表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の知ってる日常はどこか違う  作者: Mgl5566l
始まりの銀色
10/115

第10話≡まさか、そんな能力があるとは

感想ありがとうございます。

新しい感想が出てくる度に「…つまんねーよクソがとか言われたらどうしよう」とビクビクしながら見てます

これは治らないかもしれない



「よ、受付さん」

「あ、クーさん。どうしたんですか?」


桜はクエストも終わり何をするかわからない為、本部で聞くことにした

するとすぐにポニーテールの受付さんが見えたから声をかけた


「終わったから報告にね」

「え?もう一人で終わったんですか?」

「銀狼ちゃんもいたけどね」

「銀狼?奴隷の事ですか?」

「えーと、そう言われてるかな」


うーん、奴隷ってのがピンとこないな


「それでもですよ、クーさんはお強いですね」

「違うよ、俺じゃなくて銀狼ちゃんが強いから早く終わっただけだよ」

「ここでは奴隷の力は主の力と言われてますから、奴隷が強いというのは主が強いのとイコールなんですよ」


へー…

…俺なかなか戦力外だった気がしたけどな


「ではクーさん、こちらに来てください」


桜はポニーテールの受付さんについて行き、初めに受付をしたのと同じ造りの机に連れていかれた


「ではクーさん、ギルドカードを貸してください」

「はい」


桜は受付さんにギルドカードを渡すと機材にカードを通し読み込ませ桜にカードを返した


「ありがとうございます。魔物の消滅が確認されたら報酬が振り込まれますので」

「報酬?」

「はい、クエストにより報酬は変わりますがほとんどはお金がギルドカードに振り込まれます」

「ほとんどはって事は違うときもあるの?」

「クエストの報酬に武器や名声等を求める人も少なくはないですよ」

「へー、んじゃ今回の報酬は?」

「えーと」


受付さんはキーボードをカタカタと操作し始めた


「お一人なので…70万ですね」


1クエストで70っておかしくないですか?


「な、70…これくらいは普通なんですか?」

「いえ、ふだん皆さんは複数でやりますので山分けされて、もう少し低くなりますね」


なんだ一人だからか


「なるほど、皆一人じゃやらないから」

「そうですよ、一人でなんて危険すぎますよ」

「アハハ、初めだから仕方ないよ」


…初めだからだよな

…これコミュ障って訳じゃないよな…


「早くお仲間を作って安全にクエストをこなして下さい」

「頑張ってみるよ」

「本当ですよ、知り合いがいなくなるのは私も嫌ですから」


いなくなるって……冗談だよな?


「ネネー!!終わったらこっち手伝ってー!!」

「はーい!!すいませんクーさん、呼ばれてしまったので」

「いやいや、長々と話してごめんね」

「そんな、楽しかったですから。またお話しましょうね」


受付さんはそのままホールの方に向かっていった


さて、クエストの事も終わったし部屋にでも戻るか、あの女の子も心配だしな


桜はオレンジジュースを三本買って部屋に戻っていった





コンコン


『誰?』

「俺だー」

『あ、ご主人様?入って大丈夫だよー』


銀狼の許可もあり自分の部屋に入っていった


…あれ?ここ俺の部屋だよな


そこにはあまりの布団にくるまってベットの近くに座っている、銀色で短い髪の女の子がいた


「お帰りご主人様。あ、ジュースだ」


……うん?


「本当に買ってきてくれたんだ…ありがとう」


女の子は桜よりも小さく布団を引きずりながら近づいてきた


綺麗な紫色の目をしてるな…


「?どうしたのご主人様?」


女の子は小首をかしげながら桜に質問をした


「…どなた?」

「あー、ご主人様酷い!!私は銀狼だよ!!」


…銀狼?銀狼って狼じゃなかったっけ?


「銀狼ちゃん?」

「そうだよ!!なんでわかんないの」


女の子―銀狼―は頬を膨らませながら怒ってきた


「え…えええええええ!?」


桜の叫び声が部屋に響いた


「…うるさい」

「あ、ごめんね、銀狼ちゃん…」

「それよりもジュース」

「あ、ああ。これね……いやいやいや」


桜は銀狼ちゃんにジュースをあげる直前に取れないように上にあげた


「えー酷いよご主人様!!」


えーと、この子は銀狼ちゃんなんだよね……どういうこと?


