箱入り娘の家出-4-
【キッチンで、びしょびしょの段ボールを捨てた】
【リビングを覗くと、さっきより大きな段ボールがゴソゴソと音を立てていた】
男「どこから、持ってくるの?それ?」
姪っ子「2階から」
男「あったっけ、そんなの」
姪っ子「あったよ、いっぱい」
男「あー、そういえば引っ越しで使った段ボール押し入れに入れっぱなしだったかも」
【男はリビングのソファーに座るとテレビを付けた】
姪っ子「アニメがいいな」
男「アニメは21時だから、やってないだろうな」
姪っ子「あっ、クイズにしよ。さっきのチャンネル」
男「はいはい」
【男は言われた通りにクイズ番組のチャンネルに変えた】
姪っ子「じー」
男「じー」
姪っ子「3番だね」
男「いや、これは4番だよ」
姪っ子「絶対3番、だってこの前先生が言ってたもん」
男「むむ、じゃあ3番かな……」
姪っ子「じー」
男「じー」
姪っ子「……」
男「2番だったね……残念」
姪っ子「先生は嘘つきだ」
男「うーん、先生勘違いしてたのかな?」
姪っ子「明日学校で問い詰めようと思う」
男「お手柔らかにしてあげてね」
【ピピ……ピピ……とお風呂のお湯が沸いたことを給湯器が知らせてくれた】
男「お、お風呂が沸いたね。そういえば着替え持ってる?」
姪っ子「持ってない」
男「そうだよね……困ったな……」
姪っ子「大丈夫。一日くらいパンツを変えなくても死なない」
男「それはそうだけど……うーん、何かあったかな家に……」
男「あ、先入っといで。僕は後でいいから」
姪っ子「わかった」
【段ボールがズルズルと風呂場に向かって、引きずられていった】




