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405話 犬
昔から犬を食う習慣があった犬食いの蛮族、その蛮族の国の1ツである独裁国家では支配階級の者達は犬を食いすぎて、被支配階級の人々は空腹を癒すために犬を食べた為、独裁国家内に犬がいなくなった。
今、友好国を訪問した独裁国家の官僚が、出迎えた相手側官僚の妻が抱いている動物を見て尋ねる。
「それは何ですか?」
「え、この子の事?」
「はい」
「私の大事な愛玩犬よ」
「それが犬でしたか、初めて見ました」
そう答えながら独裁国家の官僚は、歓迎会にその犬の肉を使った料理が出てくる事を願った。




