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食堂
昔家の近くに老夫婦が営む食堂があった。
料理はどれも美味しかったが、特に肉料理が美味しいと評判だった。
老夫婦は大陸出身で幼い頃共に両親に連れられて移民してきた幼馴染み同士だという。
移民してきても貧しい生活は変わらず幼い頃は何時もひもじい思いをしていたので、母国から留学してくる同胞の若者達にはそういう思いをさせなく無いと、留学生をアルバイトとして雇っていたのを記憶している。
ただ何が気に食わなかったのか知らないが、アルバイトは定着せず何時行ってもアルバイトの顔が変わっていた。
数年前老夫婦が相次いで亡くなり店も人手に渡る。
今、土地の所有者がアパートを建てようと食堂を取り壊したら、食堂の下から沢山の人骨が出てきた。