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1、沙比とハムスターと霧隠れ Ⅷ

 沙比は一部屋ずつ、しっかりと炎をチェス盤の上に落としていきました。


 松明は沙比の身長では到底届かない位置にありました。そのため、あのタンスの傍に置いていた剣を使いました。振り回せなくても、掲げることくらいはできました。


 一階分済めば、上に上がって同じことを繰り返す。


 チェス盤を燃やした炎は、そのまま館の床や壁を燃やしました。あれほど強固だったガラスも、椅子も、火の粉に変わっていきます。


 改めて見れば、黒ずんだあの駒たちは、喪服や制服を着た親戚や級友そっくりでした。それがチェスを見たことのない沙比が、駒に見覚えのあった理由でした。


 そろそろ猛獣が復讐の業火を運ぶ頃でしょう。


 後ろを振り返ると、丁度、背中を焼かれたチーターが沙比と同じ階に上がってきたところでした。

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