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ガンジー(元爺)サーガ  作者: タマ
95/206

出た

翌朝目覚めたら、シルエットが隣で寝ていて驚いたが。ちゃんと夜着を着ていたのでホットする。


俺の気配でシルエットも目覚めたのか、起き上がって。真っ赤になりながら言い訳をしている。母ちゃんのテンションが高過ぎて、避難して来たそうだが・・・俺が母ちゃんに叱られそうだ


昼過ぎに母ちゃんが、面会に出て行った。今更心配しても始まらないが・・計画の漏洩だけが気掛かりなのは間違いない


午後も半ばを過ぎた頃、のじゃからの使いが来て屋敷に来て欲しいとの言伝てがあったので。シルエットと共に馬車で向かう。のじゃの屋敷は爺さんの隠居所だったらしく、王都の外れの静かな森の中に建っている


ガタンという激しい揺れで馬車が傾き停まった


「お嬢様、馬車の車輪が壊れてしまいました」

御者さんが言う

 

「家の者を呼んで、馬車を持ち帰ってちょうだい。私達は歩くから」

シルエットがそう言って馬車から降りたので。続く


「後5分も歩けば着きます」

と言うシルエットを背中に隠すのと、前方に手を向けて「井村屋」と頭の中で叫ぶのは殆んど同時だった。前方から凄い威圧が近付いたのに反応したのだが、ガインと言う鉄同士がぶつかる音と体が後ろにズレるのが同時に起こる。


「チッ!硬ってえなあ。まあ、女を後ろに庇ったのは合格だな。見逃してやってもいいぜ、今日はだがな」

スチャンと言う剣を鞘にしまう音がする


用心しながら、盾を消すと。男が立っていた。耳が横に長い、エルフだ・・・


俺は魔力で圧縮した鉄の弾丸を構築する。爆発型では無く推力重視で先端にアダマンタイトの鋭い弾頭を仕込んで

「女連れを襲うのは問題無いのか?なっと」

気合いを込めて打ち出した


「そこは、う、うおっ!」

反応はされるだろうと予測していたが、まさか剣で受けられるとは・・・剣が根元の辺りで折れていた。


「そこは、何なんだ?」

中断された先を問う


「この剣、高かったんだぞ。まあ、女連れを襲ったのは悪いよな。女を庇うと力も半減するし楽しみも減るが、お前魔法使いだろ。魔法使いなら魔術障壁に頼る奴が多いから、一瞬で終わり。女にも被害は及ばないと思ってな」

分けの解らない事を、言われた


「子供連れでも襲うのか?」

流れで聞いたのだが


「バカ言うな、子供は宝だ。特に俺達にはな」

変に力を込めて言われた


「お前、1等級冒険者だろ。ちゃんと調べて仕事しろよ!お前の雇い主は子供を殺す、正確には。雇い主の操り人形が幼い5才前後の女の子を、犯し殺す変態だ」

タイガンが雇い主だと確信して言った


「出鱈目を言うな、俺はお前が女に見境いが無いろくでなしだと聞いたから引き受けた。面白そうとも思ったがな」

人魚達相手に見境い無しなら、もう死んでます


「お前バカだろ、ちゃんと見極めてうごけ。王都から東に70キロ余りの所にモンブランて町が有る。その町から北に10キロ行けば、牧場が有る。奴隷の人間牧場がな、見れば解るよ。何が真実か」

疲れて来た


「本当だろうな!」

見てこい!


「俺は逃げも隠れもしない、嘘だったら俺を狙えば良いだけの話しだろ。逆に本当だったらどうしてくれるんだ?俺はお前の被害者じゃ無いのか?それともお前は、自分が間違っていても認めない。最低の奴か?」


「それは違うぞ、俺は誇り高きエルフのリーフだ!」

こいつやっぱりバカだ


「お前、モスタウンのギルマスのキース知ってるか?」

もげろ、イケメン


「知ってるが、アイツは好かん!人の事をバカだバカだと言いやがる」

やっぱりバカだった・・・・


「キースに言っといてやるよ、変態に騙された、リーフって奴が俺を殺しに来たってな」

又借りが増えましたね。とか言うんだろうな・・・


「そ、それはやめろ!」

少し焦ってる奴がいる。


「騙された、お前も納まらないだろうが。熊は殺すなよ!俺が去勢して後悔させるんだからな」

譲る気はない


「熊はダメか・・虎は大丈夫だよな殺しても」

バカ確定だけど、犯人も確定


分けの解らない会話が終わると、リーフは走り去って行った。初見でも砲弾止められたし・・・連続で打ち込んでも・・・当たるかどうか?今の俺では勝てないな。強い奴はやっぱり居る


