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息子と愛犬
昔大雨で増水した川を俺は息子と愛犬を連れて見に行った。
増水した川はゴウゴウと音を立てて流れている。
その川を眺めていたとき水際まで近寄った愛犬が足を滑らせ川に落ち、助けようとした息子も一緒に川に落ちた。
息子は愛犬を抱き上げ助けを求めながら流されていく。
俺はその後を必死に追い川が蛇行しているところで先回りし、助けを求めて手を伸ばす息子と愛犬に手を差し伸べた。
今俺は息子と愛犬のお陰で悠々自適な生活を満喫している。
息子にかけていた保険を満額で受け取り、血統書付きの愛犬が沢山の仔犬を産んでくれているからだ。




