桜の季節
今年も日本列島は薄いピンク色で染め上がった。
地球温暖化の影響で列島の津々浦々に植えられているソメイヨシノが殆ど同時に満開となり、咲き誇っている。
ただ悲しい事に咲き誇る桜の木々の下をそぞろ歩く人たちは誰1人として、咲き誇る桜の花を見上げ愛でようとはしなかった。
偶に上を見上げ腕を伸ばす者は桜の梢に咲く花では無く、枝に止まり道行く者たちを見下ろす鳥たちを見つけての事。
地球温暖化によってシベリアのツンドラの永久凍土からかそれとも南極の氷の下からか、未知の病原菌が長い眠りから目覚める。
その未知の病原菌が人と接触した結果、人々は自我を失い身体のコントロールを病原菌に奪われて行く。
今、桜の木の下をそぞろ歩いていているものたちは、病原菌に身体をコントロールされ病原菌を拡散させようと非感染者を探すゾンビの群れだけだった。