「よし、銀狼ちゃん、そこに座ろうか」

「え?あ、はい」


銀狼は桜の目の前にちょこんと座った


「さて、色々と聞きたいことがあるんだが」

「はい、ご主人様」


桜も銀狼ちゃん目の前に座りオレンジジュースを渡した


「これ飲みながらでいいから」

「え…わかったよ」


桜はジュースを飲み銀狼に向き直った


「でだ…銀狼ちゃん、狼じゃなかったけ?」

「あ、その事…えーと、私達魔物は、マナを使えば獣の姿になれるの」

「獣の姿になれるって事は元は今の方なのか?」

「そうだよ。じゃなかったら槍なんて使えないからね」


確かに四足じゃ槍なんて振れないよな


「でもなんでそんな事できるようになってるんだ?」

「…ごめん、そこまではわからないよ」

「ああ、いいよ。マスターに聞けばだいたいわかるだろうし」

「あの人は物識りだもんね」


そこで二人はジュースを飲み一息ついた


「さて、君は銀狼ちゃんなんだよね?」

「当たり前じゃん」


さっそく桜はやることをみつけた


「となると……」

「?」

「服を買いに行かないとな」


全裸の女の子をこのままにしとく訳にはいかないよな





桜は適当なジャージを数枚迷子になりつつ買ってきて銀狼に着せた


「ありがとうねご主人様」

「いいって。んじゃ、マスターのとこに行ってくるから任せるよ」

「任せといてよ」

「よろしくー」


桜は女の子を銀狼ちゃん任せてマスターの部屋に向かった


はぁまたなんかの説明くるのか…


コンコンコン


『入っていいぞ』

「失礼します」

「お主か…今度はどうしたんじゃ」


メイドさんがいつもの通り椅子を引いてくれた


「ありがとうございます」

「いえ、メイドですので気にしないで下さい」


そして一礼してお茶の準備を始めた


「で、どうしたんじゃ?」

「えーと、銀狼ちゃんが俺から離れました」


そう言って左腕を見せた

腕はすでに毛はなく人間の腕になっていた


おお、ついに離れたか」

「はい、それで離れた銀狼ちゃんが初めは狼だったんですが女の子になっていて」

「その事かの」


そこでメイドさんがお茶を運んできてくれた


「丁度いいの。デビル、獣化してくれんかの」

「はい」


メイドさんは黒い煙に包まれコウモリになった

コウモリの下にはメイドさんが元々着ていた服があった


「もういいぞデビル」

キーキー


コウモリが一鳴きしさっきよりも黒い煙が多くでてきた


「終わりました」


煙が晴れるといつもと変わらないメイドさんがそこに立っていた


「と、いうように体を変化させる魔物も多いんじゃ」

「なんで体を変化させるんですか?」

「それはのこ、っちの世界に馴染む為じゃと言われておる」


馴染むってどういう事だ?


「髪の色や怪力は日本じゃ特に目立つからの。

変に注目されるのを防ぐ為かもしれんしの」

「目立ちたくないから動物に変化するって事ですか?」

「捕まるかもしれんしの」


魔物の世の中も危険なんですね


「この変化は人型になるとき人化、獣型になるとき獣化と呼ばれておるんじゃ」

「変化するときは…奴隷達のマナを使うんですよね」

「そこは聞いておるんじゃな。その通りじゃ」


うーん、奴隷って言葉が馴れないな…

でもどうして皆奴隷を常に出してないんだ?


「マスター、皆奴隷って出してますか?」

「出してないの。

奴隷を出すのには多少なりともマナを使うんじゃ、出したままにするとそれなりにマナを使うから皆出してないんじゃ。

ま、お主には関係がないの」


確かに俺には関係ない話だな


「ふぁ…すまないが聞きたいことがあれば明日にしてくれんかの」

「あ、大丈夫です。聞きたいことはだいたい聞きましたから」


桜はマスターに一言挨拶して部屋をでた


さて、銀狼ちゃんを一人にしとくのもあれだし、帰るか




コンコン


…あれ?

