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計画停電
昔、祖父や父が生きていた頃から我が国は敵対する国々によって経済封鎖を受け、発電所を造っても発電に必要な燃料を輸入する事ができず、何時も電力不足に悩まされていた。
それに報復するための計画が練られ、今、それが実行に移される。
秘密裏に建造された核シェルターに家族や私に絶対的な忠誠を誓う者達と共に入り、敵対する国々に向けてICBMの発射命令をくだす。
…………5分…………10分…………30分…………1時間…………2時間………………。
「何故? 発射したという報告が来ないんだ?」
私の発した疑問に部下が部屋の外に駆け出して行き、戻って来ると報告した。
「首都以外では計画停電が実行されていて、発射命令が部隊まで届いていませんでした」