魔法は障壁を作られると消滅してしまう、魔力で召喚した水や岩弾も消滅する。物質を変換した物は消滅しない。推進力のみが落ちるだけだ。防護障壁は手元1メートルから10メートル程の出現位置が選択出来るのだが手元から離れる程厚みが出せる特性が有る。本来、魔法は対人戦には向かないが。アダマンタイトがポケットに有る俺には多少の対人戦もこなせる事を。散々検証して解ったのだが。強い相手には効果が望めないかもが。今回の収穫か・・・


俺はセコく砲弾を回収して振り返ると

「今のはお知り合いですか?」

シルエットに聞かれた、下らない話しをしたせいで勘違いされた


「あれは、タイガンが雇った殺し屋だよ」

騙されてたけど


「えっ?普通に話されてましたよね?」

訳が解らないって顔してる


「殺気が消えたから、誤解を解いてただけだよ」

おバカなイケメン、昔流行ってたな・・・


「一瞬遅れてたら、確実に死んでた。馬車が壊れた辺りから警戒はしていたがな。多分姫の呼び出しも、本人じゃないだろうな」

ほぼ間違いないだろうな・・


「えっ?それって・・・」

今頃気付いたのかい、お嬢様


「罠にハマった、と普通は言うな」

一瞬シルエットの顔を見て、何を考えたかは秘密です


話してる内にのじゃの屋敷について。当然


「妾は使いなど出しておらんぞ、誰の仕業じゃ?」

と言う答え


「タイガンの雇った暗殺者に仕組まれた罠にハマっただけだよ」

笑いながら言うと


「お前を、殺せる奴などおらんのじゃ」

のじゃの言葉に


「いや、確実に俺より強かったよ。あれは300年は戦ってるな多分・・・」

答えた


「姫様、あれはエルフの戦士でした」

シルエットが教える


「何と、エルフとな。確かにエルフには何百年も戦闘に身を置く化け物が居るらしいがの」

のじゃが少し驚いている


「タイガンの命は、後5日くらいで消えるかもな」

5日持って欲しいが本音だ


「何故死ぬのが、お前でなくタイガンなのじゃ?」

のじゃの疑問に


「騙されたと解ったエルフの報復だよ」

答えてあげる


「それより、頼みが有る。明後日は、夕方から寝て夜中から明け方迄起きててくれるか?」

のじゃは断らない、そう確信が有るような言い方をする


「妾が、断らぬと確信するようなもの言いじゃな」

はい


「礼は楽しみにしてくれて大丈夫だ。きっと喜ぶ」


「妾は望みが高いぞ!」

最悪、のじゃの兄ちゃんに丸投げするから。問題無し


のじゃが用意した馬車に揺られながら、ブラパンの屋敷を目指す


「この世に、ガンジー様より強い者が居るなど。信じられません」

信頼してくれるのは嬉しいが、狂信者は願い下げだ


「あのな、シルエット。俺は未だ15だよ、そんな歳で最強何て有り得ないだろ。世界は広い、俺より強い奴の百や2百は居て当たり前何だよ」

何百年も自分を研き続ける人達に失礼だ


「そうなのですか・・・・・」

少し不安そうな顔をする


「だが、俺の持論は生きる努力は惜しむな。だからな、もっと強くなって見せるさ。10年後、20年後と更に強くな!」

流石にエルフの5百年物とか出て来たら負けるだろうがなぁ・・・


「はい!わたくしも強くなる努力を、惜しまず致します」

シルエットには、計算と管理の方を頑張って貰いたいんだけど・・


馬車が停まるとブラパン邸の前だった

 

「わたくしに見惚れて、何も言えなくなったクーガーに。全て承諾させるのは簡単でしたわ」

帰ったら直ぐに面会の報告をしてくれた母ちゃん、クーガーはシルエットの親父さんの名前らしい。黒豹にクーガーって名前もどうかと思うが・・・


とりあえず、前準備は順調なようだ。母ちゃんにコラーゲン粉末と昆布粉末を渡して、コップにお湯をほんの少し入れて。添え付けて有る極小匙に軽く1杯づつ溶かし、寝る前に顔に馴染ませ叩くようにと。軽く数回ポンポンとするような仕草をして指導する


