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476話 成就


昔、10数年程の前から私にはある願いがあった。


願いを叶えてもらいたいとの思いから、願いが高確率で叶うことで有名な霊山の頂きにある神社に御参りに行った事もある。


だが何度通っても願いが叶う事は無かった。


だから伝をたどり、願いが何度も叶った人にコツを尋ねる。


「あんたは神社に行った時、如何程賽銭箱に入れる?」


「5円から100円程です」


「5円、100円だって?


ハハハハハハ………………。


あ、失礼。


あそこの神社と言うか神様はね、金の亡者なんだよ。


地獄の沙汰も金次第って言葉があるだろ。


最低でも6桁後半、7桁から8桁の金を奉納するのが普通なんだよ、彼処は。


私の知り合いでロト7で10億円を何度も当てている奴は、毎回1億円奉納しているらしいよ。


だからどうしても願いを叶えて欲しければ、それなりの金を奉納するんだね」


私は聞いたことを頼りに霊山に行き、玩具の金を賽銭箱に投入し金持ちにしてくれと願う。


今、山の麓まで続く急勾配の長い石段に足を踏み出した私の背を誰かが罵声と共に蹴り飛ばす。


「儂に贋金を寄越すとは不信心者めー!


死んで償えーー!」


蹴り飛ばされ石段に頭を打ち付け意識を失った私は、数百メートルある急勾配の石段を転がり落ちて行く。


意識を失う寸前、私は願いが成就したことを知る。


私の本当の願いは、早く死んで楽になりたいだったからだ。





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