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2通目の遺書
昔親戚の小父さんが亡くなる。
彼は世界で5本の指で数えられる程の資産家だったが不幸が続き、配偶者も子供達も彼より先に亡くなっていた。
事故等で亡くなったように見せかけて殺されたのだが。
誰がって?
そりゃ彼の資産を狙っている誰かにだよ。
彼はその資産を目当てに群がって来る者達に遺書を残していた。
弁護士がそれを読み上げる。
「資産を分割する愚は避けたい。
だから全ての資産は1人だけに譲る。
話し合いでも何でもしてその1人を決めろ」
結果、資産を我が物にしようとする者達で殺し合いが始まった。
で、今、ただ1人勝ち残った俺は刑務所から出所して弁護士の下に来たって訳だ。
そうしたら弁護士の野郎がもう1通遺書が出てきたと言い、それを読み上げる。
「ただし、前科者は除く」