5日の朝が来る、今日はミニラとお散歩と狩に行く。ずっと離れているせいで、ご機嫌が斜めなので。ご機嫌取りを兼ねた俺のストレス発散デーにした


屋台で串焼きとサンドイッチを大量に買い込み。王都を出てトコトコ歩く。シルエットは置いて来たので、好きなだけ暴れられる


「ミニラ、待たせたね。お土産有るよ」

「さびしかったんだからね、パパぁ」

と文句言いながら、口開けるミニラに。ポイポイサンドイッチと串を外した焼き肉を放り込む。

「おいしいねぇ、パパぁ」

機嫌が簡単にもとどおり、簡単にご飯に釣られるミニラであった


「ミニラ、爺じいちゃん探しに行くから。国境で降りて」

「わかったぁ、パパぁ」


国境で入国審査を受け、地図を見せて貰い。丸トーク方面へ向かう


「あれだとおもうよお、パパぁ」

メリット領から1時間余り、国境から3百キロ程の位置にゴマ粒にしか見えない物が動いてる。ミニラには、騎馬の隊列にちゃんと見えるらいし


「先頭の百メートル程手前に降りてくれるかな」

「はぁい、パパぁ」


「止まれえ~!」

先頭を走ってた爺ちゃんが号令を掛けると、地響きを立てながら走ってた。5百騎の騎馬隊が一斉に止まる


「ガンジー、いったいどうしたのじゃ?」

少し驚いた爺ちゃん


「打ち合わせをしたく、参りました。お祖父様」

もう止まれ無いしね


「聞かせて貰おうかの」

馬を降りた爺ちゃんが近付いてくる


「お祖父様に、護衛をお願いしたあの二人の獣人は。次期パトロンド国王と、その側近です」

爺ちゃんの眉が跳ね上がる


「お前は又そのような途方も無いことに、関わっておるのか?」

あははは・・・・


「現国王が、余りに愚劣なもので。腹に据えかねまして・・根回しも既に終わり、後2日で退位の運びとなると思います。早ければ3日後、遅くとも4日後には。国境へパトロンドの迎えの者が参るハズですが。申し訳ありませんが、お祖父様は騎士達とそのまま護衛として王都迄登ってきて頂けませんか」

爺ちゃんが護衛してくれると交渉が捗ると思う


「又、無茶を言いおるのお。解った、わし自ら参ろう」

大将軍に敵地へってやっぱり無茶なんだ・・・・ってか俺も大将軍・・それも単独で・・・


「それと、これで二人にそれらしい服をお願いします」

白大金貨を1枚渡した


そのままゴロウ達の所へ行き

「手紙は読んだな?あの通りだから。報酬はちゃんと払えよ」


「本当に、国が取り戻せるのか?そんな簡単に」

ゴロウは信じられないようだ


「多分、後2日で終わる。クリスは良い妹だな、大事にしてやれよ。それと、一番大事な事だ!愚弟の去勢は譲れんぞ」

チョッキンは絶対です


「お、おう、約束する。お前がそう言うと言う事は、あいつの悪癖を知っての事だろうからな・・止められずに居た俺を許せ」

ゴロウが頭を下げた


「相変わらす、偉そうな言葉使いだなあ。お前は未だ俺の部下何だがな。王都で待ってるぞ!」

笑いながらその場を去った


「お祖父様、それでは宜しくお願いします」

そう告げてミニラに向かう


「ミニラ、次はメリット領で狩りでもしようか」

「はぁい、パパぁ」

ご機嫌なミニラと空の旅


海岸に降りて貰い人魚達に挨拶する

「お帰りなさい、ガンジー様」

リンリンが跳び寄って来た


「変わりはないか?困った事や、怪我人や死人は出て無いか」

優しい上司である


「はい、問題有りません。軽傷者は数名出ましたが、回復済みです」

怪我人はどうしても出るよなぁ


「未だ暫くは掛かるから、宜しく頼むな。リンリン」


「はい!」


話し終わって護衛の冒険者達の方へ向かう

「真実の翼のメンバーは居るか?」

そう聞くと視線が向けられた先にネリーが居た


「金の計算はちゃんとしてるか?」

近寄っていきなり声を掛ける、イタズラっ子です


「う、うわって、ガンジーか・・・小銭が数多くて面倒なのよね。別手当て相当貰わないと、合わないわ」

女言葉のままだった


「ネリーの所のパーティー、馬車持ってるか?」

唐突に聞いた


「有るけど何に使うの?」


「今から狩りに行く、儲けさせてやるから。メンバー集めてギルド集合な。護衛の任務中でも構わんからな」


話が決まれば早いネリーのパーティーメンバー全てが集まるのに30分程だった。

俺はミニラに、真実の翼は馬車でモンスター領域へ向かう




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