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471話 不思議な体験


私が以前体験した不思議な話を聞いて欲しい。


昔、子供の頃から私は風呂好きで暇さえあれば湯船に浸かっていた。


大人になってもそれは変わらず、ずぼらな性格で部屋掃除なんて2~3カ月に1回くらいしかしないのに、風呂場だけは毎日掃除するくらいの風呂好き。


あの日、大地震が起こった日も風呂でまったりしていた。


突然の揺れに私は湯船にしがみつき揺れが治まるのを待つ、風呂場の外からは壁や天井が崩れているらしいガラガラガッシャーンって音が響いて来る。


揺れが治まると同時に逃げようと風呂場の扉を開けた。


風呂場の外、脱衣所は、瓦礫の山で洗濯機の上に置いた着替えや下着さえ見えない程。


茫然と瓦礫の山を眺めている私の身体が瓦礫の間を吹き抜けて来た風が冷す。


寒さに震え湯船に飛び込む。


不思議な体験と言うのは此所からで、外は瓦礫の山でマンション自体が倒壊している筈なのに、風呂場の電気は消えておらず追い焚き機能で冷めた風呂が温められ濁ってない水が蛇口から出る。


電気もガスも水も奇跡的に無事だったのか? と思いながら5日後に救助されるまで湯船に浸かり風呂を堪能していた。


5日後警察や消防の人たちに救助され担架で運ばれる時マンションを見上げたら、良く生き残れたと思うくらいにグシャグシャ。


避難所で再開できた同じマンションに住んでいた知人に聞いても、電気、ガス、水道は地震の直後から供給がストップしたと言う。


だから何故私の風呂場だけに電気ガス水が供給されていたのか未だに理由が分からない。


でも再建されたマンションで私は今、風呂場を「ありがとうございました」と呟きながら掃除している。





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