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三日間、眠りつづけたネオンはまだ……眼が覚めない。
彼女の看病を一番熱心にしていたのはフィーザだった。三日間ほとんど寝ていない彼女を知っているチェザは少し心配になって、その日は休日だというのに聖月の宮を訪れた。
「フィーザさあ、ここんとこずっと帰ってないんだろー?」
戸口から突然声をかけたチェザに、フィーザは驚くこともなく振り返った。少し憔悴した顔が、彼女には似合わない。チェザはそう思う。いつもと違う表情をしていたから。
「どーしたんだよー」
言い返してこないフィーザ。少し顔をあげてチェザを見たが、すぐにネオンに視線を戻した。
ネオンの表情は蒼白に近く、体力に限界がきているのだろう。このまま眼が覚め泣ければ命の危険もあるかもしれない。主治医となったイーザは何も言わないが、この表情を見ていればチェザでもそれくらいの想像はつく。
そしてまた、フィーザの表情にも疲労の色は濃い。サーラ国はいま、言いようのない不安に襲われている。その中でリアスがしっかり立っていなければならないとチェザは知っていた。誰から教わるでもなく、そう思っていた。それは幼いころからリアスたちと関わってきたがゆえの勘と経験なのかもしれない。
「だって……もうすぐなんだものチェザ。きっとたぶん、もうすぐなんだもの」
「……え? なにが?」
ゆっくりと言葉を紡いだフィーザに問い掛けたが、彼女はチェザを見上げてただ首を振った。
言葉の意味はまるでわからなかったけれど、ひどく大人びた雰囲気の瞳に見つめられて、チェザはどこか胸の奥が痛くなった。置いていかれた……そう思った。
同時にリアスになった彼ら。まだどこか子供でいられる一年。だのに、いつまでも子供のままでいられないことを知りながら、チェザはどこかで拒絶していた。
それなのに、いざ同い年のフィーザの、子供を逸脱しつつある瞳を見て、チェザは心が揺れていた。
嫉妬……にも近い思いで……。
(おれは……そんなんじゃないのに)
子供のままでいいと思っていた。ずっとこのままいられるかもしれないと、どこかで思っていた。
でもそれが違うことにはじめて気づいたのだ。
フィーザに気づかされたのだ。




