表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/531

ステッカー


昔、5~60年前、60年安保だか70年安保だか知らないけど、曾爺さんがその頃共産主義にかぶれ赤党に入党。


その後結婚した曾爺さんは息子である爺様、孫である俺の親父、曾孫である俺、全員を無理矢理赤党に入党させた。


入党するのは好いんだけど毎月近くの自衛隊駐屯地に行って、「自衛隊は憲法違反だ!」と非難する集会に参加させられるのが嫌なんだよな。


俺はそんなもんに参加するより遊びに行きたいんだ。


今日も集会の日だったけど曾爺さんの目を盗み遊びに出かけたら、罰が当たったのか土砂崩れに巻き込まれ車ごと生き埋めになった。


今、俺の耳に土砂を掻き分ける音と人の声が聞こえる。


窓の外の土砂に小さな隙間が開きそこから光が射し込み、「大丈夫ですかー!


もう暫くの辛抱です、頑張ってください!」と言う声と自衛隊員の姿がチラホラ見える。


ホッとした俺の耳に先程とは違う声で、「あれ? この車あのステッカーが貼られていますよ」との声が聞こえた。


途端、土砂を取り除く音が消える。


そして先程の自衛隊員の声で、


「申し訳ありません。


私達は直ぐ失礼します。


あなたの事は警察と消防に知らせておきますのでそれまでお待ちください」


との声が聞こえた。


ハァーそうだよなぁー、俺の救出を放り出して次にいくよなぁー。


「あんな奴等に救助されてたまるか!」と言う曾爺さんに渡されたステッカーを車のあちこちに貼ってあるからなぁー。


ステッカーにはこう書かれている。


私は憲法違反の自衛隊という組織を認めません、ですから私は自衛隊による救助を拒否します。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