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397話 知ったこっちゃない
昔この団地に引っ越してきた当初は住んでいる人たち皆仲が良く、互いに助け合って暮らしていた。
しかし年月が経って仲の良かった人たちが段々といなくなり少なくなると、団地に住まう人たちの顔ぶれが変わり助け合う事は無くなる。
新しく引っ越してくる人たちの大半は外国人でまともに日本語を話せない人もいた。
今警察官が私の部屋を訪ねてきて、数階下に住んでいる一家の男の子が行方不明になっているのだが何か知らないかと聞いてくる。
団地の前を流れる溝川で遊んでいて増水した川に流される所を目撃していたが、私は知らないと答えた。
何故かって?
下手に知っていると答えると、子供の親に見ていたんなら助けろと言われるの嫌だったからだ。




