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足がはやい
昔親父と仲が良かった釣り好きの近所のおじさんが海釣りに出かけ、その帰りに家に寄って「釣れすぎたから食べてくれよ。
足が早いから今日の晩飯にしてくれ」と言いながら沢山の魚をお裾分けしてくれた。
あれから数十年経った今、親父と仲が良かったおじさんの息子で同じように釣り好きの幼馴染みが海釣りの帰り家に寄り、「足がはやいから気をつけてくれよ」と言いながら釣った魚をお裾分けしてくれる。
本当にはやかった。
放射能が溶け込んだ海で獲れた魚の所為か足が生えていて、オリンピックの短距離選手くらいの速さで逃げていく。