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迷惑
昔、昔と言っても生きていた頃だから3~4年程前の事だけど。
墓の中でお寺の前の道を爆音を撒き散らしながら走り去るバイクを煩いと思いながら眺め、俺がどれほど人様に迷惑を掛けていたのか思い知った。
死んだ時の事はよく覚えている。
仲間達とバイク数台で爆音を響かせ傍若無人に走っていた。
最後尾を走っていた俺はカーブを曲がり損ねて転倒、仲間達は転倒した俺に気が付かず走り去る。
事故に気が付いた道沿いの住民が見に来たけど、三段シートのバイクと特攻服姿の俺を見て顔をしかめ軽蔑の目で眺め救急車を呼ぶことなく戻っていく。
仲間が探しに戻って来てくれて救急車を呼んでくれたけど、大量出血していた俺は救急車の中で息を引き取り今此処にいるって訳だ。




