今すぐフェイクと勝負してもいいんだけどな」
「あ、悪い、それは無理だ。
俺これから勝負しないといけないんだよ」
なんだ、先客がいたのか
「まあ、俺の勇姿でも見ててくれよ」
「おう、目を瞑りながら見てるよ」
「それって寝てるよな!?」
「昨日は遅くに寝たんだ、安心しろ」
「それ絶対寝るよね!!」
桜は銀狼達の事を考えて眠れなくなりあんまり寝ていない
「そろそろ行くな…絶対寝るなよ!!」
寝ろって事ですね、わかります
「任せとけ!!」
桜は満面の笑みで親指を立てた
「ああー、不安しかねー!!」
聖はそう叫びながら控え室へと入って行った
「仲がよろしいんですね」
「ま、だてに二年間付き合ってないからな」
聖は高校に入ってからできた友達だしな
「さて、受付ちゃん。客席まで行こうか」
桜がそう言って歩こうとしたがポニーテールの女の子は動かなかった
「受付ちゃん?」
「ネネです」
ポニーテールの女の子―ネネ―は真っ直ぐに桜を見つめて言った
「えーと名前がかな?」
「はい。私の名前は『ネネ』です。これからよろしくお願いします!!」
「あ、こちらこそよろしく」
ネネが礼をしたから反射的に桜も礼をした
少しは認められたって事かな?
「では行きましょうか、クーさん」
「ちょっ、待ってくれって!!」
ネネは礼をしてる桜の横を通りすぎてそそくさと歩いた
「こっちから見るのは始めてだな」
桜とネネは試合が見れる観客席にいた
「実はフェイクさんは今、期待の新人なんて呼ばれているんですよ」
「へー、フェイクって強いんだ」
「それはもう。後、ほとんどが土日しか来ないのでこういう試合が珍しいんです」
あ、だからお客さんもこんなに
「あ、始まるみたいですよ」
ボウガンのような物を腕にはめた柚汰の側には軽いグローブをはめたサキュバス
デカイハンマーを持った聖の隣にはちっちゃい女の子が身上にあわないライフルをもっていた
「期待の新人対決ですね」
「ってシキガミが相手かよ!!」
「クーさん、シキガミさんの事知っているんですか?」
「あいつもリア友だよ」
「シキガミさんも期待されてる人なのですごい友達ばかりですね」
…二人とも注目されてるとか…頑張んないとな、俺
『俺は“爆発師”のシキガミ!!所属は“雷土の進撃”だ!!』
『俺は“巨人への下剋上”のフェイク!!所属は“突風の砦”だ』
Fight!!
二人が名乗ったところで試合開始となり会場からはすごい熱気がでていた
聖が開始早々ハンマーを地面に叩きつけフィールド内の地面が抉れたり、沈んだりしていた
「ネネちゃん…俺の友達って化け物だった」
「あはは…あれはフェイクさんのアイテムですよ」
あ、これアイテムの力か
…聖のパワーでこうしたかと思った
「フェイクさんのアイテムは“地ならし”。
地形変動のアイテムですね」
「へー、アイテム使ってるとこ始めてみた」
「何いってるんですか?ギンジさんだって使ってましたよ」
え?だっけか?…あーそういえば
「あの毒霧」
「それは奴隷のアイテムです。
ギンジさんは“言霊”っていうアイテムを使ってたんですよ」
あ、あれってアイテムの力だったんだ
試合は聖の奴隷が的確に柚汰を撃ち抜き若干、聖優勢になっていた
「そう言えばシキガミが“ボマー”だかって物騒なこといってたけどあれって何?」
「あれは称号ですよ」
称号?何それ初耳
「マスターがつける通り名のようなものです」
「それって手に入れれるものなの?」
「うーん、中々難しいですね」
今までノーダメージだったサキュバスが聖のハンマーを食らい一気にレッドゾーンまでHPが減った
一撃でか…食らいたくないな
「フェイクさんはジャイアントの魔物が出た時、ジャイアントの一撃をハンマーでの攻撃で退けた事があるので“ジャイアントキリング”という通り名がつきました」
ジャイアント
とても巨大な人形をした魔物
力がとても強く攻撃範囲も広いがとても遅い
ジャイアントの討伐には最低でも六人は必要と言われている
「はぁ…あいつがやりそうな事だな…なあ、ネネちゃん。これって主がやられたら試合終了だっけ?」
「そうですね、今回はシキガミさんが負けそうですね」
「いや、勝つのはシキガミだな」
「え?」
聖が柚汰に近づこうとしたとき周辺に散らばったボウガンの矢が光った
聖もそれに気付き地形を変えようとハンマーを下ろすが遅かった
ドコォォォォォン!!
