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悪魔の足音

 足音がした。

 二つ聞こえる。双方は徐々に近づき、静かに止まった。虫も眠りに就いた、丑三つ時である。

「誰だ?こんな遅くに……」

 一方から、男の声がした。が、それに答える声は無い。

「泥棒か、強盗か?それとも、殺し屋か?」

 しかし、また返事は無かった。

 男は痺れを切らし、灯りを手に足音のした方向へ歩き出した。

 すると、もう一つの足音も、合わせるように遠ざかってゆく。これではきりがない。

 男は走り出した。と同時に、足音も走り出した。「まてっ」と叫びながら、必死に追いかけた。灯りが揺れる。

 二つの足音が、廊下に響き渡った。男の心の中では、犯人をかっこよく捕まえた時の自分の姿が浮かぶ。

 いよいよ、期待は膨らむ。後少しで追いつく。

 階段に差し掛かった時、一瞬犯人の姿が見えた。しめた!

 わっと高く、階段から飛びかかった。犯人を押さえつける、勇敢な自分の姿を想像しながら……。


 ドンッという、鈍い音。男が飛びかかったのは、一体のマネキンであった。

「マ……マネキンが……動いた!」

 なんと哀れな男なのだろう。自分の足音が、静かな夜に響いているとも知らずに……。


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