第13話≡もう、ハズレ武器とは言わせない
ランクをあげる難易度を少し難しくしました
そうじゃないと色々と辛いので…
今回は戦闘がメイン!!
ライバル(笑)になってしまった
「はぁ…なんでこうなったのかな…」
桜は本部の食事所の隅っこでジュースを飲みながらぼやいていた
二人が俺の影に入ってから一日たったし
いくら呼び掛けても反応無いしな…
「はぁ…」
どうすればわかってもらえるんだろうな…
桜は一人でジュースを飲みながら暗い雰囲気になっていた
「クーさん、どうなされたんですか?」
「ん?」
桜に話しかけてきたのはクエストの時色々と厄介になったポニーテールの女の子がいた
「いや…ちょっとね」
二人の奴隷が引きこもったなんて言えないしな…言い訳どうするかな…
「私で良ければ話を聞きますよ?」
ポニーテールの女の子はそう言うとテーブルの空いてる席に座った
「大丈夫なの?」
「私、今休み時間ですから」
まあ、今は人が少ないしな
「それに皆さんをサポートするのが私達の仕事ですからね」
ポニーテールの女の子はそう言うと少し照れたように笑った
「それでどうしたんですか?」
「…ちょっと友達と喧嘩してね」
あれは喧嘩でいいのかわからないが
「ああ、なるほど。それでクーさんは落ち込んでいたんですね」
「話しかけても無視されるからね…なかなか辛いよ」
ポニーテールの女の子はうーんと唸り考え込み始めた
「思い当たる事は?」
「それがさっぱり」
だってねー、いきなりだったしねー
「喧嘩の原因が解れば解決するのですが…」
「原因が解らないからね…」
それを聞くとポニーテールの女の子は急に立ち上がった
「それですよ、クーさん!!」
「びっくりした…それってどれ?」
「はぁ…喧嘩相手はクーさんに解ってもらいたいんですよ」
一体何を解れと言うんだよ…
「クーさんは」
「あれー?ネネちゃんじゃん。今休みなの?」
声がした方を見るとそこにはこの前ポニーテールの女の子に色々とちょっかいをかけていたチャラ男(同じような友達付き)がいた
「…今はクーさんと話しているので後にしてください」
「なんだよーまたそいつかよ…ねえねえ、そんなことより俺らと楽しいことしない?」
チャラ男がそう言うと後ろのチャラ男達もゲラゲラと笑いだした
「この後は仕事がありますので」
…この子もこういうのの扱いになれてるな
「いいじゃねーかよ!!」
「きゃっ」
がチャラ男はそう言うとポニーテールの女の子の手を掴み強引に椅子から立ち上がらせた
「…やめてください」
「いいねぇ…そういう表情も可愛いじゃん」
…なんか見ててイライラしてきた
桜はチャラ男の脛を蹴った
チャラ男は痛さから手を離しポニーテールの女の子は桜の後ろに隠れた
「痛って!!おい!!てめぇ何しやがるんだ!!」
「足が当たっただけだろ、騒ぐな、うるさい」
桜がそう言うとチャラ男は額に筋を出し始めた
「やっぱり気に食わねぇ…てめぇ俺とネネちゃんを賭けてバトルしろ!!」
バトル?ああ、なんかやれって言ってたな…てか賭けるものが人って
「嫌だよ。俺に得がないじゃん」
「…クーさん」
なんかつねってきたけど気にしたら敗けだな
「お前が受けないならいいぜ。俺達はこれからネネちゃんを連れて遊びに行くからよ」
今度はその場にいるチャラ男が皆ケタケタと笑いだした
「クーさん…」
のそんな捨てられる子犬の用な目で俺を見るなー!!
「はぁ…わかったよ。やりますよ、やれば納得してくれるんだろ?」
女の子はほっとしたように息をつき、チャラ男達はニヤニヤと桜を見た
「てめぇにこの世界の厳しさを教えてやるよ」
「あー、はいはい。よろしくお願いします」
「ちっ」
チャラ男は舌打ちをして桜をまた睨み付けた
舌打ちしたいのはこっちだよ…
「時間無制限、一発勝負、奴隷有り、んで勝った俺がネネちゃんをもらう」
「はいはい、ルールは理解したよ」
全く…面倒だなこいつ
フィールドの中に入ったチャラ男は大剣を背負っていた
「こい、インキュバス」
チャラ男がそう言うと影から顔が整っており背中に二本の短剣を携えた男が現れた
「お呼びでしょうか?我が主」
「インキュバス、あいつ軽く捻るぞ」
「クケケ…仰せのままに」
はぁ…あっちは奴隷も出して戦闘体勢ばっちりだよ…
「銀狼ちゃん…お願い」
『…今度は何?』
おお、ちゃんと答えてくれた
「これからバトルしたいんだけど…力を貸してくれないか?」
桜の問いに少し間が空く
…やっぱりダメかな
『わかった、戦ってあげる』
銀狼がそう言うと影から人形の銀狼が飛び出してきた
「ありがとう」
「信用した訳じゃないからね」
…はぁ、先は長いな
桜は着てるマントから周りに見えないように槍を二本錬成した
「はい」
「…ありがと」
…あ、俺の武器どうしよう
3
え?ちょっと待てよ!!
