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472話 火に油
北の大国が後ろ楯のA国と、過去にその周辺を支配していたT国が後ろ楯になっているA国は昔から仲が悪く、民族紛争が絶えなかった。
北の大国、T国、後ろ楯になっている国だけで無く、紛争が拡大することを恐れるヨーロッパの主要国や海の向こうの大国等が、両A国に特使を派遣して紛争が終決するように説得し停戦させようとしている。
しかし今、両国は停戦になるどころか全面戦争になりかけていた。
理由は派遣された特使と共に両国に入国した各国の武器メーカーのセールスマン達が、売り込みたい地対地ミサイル等の試供品をその威力を売り込み先の軍上層部に知ってもらう為に、紛争中の相手の非戦闘員が多数いる街に次々と撃ちこみ、両国の政府、軍、国民の相手に対する憎しみを煽っていたからだ。




