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この転生に抗議します!  作者: 淡星怜々
プロローグ
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01話『転生』

「次のニュースです……」


 今朝もテレビに映るニュースキャスターは、深刻そうな顔で次から次へと事件を紹介している。

珈琲と焼きたてのトーストにバターが染み込んだ良い香りが充満する、俺の優雅な朝食を邪魔しないでいただきたいものだ。

 最近以前にも増して、治安が悪くなっているような気がする。


「……で、女子高生が行方不明となっています。警察は事件と見て、捜査を進めています」


 この事件、家から近いな。

 先程の行方不明になったらしい女子高生は、隣町の高校の生徒のようだ。

 遂に身の危険を感じ始めるとは……


「蒼弥! そんなにゆっくりしてると、また遅刻するよ! 」

「はーい……」


 毎日のように口うるさい母親のその言葉を聞き流し、生返事を一つした。


「そんじゃあ、行ってきます」

「あんた、今日は早いのかい? 」

「うん、そのつもりだよ」


 今日も、いつもと同じように平凡で退屈な、なんて事ない日常が訪れると、心のどこかでそう思っていた。


「雨の日はどうもしんどいな……」



 しかし、それは災害のように突然訪れた。


 俺が通う高校までの通学路。

 目を閉じていても、何となくどこか分かるくらいに、毎日毎日歩いた道だ。


 その途中にあるメインストリート。

 今日は少し交通量が多かった気がする。


「まずいな……このペースじゃ遅刻だ」


 長い横断歩道を渡っている途中、車が吐き出す排気ガスと少しずつあちこち侵食してくる雨水に少し嫌気を感じながら、腕時計に目を落とした。


 その瞬間、目の前が真っ白になった。

 目と鼻の先に、雷が落ちたかのような衝撃も感じた。


 俺はすぐに理解した。


「俺の最期が、トラックに轢かれる。とはな」


 今話題の転生物だと、これから俺は転生もしくは召喚されるんだが……

 あまりにもベタだ。ベタすぎる。


 遠くの方で人の騒ぐ声と、パトカーか救急車のサイレンの音が聞こえてくる。


 その少し後、俺の意識は途絶えてしまった

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