返事がないんだが…


コンコン…ガチャ


「…そういう事か」


そこには青い髪の女の子を見ている間に、ベットに寄りかかって寝ている銀狼がいた


疲れてたんだな…おやすみね銀狼ちゃん


桜は布団を敷き銀狼ちゃんを起こさないように布団に寝かせた


「ふぁ…今夜は一夜漬けだな」


桜は女の子がいつ起きてもいいようにベットの側に座った


さーて、何するかな…手の甲の烙印でも調べるか


桜はミーミルの泉を使って色々と調べながら朝を迎えることにした


…ん?これは…

…暇にはならないな




「…ここは」

「あ、起きた?おはよう」

「!?人間!!」


女の子は文字通り飛び起きて桜から距離を取った


「あー待った待った、俺は話が聞きたいだけだって」


桜は手をひらひらさせて攻撃の意思がないとアピールした


「人間は信用できません」


…はぁ、面倒だな…

…よし


桜はすぐに氷の魔方陣を組み女の子の手足を動かなくさせ、ベットの上に座った


「な!?…この」

「これで少しは聞いてくれる気になったかな?

あ、俺にはもう魔物がいるから脅して奴隷にする気はないよ」


そう言って防音の結界の中にいる銀狼を指差した


「…わかりました…

…話だけは聞きましょう」

「ありがとう」


桜は氷を溶いて冷えたオレンジジュースを女の子に渡した


「毒とか入ってないから飲みたかったら飲んでいいよ」

「…で、何ですか」


女の子はジュースを無視して話始めた


「気が早いね…それじゃ聞くけど君はこれからどうしたい?」

「…それに答えても私はここで殺されるのでしょう」

「いいからいいから。建前じゃなくて本音でよろしく」


すると女の子は少し悩んでから口を開いた


「どうせ死ぬんですから言わせていただきます。

…私は…まだ生きていたいです!!私はまだこの世界でやりたいことがあるんです!!それもできずに死ぬのは嫌です!!」

「やっぱり死ぬのは嫌だよな…」


水奈は桜に構わずに自分の感情をぶつける


「当たり前じゃないですか!!好んで死ぬ人なんていませんよ!!」

「…他の主が見つからなかったら君はどうなるんだ?」

「野良の魔物として狩られるのを待つだけでしょうね」

「……もしな、主がいて生き残れる方法があるって言ったらどうする?」

「誰かに宛があるんですか!?」


桜は手を横にふった


「ないない。俺はここに来て間もないからなそんな繋がりはないよ」

「…期待させないで下さいよ」

「でも、思い付く限り俺に一つ案がある」

「え?……それは…」ゴクリ


女の子が息を飲み桜を真剣にみつめた


…よし、何事も挑戦だな


「俺と契約してみないか?」

「……は?」


女の子は桜が言った一言にぽかーんとしていた


「…あなた馬鹿ですよね。一人の主に一匹だけの奴隷は常識じゃないですか」

「馬鹿って酷いな…それにものは試しだよ…それともここで狩られるのが先か主を探すのが先か試してみる?」


桜は試すように言葉をかけた


「ついでにここは…えーと、魔物対策本部?だからね、うっかり奴隷持ちの主に会わないようにね」

「そ、そんな…私はどうしたら…」

「だから生きたいなら俺と契約しよ…って後は君次第なんだけどね」


桜はそこで眠気が襲ってきてあくびをした


「…わかりました、試しにやってみます…どうなっても知りませんからね」

「そうこないとね」


あ…やべ…俺契約の仕方知らないや


「…どうしたんですか?」

「…ごめん。俺契約の仕方知らないや」

「はぁ…あなたどうやってその子と契約したんですか?」

「気を失って起きたら契約してたからわからないんだよね」


桜は苦笑いをしながら頭をぽりぽりとかいた


「はぁ…わかりました、やり方を教えますから」

「ありがとう」


女の子はそう言うと片手に水でナイフを作った


「契約に必要なのはお互いの名前と血液なんです」

「血液?」


血液なんて使ったけ?


「お互いの血液を交ぜ、名前を教えあうと契約完了です」


あー、あの時は二人とも斬られたからか


「だから普通はこうやって」


女の子は自分の手のひらを水のナイフで斬って血を流した


なるほど…それは痛そうだ


桜は氷の刃を作り自分の手を躊躇いながら斬った


「いてて…これでOK?」

「はい、それでは始めますか……ダメ元で」

「アハハ…そうだね」


そう言って二人近づきは血を流してる方の手を合わせた



読んでいただきありがとうございます!!

誤字脱字のご指摘がありましたらお願いします


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