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哄笑


私は昔生まれたときから両親に、否、屋敷の使用人達を含めた全ての人間に虐待されて生きてきた。


両親の美貌を受け継がず平凡な顔立ちで生まれたから。


私が生き続ける事を許されていたのは、母が私を産んだとき身体を壊しそれ以後子供を孕む事が出来なくなった事と、私に婿を宛がい千年以上続く血筋を残す為。


屋敷の中に私が安心して過ごせる居場所は何処にも無かったのに、今、私が安心して暮らせる居場所が出来た。


父との政争に破れ没落した男に誘拐され幽閉されたから。


男はこう言った。


「お前の父親との政争に負け全てを奪われた俺だが、この都心の一等地に建つ屋敷の地下深くに造らせていた核シェルターだけは見つからずに済んだ。


お前は此処で終生暮らすのだ」


男は私にそう言って核シェルターから出て行った。


手首を縛る紐を解き核シェルターの管理室に行きモニターを眺めた私の目に、死屍累々の街が映る。


パソコンで調べたら未知の伝染病が世界中に蔓延し、人が次々と死んでいるらしい。


数秒毎に切り替わるモニターの画面の中で人が次々と死んでいく様を、私は哄笑しながら眺めていた。





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