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因果応報(職質)
昔俺は通り魔事件を起こした。
被害者は偶々俺の前を歩いていた高校生くらいの女。
捕まってから弁護士に聞いた話しでは、殉職した警官の娘で俺が与えた傷の所為で親の跡を継いで警官になる夢が断たれたらしい。
その所為なのか知らないが、刑務所を出所して家に帰りつくまでに数回、警官からの職質にあう。
出所した日だけでは無かった。
毎日俺を見つけた警官全員が職質してくる。
道を歩いている時だけでなく、やっと見つけたコンビニでの仕事の最中もコンビニに来店する警官全員が職質してくるのだ。
今、中学の同級生で警官になった奴に道で出会ったのでその事を愚痴る。
そうしたらそいつは能面のような表情でこう言った。
「殉職した警察官の跡を継ごうと頑張っていた娘さんが、お前に襲われた事で夢を断たれた。
その所為でお前の顔は全国の警察官の頭に凶悪犯として叩き困れている。
だからお前の顔を見た警察官は全員、凶悪犯がまた事件を起こさないかと職質を行っているのだ。
お前は此れからも一生職質され続ける、諦めろ」




