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防弾効果
昔から権力を握る者達は皆、権力を持つ者を憎む者に襲撃された。
襲撃者が現れると周りにいる者達は自身の身体を盾として、権力を持つ者を襲撃者から守る。
今もある国の独裁者を憎む暗殺者が独裁者に自動小銃の銃口を向け、引き金を引いた。
独裁者と言葉を交えていた多数の者達が盾となるべく独裁者の周りを十重二十重と取り囲む。
しかし、独裁者は暗殺者が放った銃弾により射殺された。
いくら独裁者の周りを十重二十重と取り囲み自身の身体を盾にしても、骨と皮だけの身体では防弾効果を得る事など不可能だったのだ。




