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フェアリーテイルオブシーヴ  作者: unique
【Ⅱ】イズムルート王国
9/58

2-1

最初にレッフェルと出会った草原を東に進んで行く。


時折魔族と遭遇するものの、

聞いた通りエーデルシュタイン近辺は下級ばかりで、

2人は難無く魔族を倒して進んで行く。


この辺りの魔族は、植物種魔族と言うらしい。

その名の通り、植物のような姿をしている。

植物種魔族は、

中級から“アルラウネ”と呼ばれるようになり、

中級から人型に近い姿に変身できるそう。


植物種魔族以外の魔族も同じように存在し、


・血を吸う美しき吸血種魔族の“ヴァンパイア”

・しなやかな肉体の愛玩種魔族の“ワーキャット”

・荒々しい性格の獣畜種魔族の“ウェアウルフ”

・鱗を持った有鱗種魔族の“メドゥーサ”

・翼を持った有翼種魔族の“ハルピュイア”

・水中戦を好む海洋種魔族の“ローレライ”

・二対以上の角を持つ多角種魔族の“ミノタウロス”

・精神を侵す悪魔種魔族の“インキュバス”

・恐ろしい姿をした死霊種魔族の“ゾンビ”


以上の魔族が存在しているのだと

フォルケッタが得意げに教えてくれた。


「何でも、生前罪を犯し天界に召されなかった魂が魔族となるそうですよ」


日も暮れてきたので、草原を越えた先の森の中、

泉の畔で夜を過ごすことにした。

焚き火を炊きながら、レッフェルがぽつりと漏らした。


「ヒトは皆、死後は魂のみの存在になるそうです。美しい魂はまた新たな命として産まれ、醜い魂は棄てられ魔族となるそうです。美しい魂は神様からの慈愛で魔力を与えられ、この世界に産まれたヒトは皆魔法が使えるのですよ」


内心、宗教染みてるなって思ってしまった。

反応に困って、へぇ‥‥と曖昧な相槌をうつ。


「あ、引かないでくださいね。昔聞いた“御伽噺”です」

「‥‥有名な話だよね。僕も知ってる」

「真偽はどうあれ、罪を犯すのは良くないですから」


マカロンを齧りながら2人の話に耳を傾ける。


素朴な疑問何だけど、酒場の時もそう、

私の両サイドに2人がセットされるのは何故なのか。

守っていただいているということでよろしいか。


「結局まだ名前は判らずじまいなんだっけ?」

「名前‥‥かは判からないけれど、これが」


胸元のブローチを外して、ロケットの中身を見せる。

calixの文字を見て、レッフェルは首を傾げ、

フォルケッタは黙り込んで険しい顔になった。


「カリス‥‥“聖杯”を意味する単語ですね」

「‥‥」

「フォル?顔色が悪いけれど大丈夫かい?」

「酒場の‥‥襲撃事件で、上級魔族が言ってた‥‥“聖杯”を探してるって」

「「!!」」


ザア‥‥。

急に辺りの草木がざわめき出す。

2人は剣を抜いて私を背に挟むように構えた。


微風の中に一際強い風が吹くと同時、

2人は剣を振りかざした。

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