「あーあ、もう少し早かったら勝てたのにな」
聖のHPは一瞬で空になり勝ちが決まった
Winner シキガミ
「さて、二人に挨拶にでも行くか」
「あ、すいません。私仕事に戻らないと…」
「そっか…んじゃあっちはいいや。本部に戻るか」
正直、俺はあいつらよりもネネちゃんがまたナンパされて困らないかが不安だ
「私は大丈夫なのでシキガミさん達の方に行ってもいいですよ」
「いいってどうせ明日会うしな」
「その…ありがとうございます」
桜達は本部に戻っていった
「さて、ご主人様。色々と話があるんだけど」
本部に戻った後することも無いので自分の部屋に戻ると銀狼が桜の影から飛び出してきた
「まあまあ、銀狼ちゃんこれでも飲んで」
桜はそう言ってオレンジジュースを銀狼に渡す
「ありが…そうじゃないの!!」
銀狼は貰ったオレンジジュースをきちんと置いてから桜の目を真っ直ぐ見つめた
「///」
そして照れた
「銀狼ちゃんは何がしたいんだ?」
「そうだった。ご主人様、あの試合はどういうこと!!」
「…えーと」
どうしよう…銀狼ちゃんが言いたいこと事がわからない
「どうして私を助けたの!!」
「あーそれは単に銀狼ちゃんがヤバイと思ったからで他意はないんだよね」
「はぁ…ご主人様、あのねご主人様が死んじゃうと試合には負けるし、現実なら私達も死んじゃうんだよ」
「あ、それは大丈夫。契約なら色々いじって俺が死んでも銀狼ちゃん達は死なないように設定変えておいたから」
それをきいて銀狼は首を横に振る
「それでもだよ、私達はいくら攻撃されても死なないんだから盾にして」
「銀狼ちゃん…」
「ご主人…様?」
銀狼の言葉を遮り桜は声に怒気を含ませた
「もう絶対にそんな事を言わないでくれ…」
「でも、私達は主がいれば死なないんだよ?」
「だから死んでもいいって訳じゃないだろ、俺は銀狼ちゃんが…大切な人か目の前で死ぬのは絶対に嫌なんだ」
「え?」
銀狼は桜の言葉を聞くなりうつむいた
「本当なの?」
「この状況で冗談をいうつもりはないな」
「ご主人様は私に死んでほしくないの?」
「当たり前だ!!俺は銀狼ちゃんに死んでほしくなんか無い!!」
そういうと銀狼の手に雫が落ちてきた
「銀狼ちゃん?」
「…ふえぇぇぇぇん!!」
ど、どうしようー!!やばい!!これはやばいぞ!!
「ごーじゅじんじゃまー!!」
銀狼は泣きじゃくりながら桜に抱きついた
「ぎ、銀狼ちゃん!?え?え?」
絶讚パニック中の桜はオロオロしながらもひとまず銀狼を剥がそうと考えた
「ひぐ…えっぐ…」
…そんな事できるわけないよな
ぽん…なでなで
桜はひとまず銀狼が心行くまで泣けれるように頭を優しく撫でた
「う、うわぁぁぁぁん」
まずは銀狼ちゃんに泣き止んでもらわないとな……
それにしてもこの髪、撫で心地いいな
桜が銀狼の頭を撫でて慰めること十数分
銀狼は少しは落ち着いたようだ
「落ち着いた、銀狼ちゃん?」
「うん…おぢづいだ」ズルズル
「はい、ジュースとティッシュ」
「ありがどう」
桜はひとまず開けたオレンジジュースとティッシュを渡した
ちー…ごくごくふはぁ
「それで銀狼ちゃん、どうしたの?
ああ、言いたくなかったら言わなくていいからね」
「大丈夫、ちゃんと言うから」
銀狼はティッシュを使って鼻をかんでから桜の目を見てからうつむいた
「…私ね、ずっと一人だったの。
あっちの世界でもアイテム持ちだってわかると皆がすぐにいじめてきた…
両親でさえ私を目の敵にしたんだ」
あっちの世界っていうとたぶん銀狼ちゃんの産まれた世界の事だろうな
「私どうして産まれたんだろう…
生きる意味なんてあるのかな…
こっちの世界に来て皆から狙われてこれでやっと死ねるって思ったんだ」
…そこまで追い詰められていたのか
「でもやっぱり死ぬのは嫌だったよ。
私は生きる為に必死に逃げた。その時だよ、ご主人様とあったのは」
うーん、そりゃあ誰も信用できなくなるよな
「ごめんね、こんなつまらない話しちゃって」
「…俺は嬉しいよ。銀狼ちゃんが辛いことを俺に話してくれて」
…よし。決めた!!
