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軍靴の響き


昔。


ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、………………。


兵営から駅に向かう道を沢山の将兵が規則正しく軍靴の音を響かせ行進している。


使い込まれた背嚢と小銃を背にした古参兵、童顔の顔を緊張で強張らせている新兵、兵士達に命令している青年将校、軍歌を高らかに歌い歩調を合わせお国の為に海の向こうの戦場に向けて歩んでいた。


道の両側には沢山の人が群れ、「万歳!」と道を歩む将兵に声をかけている。


僕も家から大通りに向けて走り、大人の人たちに混ざって兵隊さん達に向けて「万歳!」と叫ぶ。






今。


雪が降り積もる深夜、僕の耳に駅の方から沢山の人が歩調を合わせて歩く音が聞こえて来る。


ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、………………。


家をそっと抜け出し大通りに向けて走った。


駅から兵営に向けて沢山の将兵が大通りを歩んでいる。


古参兵も新兵も青年将校も皆一様に真っ白な顔で歩んでいた。


兵営に向けて歩む将兵を見続け見送ったあと寒さでブルっと震え僕は我に返る。


通りには雪が降り積もり、人が歩んだ跡は何処にも見当たらなかった。




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