桜が武器の事を考えていると試合開始のカウントが出てきた
「俺はギンジ、所属は『雷土の進撃』だ」
ギンジの名前は赤い事からランクが赤であることがわかる
ああ、名乗んないとダメなんだっけ?
2
「俺はクー。無所属だ」
桜が名乗った時周りから
「初心者狩りかー」「すぐに終わるなよー!!」
などと野次馬さんが騒いでいた
お前らいつのまに来てたんだよ!!
そんなことより、銀狼ちゃんは前衛だからな…
1
あ、あの武器なら格好もつくしいいんじゃね?
Fight!!
「ネネちゃんは俺のもんだ!!」「アシスト:スピード」
始まると同時にチャラ男―ギンジ―は大剣に手をかけ、銀狼も姿勢を低くして突撃した
「さてと」
桜は両手をマントに隠し目を閉じイメージを固めた
これで…できるはず
桜が握った感触を確かめるとマントから手を出した
「さて、武器は完成したな」
桜は二丁の拳銃―魔銃―を両手に握りながら辺りを見回した
ギャラリーが「あいつ、魔銃使いかよww」
「ハズレ武器じゃねーかww」なんて事を言っている
「ご主人様」
銀狼がギンジから一旦離れて戻ってきた
「どう?」
「正直弱いよ。でも何か仕掛けてくるかもしれない」
ギンジの方を見ると大剣に黒い霧のようなものをインキュバスがかけていた
「…こしたことはないか…アシスト:ウィンドウ」
桜は二本の槍に風を纏わせた
さて、第二回戦といこうじゃないか!!
「気を付けてね銀狼ちゃん」
「ご主人様も」
桜と銀狼は互いに離れて挟み撃つようにギンジ達に攻撃を仕掛けた
「ハッ、ハズレ武器かよ」
「言ってろ」
ギンジは桜と距離を積めながら大剣を振るう
桜はギンジとは全然違う方に銃を何度か撃った
「流石ハズレ武器だぜ?」
「それはどうかな?」
「は?何を、グハッ」
ギンジの後ろから数発の弾丸が刺さる
『トラップショット』
マナの弾を空中に停滞させ範囲に入った敵を狙う技
「てめぇ…なめんじゃねーぞ!!」
ギンジが剣を振るう
「腐敗しろ!!『腐敗の霧』!!」
黒い霧が広がり桜に襲いかかってきた
「なんか危なそうだよな…『微風の壁』」
桜は風で壁を作り黒い霧が来ないようにした
「てめぇ…風使いかよ」
ギンジは黒い霧に紛れて桜から少し距離をとった
「使えないなんて言ってないしね」
霧があった場所を見ると草は枯れ果て、地面も少し乾燥していた
毒か…あれは食らいたく無いよな
だが大剣には既に黒い霧は無くただの大剣になっていた
「ちっ…作戦変更だな…『大地は我に耳を貸せ』」
ギンジの口からマナが流れ大地に染み込んでいく
何をする気だこいつ…
「『アギトとなり敵を殲滅せよ。大地よ我に力を貸せ』」
ん?なんで魔方陣が…言霊?
桜がそんな事を思っている間にどんどんと大きな魔方陣が作られていく
ギンジは大剣を地面に刺した
すると地面からギンジを囲む用に壁が出てきてギンジの姿は見えなくなった
…やばい…魔方陣があるのって銀狼ちゃんの方じゃん
ギンジの作る大きな魔方陣が完成する時、ギンジの奴隷が上手い具合に銀狼ちゃんを魔方陣の元まで誘導する
「!?銀狼ちゃん!!」
桜は風のマナを使い銃をジェットの役割にし銀狼ちゃん達にすごい勢いで近づいた
「なんだまだ子供か」
なんなのこいつ!!会っていきなりこれは無いでしょ!!
「あんたね…」
「胸も…はぁ…ないな」
殺す
銀狼は素早くインキュバスに近づき槍を振るっていく
「おっと…暴力的でもある…残念」
銀狼の槍をバックステップでかわし短剣を両手に構えて肉薄した
…こいつやるけど…倒せなくない!!
銀狼は一旦下がり着地と同時に斬り込んだ
インキュバスは下がり息を名一杯吸った
はぁぁぁ…
インキュバスは黒い霧を口から出た
!?これは食らったらダメそう!!
