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線引き

2020年4月予約投稿


昔、昔と言っても数年前の事だが、新型肺炎に罹患した人たちの間に明確な線が引かれた。


医療従事者などその職務上罹患した人たちと濃厚に接触しなければならなかった人たちや、普段通りの生活をしていて自身に何の落ち度も無いのに罹患してしまった人たちなどと。


逆に人が多数集まる場所に行かないように注意換気がされているのに、ライブ会場に出掛けたり格闘技のイベントに参加したりした者達や、外国旅行は止めるように警告されたにも係わらず旅行に出掛けた者達、それにその者達を止めなかった家族など。


前者の人たちに掛かった医療費は全て国費で賄われた。


それに対し後者の医療費は自身の身勝手な行動によって罹患したと見なされ、全額個人負担として国から医療費を請求され貯金や不動産などの資産を差し押さえられる。


身勝手な行動により感染させられた人たちの医療費も請求されたため、人によっては全財産を差し押さえられた。


それにより破産した者もいたが、彼らに対して生活保護など国による支援は一切行われていない。


ガシャン!


「サッサッとクタバレ! 糞共が」


窓に石を投げつけられ酔っ払いの罵声が響く。


今、私と家内は互いに顔を見合せ頷き合い、止めたにも係わらず外国旅行に出掛け罹患して帰国し、先週近くの橋から飛び降りた息子の後を追おうと、踏み台にしていた椅子を蹴り飛ばした。




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