「銀狼ちゃん、俺の命令って聞けるんだよな」
「そ、そうだけど…ご主人様!?」
桜は銀狼の手を握った
手も小さいな…よく、発狂しなかったよこの子は
「銀狼ちゃん、命令だ」
桜がそう言った時銀狼の瞳が揺らいだ
「俺の家族になってくれ」
「…はい?」
…あれ?ダメだったかな?
銀狼は桜の言葉の意味がわからずポカーンとした
「ご主人様、私魔物だよ?魔物が人間の家族って…」
「いいんだよ、人間と魔物が一緒の家族だって。俺は銀狼ちゃんと家族になりたいんだ」
うーん、やっぱり遠回しにものが言えない
「で、でも」
「銀狼ちゃんは俺と家族になるのは嫌か?」
桜の問いに銀狼は首をブンブンと横に振る
「…私なんかがご主人様の家族になっちゃってもいいのかな?って」
「言っただろ命令だって。それに俺としてはこんな可愛い子が家族になってくれるなら大歓迎だ」
「そっか…命令だもんね…仕方ないよね」
そう呟きながら銀狼は涙を流す
「我が儘な…ご主人様に…付き合ってあげる!!」
「そうだぞ、俺は我が儘だからな!!付き合って貰うぞ銀狼ちゃん!!」
「うん…うん!!」
銀狼の顔は涙に濡れていたが今までで一番素直に笑った顔に桜は見えた
「でさ、銀狼…ちゃん」
桜は銀狼の名前を言った時にいきなり悩みだした
狼…狼…ダメだ、イメージがわかない
「どうしたのご主人様?…まさか、家族がやっぱり…ぐすん」
「違うから!!そんな事思ってもいないから泣かないでで銀狼ちゃん!!」
「それじゃ…ぐすん…どうしたっていうの?」
桜は苦笑いして銀狼に質問をした
「銀狼ちゃんは何色が好きなの?」
「色?うーんとね、赤!!」
…血
…いやいや狼だかってそんな安直な訳がないよな
「でもねただの赤じゃなくて、夜になる前の朱が好きなの!!」
「朱色ってやつか…うーんと」
「ご主人様?」
良かった。「血みたいな黒い赤が好きなの!!」って言われなくて
でも朱…朱…お、これなら響きもいいんじゃね?
「よし、決めた。銀狼ちゃんの名前を決めたよ」
「私は銀狼だよ?」
「それじゃダメに決まってるじゃん。
家族ならやっぱり名前が無いとね」
ふーんそうなんだ…と、言ってる銀狼の顔はどこか嬉しそうにしている
「銀狼ちゃんはこれから“朱音”って名乗ること!!…どう?」
銀狼は「朱音…朱音…」と呟いている
桜はその光景を緊張しながら伺っている
「うん!!なんか気に入ったよ!!私これから“朱音”になる!!」
「はぁ…よかった」
桜は安堵して目を閉じた
「ありがどうご主人様!!」ギュ
銀狼―朱音―は気を抜いた桜に抱きつく
「うわわ、銀狼ちゃん!?」
「私は朱音だよご主人様♪」
本当に嬉しそうだ。
よかったよ、変に言われなくて
「そうだ銀…朱音、人間流の祝いでもしようか」
「なにそれ!?やるやる!!」
桜は冷蔵庫から二本の瓶のオレンジジュースを出して一本を朱音に渡した
「朱音、ごにょごにょ」
桜は朱音の耳元でやり方をいいジュースを開けさせた
「あ、それ見たことある!!やってみたかったんだよね!!」
「そっかそれなら話は早い。ごほん、では、新しい家族の誕生に」
「「かんぱーい!!」」
カンッ
部屋には瓶が鳴る音と二人の笑い声が響いた
「家族……私は騙されません!!」
ウンディーネは桜の影の中から音だけを聞いていた
「…とても楽しそうです」
ウンディーネのそんな呟きは誰にも聞こえなかった
読んでいただきありがどうございます!!
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是非感想も下さい!!待ってます!!
フェイクはライバル(シキガミの)です。
てか、桜のライバルってどうすれば作れるんだ?ww
さて、今回はヒロインその1「朱音」がログインしましたよ!!
ネネちゃんは……友人って事でね。ね?