しかし思いとは裏腹に銀狼は霧の中に姿を消した
「ハハハ、どうだ?私のアイテム『大気の毒』のお味は?」
インキュバスは勝利を確信して高笑いをした
「本当、酷い口臭だね!!」
銀狼を中心に風が巻き起こり霧は晴れた
ご主人様には感謝だな…
桜が足と武器にしたアシストのお陰で霧の中でも銀狼の周りだけは風が生まれ毒の侵食は無かった
銀狼は槍を地面に刺し、アシスト:ウィンドウを発動させ毒の霧を払った
「まさか風の魔術が使えるとはな…」
インキュバスはそう言うと桜達の方を見た
「あれをやるんだな?…ククク、さて踊ろうか?」
「生憎、口臭がきつい人とは踊らない事にしてるんだよね」
「それはそれは」
インキュバスはそう言いながらも短剣で斬りかかってきたが銀狼は槍でカバー
インキュバスはまた下がって毒の霧をだして姿を隠した
「こんなの効かないって!!」
銀狼が槍をつき出すと風が起こり霧を霧散させた
「これで…え?」
インキュバスは銀狼背を向けて逃げた
まさか逃げられるなんて…でも追い付かない距離じゃない!!
銀狼は槍を持って特攻を仕掛け、インキュバスにもすぐに追い付いた
「これで」
「かかった」
「え?」
銀狼の周りの土が一瞬にして棘が生また
しまった!!罠だ!!
「銀狼ちゃん!!」
「ご、ご主人様!?ダメ!!これは」
銀狼が言い終わる前に桜は銀狼の元につき腕を掴んで投げた
ゴゴゴゴ…バタン!!
銀狼が投げられてる間に地面が規則的に割れ桜を挟み1つの塔の用になった
「主の最大技『大地の獣牙』です。決まって抜け出せた者は居ませんよ」
銀狼は空中で受け身を取り着地をきちんと決めた
そして、“アースファング”によりできた塔を見つめた
「どうして…どうしてだよ、ご主人様ー!!」
銀狼は叫んだが誰も答えるものはいなかった
その時銀狼は何かに気がついたようだ
「…あれ?ご主人様のHPが」
ドコッ…パラパラ…
塔が揺れ一部が剥がれ始めた
「そ、そんな!!ちゃんと決まったはず!!」
そして、塔は根本から折れ空気の球体の中に入っている桜が姿を現した
「ふぅ…面白い体験だったな。
銀狼ちゃん、怪我してない?」
銀狼はあまりの事に苦笑いで手を振ることしかできなかった
…よし、銀狼ちゃんの救出はたぶん成功だろ…後は
桜は急いで風と氷の魔方陣を作った
ゴゴゴゴ…
桜は急いで氷の破片を空中にばらまき空気のボールで自分の周りを覆った
バタン!!
“アースファング”が閉まるのと球体が覆ったのはほぼ同時だった
ガリガリガリ…
…危ねー。死ぬかと思った
ボールに回収された氷の破片は球体の中を廻り入ったものを削っていた
さて、どうするかな?
『ご主人様ー!!』
銀狼ちゃんも呼んでくれてるし早くでるか
桜は自分ごと球体も移動させ壁を削って外にでた
「ふぅ…面白い体験だったな。
銀狼ちゃん怪我してない?」
よし、手を振ってくれるみたいだし大丈夫だな
「な、なぜ!!決まったはずでは!!」
「確かに決まったがこいつのお陰でな」
桜はそう言いながらクルクルと指先を回しボール内の回転率をあげた
「名前は…そうだな…『氷片の削岩機』ってところかな!!」
桜は自分の後ろだけ開けてインキュバスに“アイスミキサー”を投げた
「へ?う…ぐぁぁぁぁ!!」
“アイスミキサー”がインキュバスを包むとHPがゴリゴリ減りあっという間に0になった
「後はあいつだな」
「わ、私が行くよ」
立ち上がり近づいてきた銀狼が槍を構えてそう言った
「そう?それじゃお願い」
「うん。任せといてよ、ご主人様」
銀狼はダッシュでギンジがいるであろう壁の前まで来た
「はっ!!」
銀狼が槍を振るうと壁の下の方に斜めに切れ込みができ壁が内側に倒れていった
バタン!!
You Win!!
あ、まだ中に居たんだ。馬鹿だろ
何はともあれ桜は見事に勝ってみせた
「へぇ…だからあいつ最近学校休んでたのか…」
試合を見ていた男がぼそりと呟く
「楽しくなってきたな…」
読んでいただきありがとございます!!
誤字脱字がありましたら報告お願いします!!
感想はくれると喜びます!!