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幽霊屋敷
僕が住んでいる村から見える小高い丘の上には古ぼけた屋敷がある。
高い塀と深い堀に囲まれ塀の上には監視カメラが要所に備えられている屋敷。
昔、爺ちゃんや婆ちゃんが子供の頃は1カ月に1度程は宅配のトラックが出入りしていたらしいけど、今ではトラックも人も誰も訪れる者はいない。
僕はそんな屋敷が気になり、ある夏の夜屋敷に忍び込んだ。
埃だらけの屋敷の中に足を踏み入れると、上の方から微かに音が聞こえて来る。
その場所に向けて抜き足差し足進み明かりが漏れている部屋中を覗き込む。
覗き込んで僕は確信した。
此処が幽霊屋敷だという事を。
そのとき悲鳴を上げなかった僕を誉めてあげたい。
だって、部屋の中のモニターの前で一心不乱に骸骨がゲームをしていたんだよ。




