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一人っ子
昔からこの村の殆どの家は貧乏だった。
でも家だけは代々裕福で、祭りや祝いの日以外でも肉が食べられる。
以前祖父が生きていたとき、「何で村の他の家は貧乏で、肉を食べられないの?」と聞いた事がある。
祖父は「貧乏人の子沢山だからだ」と答えた。
確かに家の子供は僕1人だけど、村の殆どの家は子沢山で兄弟姉妹合わせて10人以上いる家も多い。
偶に兄弟姉妹が沢山いる家を見て羨ましく思う時がある。
だから今、両親に弟か妹が欲しいと言う。
そうしたら両親に、「「お前が肉になるならつくってやるよ」」と言われた。




