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国の再建

 ロナス王国の脅威が去り、ようやくレジアス復興と、ヴォルクウェイン振興に本腰を入れることができるようになった。


 ジュスタールとレイアもポルテンに戻り、最近はようやく落ち着いて来た。


 そして、その後の復興の動きであるが、まず政治実行体制として、王都ポルテンでジュスタール、レイア、ファンバステンが中心となって政治を行うとともに、レブフォートにポール殿下夫妻が赴き、復興の指揮を執ることとした。


 また、レジアスの西部ローウェン地方は、ホールディッシュ大公領として、ジェラードが自治を行うこととなった。


 統治を行うに当たっての人事も大幅に刷新され、内務卿のダナー伯爵が公爵に昇格の上で、宰相としてレジアスを担当し、グレッグが大公国宰相、シンクレアが内相となった。

 アーヴィング、マーティンの両侯爵も復権し、それぞれヴォルクウェインの外務と財務を担うこととなった。ちなみに、前宰相は引退し、領地で余生を過ごすそうだ。


 一方、軍は縮小再編成され、当面は復興に係る労役に従事することとなった。


 そして、肝心の食料事情であるが、シェンドラからチャーターしていた船舶を引き続き利用し、ヴォルクウェイン産農産物の移送を拡大したほか、サリーやエブロン産の農産物についても、ロナスとの関係正常化を受け、陸路で入れることとなった。


 また、レジアス地方とヴォルクウェインを隔てていたレッセル荒地についても、開発計画が策定され、街道が建設されることになった。

 そう、ここでも降水量が増え、人の立ち入りが可能になったのである。


 こうした中で、レジアスの治安は徐々に回復しつつある。

 まだ食い詰めた民はたくさんいるが、少なくとも水の心配はなくなったし、食料の供給も徐々に充実してきている。希望が見えれば彼らは再び生業に戻ってくれるだろう。


 聖教会については、ファルマン司教が枢機卿への復帰を固辞したため、ジャンパール・ガレが総裁として、総本山を取り仕切ることとなった。

 こちらはまだ信徒から寄付が集まる状況ではなく、大聖堂の復旧を始めとして、まだまだ遠い道のりではあるが、レジアスにおける信仰心は急速に回復し、従前以上の盛り上がりを見せているし、ヤース教会からの支援も入り始めているので、いつかは昔日の姿を取り戻すことだろう。


 そして、ヴォルクウェイン国内も依然として高い経済成長を続けている。

 今は厳しい冬だが、それでも新規の開墾や公共土木事業などが各地で盛んに行われている。

 そして、商工業についても、旺盛な国内消費だけでなく、レジアスの復興特需にも見舞われ、半ば狂乱状態である。


「いやあ忙しい。とにかくあれもこれも一度に押し寄せて来るんだもんなあ・・・」

「いつの間にか、大陸一の大国になってました。」

「それでいて、政治と行政の能力は今でも小国並なんだから、忙しいはずだよ。」

「陛下、新たな農地開拓・配分計画が策定されました。」

「半年でもう第四次だよ。計画する意味あるのかなあ。」

「これを実行しないと、土地関係の訴訟だらけになりますぞ。それに、ポール殿下の方がよほど大変です。」

「そうですね。亡くなられた方の所有地がモザイク状に点在しているとおっしゃってましたね。」

「あそこは宰相と官僚組織がちゃんとしてるじゃないか。だいたい、あのポールが真面目にやってるとは思えん。」


「まあ、陛下ほどはやっていないでしょうな。」

「でも、いつかはゆとりもできますので。」

「やっぱりレイアは強いと思うよ。」


「しかし、5年後には、復興できておりますかな。」

「どうだろうね。人口が回復しないといけない分野も多いからね。」

「ポルテンはベビーラッシュだそうです。」

「あっ・・・」

「乗り遅れないようにしっかり頼みますぞ。」


 こうして、レジアスの復興とヴォルクウェインの発展は続く。


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